強豪オランダ相手に大接戦の末、2-2のドローを演じたサッカー日本代表。負傷した遠藤航に代わって土壇場で追加招集された町野修斗は、わずかな可能性を信じてパスポートを持ち歩いていたという。2大会連続のワールドカップとなるも、前回のカタール大会では出場機会を得られなかった町野。今大会での一挙手一投足にも注目が集まる彼、そして彼が愛用するロレックス「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」に注目した。

Text by Yukaco Numamoto
編集:土田貴史
Edited by Takashi Tsuchida
[2026年6月21日掲載記事]
最後まで諦めない気持ちが、町野修斗の追加招集を引き寄せた
当初発表の日本代表メンバーに、町野修斗の名前はなかった。状況が一変したのは、遠藤航の離脱が決まり、その代役として町野に急遽招集の声がかかったときだった。
呼ばれる可能性をわずかでも信じ、町野はパスポートを肌身離さず持ち歩いていたという。協会から連絡を受けてからわずか7時間後にはアメリカ行きの便に飛び乗った。道中、便の欠航が相次ぐアクシデントに見舞われ、長時間nの移動を強いられた。それでも本人は「疲れは全くない」と言い切る。足止めとなったシカゴでもホテルの一室で体を動かし続けてコンディションを整え、出場できなかった選手たちの思いも背負って戦う覚悟を固めていった。
実際、メンバーから漏れたと知った直後は、ワールドカップの情報に触れるたびに悔しさが募り、精神的に苦しい時期もあったと町野は明かす。それを支えたのが、家族や応援してくれる友人たちの存在だった。そして追加招集が決まった後には、チームを離れることになった遠藤航本人から直接連絡が入った。湘南ベルマーレ時代の先輩でもある遠藤の前向きな言葉に背中を押され、町野はこう言葉を継いだ。
「いろいろ責任とか、のしかかってくるものはありますけど、航くんが僕のプレーを見て、『町野でよかったな』と思える大会にしたいです」
オランダとの大接戦を経て、町野はベンチで出番を待った
そうして強い気持ちで代表入りを果たした町野修斗にとって、2度目となるワールドカップはオランダ代表との一戦から幕を開けた。相手はFIFAランキング8位に位置する強豪。先制を許す厳しい立ち上がりとなったが、日本代表はそこから粘り強く反撃し、最終的に2-2の引き分けに持ち込んだ。
町野自身はメンバー入りこそ果たしたものの、この試合でピッチに立つ機会はなかった。それでも、初戦で見せたチームの粘りと勝点1という結果は、グループステージを戦い抜くうえで大きな意味を持つはずだ。土壇場で代表入りを果たした町野が、この大舞台でどのような形でチームに力を加えていくのか。大会の行方とともに、その一挙手一投足にも注目が集まる。
ロングスローも、町野修斗の大きな武器だ
町野修斗がサッカーを始めたのは3歳のとき。サッカー経験のある兄の影響だったという。地元・三重県伊賀市のFCアヴェニーダソルでプレーした中学時代を経て、高校では全日本高校選抜にも選出された。その活躍が目に留まり、横浜F・マリノスへの加入を果たす。
マリノスでは公式戦出場の機会こそ得られなかったものの、期限付き移籍したJ3・ギラヴァンツ北九州(※J3は2019年。2020年はJ2に昇格)で着実に実績を積み上げ、2020年末には湘南ベルマーレへの完全移籍が決定。2021年こそ年間4得点にとどまったが、翌2022年には自身初の2桁得点をマーク。最終的にはJ1得点ランキング2位、日本人選手では単独トップとなる年間13得点をあげる飛躍を見せた。そして2023年には、ひとりで前半4得点を奪うという、Jリーグ史上初の快挙も達成している。
そんな町野のプレースタイルを語るうえで欠かせないのが、リーグトップクラスを誇るロングスローだ。敵陣深くからのスローインは、一発で得点に直結するセットプレーの起点となり得る強力な武器。相手チームのファンも驚くほどの飛距離は、まさに町野の代名詞といえる。利き足の右足だけでなく左足からもゴールを奪える高い万能性に加え、185cmという恵まれたフィジカルも強みだ。神出鬼没な動きから“忍者”とも称される町野が、今大会のピッチ上でもその異名にふさわしいプレーを見せてくれることを期待したい。
町野修斗の愛用時計はロレックスのコスモグラフ デイトナ?
そんな町野修斗が普段愛用している時計に目を向けてみると、Instagramの投稿の中に、ロレックス「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」とおぼしきモデルを着用する1枚を見つけることができた。
ちなみに同じ投稿に含まれる1枚目の画像に写るのは、元サッカー選手である兄が地元・三重県伊賀市で営むカフェ「町野珈琲店」。娯楽の少ないドイツでの趣味を「カフェ巡り」と語る町野修斗にとって、一時帰国の際に立ち寄るホッと一息つける場所のようだ。
着用モデルの詳細までは画像から判別できないが、おそらくロレックスのコスモグラフ デイトナの何らかのモデルと見て間違いないだろう。現行モデルは2023年、誕生60周年を迎えたタイミングでフルモデルチェンジを受けている。セラクロムベゼルには縁取りが加わり、インデックスとインダイアルがより細くなったほか、「SWISS MADE」の表記部分に王冠マークが配置されるようになった。これはディープシーやサブマリーナーにも共通する変更点で、現行ロレックスに通底する最新仕様といえる。
搭載するムーブメントもCal.4130からCal.4131へと進化した。クロナジー・エスケープメントとパラフレックス・ショックアブソーバーを備え、ボールベアリングも改良されたことで、巻き上げ効率と耐久性が大幅に向上し、ローターの回転もよりスムーズになっている。さらに2023年以降のデイトナは、従来モデルよりケース厚が0.5mm薄くなっているのもポイントだ。クロノグラフでありながらスマートな印象を保ち、普段使いにもすんなりなじむ1本に仕上がっている。

自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。
さて、プライベートでは釣りやショッピングを楽しむ様子をInstagramに投稿する一方、取材では妻と手裏剣体験に出かけたことも明かしている町野修斗。アクティブに毎日を満喫するその素顔からは、ピッチ内外でのエネルギッシュな姿が伝わってくる。
ちなみに、グループFはチュニジア戦を経て、6月26日にスウェーデン戦も控える。グループステージ突破に向けて、一戦ごとに重みを増していく森保ジャパンの戦い。そのなかで、土壇場で勝ち取った代表の座を手にした町野修斗が、忍者のごとく存在感を示していく姿を、固唾をのんで見守りたい。



