大リーガーとして活躍する大谷翔平選手。セイコーは2016年から彼をアンバサダーに、2026年からはグローバルアンバサダーに招聘した。セイコーと大谷選手の10周年を祝うべく、セイコーは東京と大阪で「SHO-ism Seiko | Shohei Ohtani - 10 Years Journey」を開催。併せて大谷選手のアイデアから生まれたスーパーコンプリケーションとなる、100万時間の積算腕時計「Seiko Star Time」の発表会を、7月3日に開催した。

Text by Masayuki Hirota(Chronos-Japan)
[2026年7月3日公開記事]
世界で1本の「セイコー スタータイム」がお披露目
2016年からセイコーのアンバサダーを務める大谷翔平選手。その10周年を祝うイベントが「SHO-ism Seiko | Shohei Ohtani - 10 Years Journey」だ。7月3日から5日まで東京、8月1、2日に大阪での開催となる。
このイベントに伴い、セイコーはメディア向けの発表会を実施。併せて、大谷選手のアイデアを形にしたスーパーコンプリケーション「Seiko Star Time」をリリースした。これは、100万時間(約114年間)までの時間を、5層のディスクで積算表示するというスーパーコンプリケーション。「野球選手としてどれぐらい続けられるのか、そして積み重ねられるのか」という彼の問いを、機械式として具現化した時計である。

大谷翔平選手の「野球選手として、後どれぐらいの時間を積み重ねられるだろう」という思いを具現化したスーパーコンプリケーション。5枚のディスクが100万時間もの時を表示する。自動巻き(Cal.9SA5ベース)。ブライトチタンケース(直径41.8mm、厚さ17.4mm)。10気圧防水。非売品。
ちなみに、セイコーの機械式時計の多く(含むグランドセイコーとクレドール)は、大谷選手の故郷である岩手県で作られている。地元愛あふれる大谷選手が、一貫してセイコーの時計を使い続けるのは当然だろう。また、大谷選手とほぼ時期を同じくして、セイコーのハイエンドであるグランドセイコーも世界進出を果たし、大きな成功を収めつつある。と考えると、大谷選手とセイコーが、10年もの長きにわたってパートナーであり続けてきたのは当然かもしれない。
イベントではセイコーウオッチ代表取締役会長 兼 CEO 兼 CCOである服部真二氏の挨拶に続いて、大谷選手の秘話を語ってくれたのは、北海道日本ハムファイターズ チーフ・ベースボール・オフィサーの栗山英樹氏だ。大谷選手を抜擢した彼は、なんとセイコー「アストロン」の愛用者。2023年のドラフト会議でも、セイコーによる大谷限定モデルを着用していた。「私はいろいろな格好をするのですが、アストロンは動きを助けてくれるんですね。軽いし、見やすいし、体の一部ですね」。大谷限定を選んだ理由は、「ドラフトでゲンを担ぐわけではないが、思いを込めましたね。時計は重要なポイントですから。(大谷選手のような)素晴らしい選手との縁をくださいという点で着けました」。

栗山氏は大谷翔平の成功理由を、時間の使い方にあったと語る。「時間、時は成功する大きな要素だったと思いますよ。多くの選手は練習を重ね、栄養を摂って試合に挑む。でも翔平はピッチャーもバッターもやって休養を取る。だから時間の管理が極めて重要なんですね。彼が成功したのは、自分の24時間をうまくマネジメントできたからではないでしょうか」。彼の語る大谷の口癖は「今じゃないんです」。多くの選手は今の時間しか意識しないが、翔平は未来を完璧にイメージしている。そんな大谷選手にとって、時や時計は、大事なものだろうと栗山氏は述べた。
栗山氏は、大谷選手がセイコーを選んだ理由をこう語った。「(彼が世界に出たときは)日本は大変な時期にあった。その中で、日本は素晴らしいし、世界を制するものであり、世界に打っていけるという勇気を持てるもの。自分も世界一になれる。日本のもので世界に勝負できる」。つまりはそれがセイコーの時計というわけだ。
約114年の時間を可視化する時計

そんなセイコーと大谷選手との繋がりが結実したのが、5層のディスクで100万時間を積算する、Seiko Star Timeだ。積み重なる時間を表示するこの時計は、時間に対する大谷選手の思いが表現されたもの。文字盤中心の円盤針から、24時間、1000時間、1万時間、10万時間、100万時間までの積算時間を、赤い目盛の下に示す。つまり、一番外側にあるディスクは、なんと約114年をかけて1周するのである。星座や時間を回転ディスクで示す時計は存在するが、約114年の時間を可視化したものはこれしかないだろう。
本作について説明したのは、プロダクトデザイン部の檜林勇吾(ひばやし ゆうご)氏。約3年前に始まった企画は、大谷選手にデザインを選んでもらうところからスタートしたとのこと。そしてセイコーの開発チームは、なんとそのデザインをほとんどそのまま、プロダクトに落とし込んだ。もっとも、大谷選手とのディスカッションを通じて、中心部にダイヤモンドを、リュウズにブルーサファイアを加えるなどのモディファイが施された。時計の直径は41.8mm、厚さは17.4mm。しかし、ケース形状はエルゴノミックであり、ストラップも、大谷選手の手首回りに合わせた特注品が製作された。

面白いのは、搭載するムーブメントだ。セイコーは公表していないが、裏蓋側から見えるのは、グランドセイコーの通称“白樺”が搭載する機械式のCal.9SA5である。普通、セイコーはグランドセイコーが採用するムーブメントを、他のコレクションに使うことは決してない。セイコーの威信をかけたCal.9SA5ならば、なおさらだ。しかし、あえてこれをベースムーブメントに選ぶあたりが、大谷選手とセイコーの特別な関係があればこそだろう。
このユニークピースを目の当たりにできる機会
残念ながら、Seiko Star Timeは大谷選手のみが使用するユニークピースであり、非売品だ。しかし幸いなことに、7月3日から5日までは東京、8月1日と2日は大阪で開催される本イベントにて、実物を見ることができる。大谷選手の時に対する哲学を結実させた、唯一無二のコンプリケーション。予約制ではあるものの、見るべき価値は間違いなくある。


東京会場
開催日程:2026年7月3日(金)14:00~19:00、 4日(土)11:00~19:00、5日(日)11:00~18:00
開催場所:東京都渋谷区神宮前6丁目35−6
備考:入場無料/公式サイトまたは現地で要予約
大阪会場
開催日程:2026年8月1日(土)、2日(日)
いずれも開催時間は11:00~19:00
開催場所:グランフロント大阪 北館 ナレッジプラザ
備考:入場無料/自由入場



