現代のニーズに合わせて進化したセイコー アストロン「Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ」を深掘り

2026.06.16

2026年にセイコーから発表された新作モデルのうち、時計ライター・佐藤しんいちがセイコー アストロン「Nexter(ネクスター)」に追加された「Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ」に注目して深掘りする。この新作モデルには新開発クロノグラフムーブメントCal.5X63が搭載され、新デザインとなっている。エッジの効いた大胆なシルエットや、それを際立たせる2層構造のベゼル、ブレスレットを簡単に取り外せるスマートスイッチ®など、特筆すべき点が多い腕時計と言える。

セイコー アストロン Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ

新作となるセイコー アストロン「Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ」のレギュラーモデルの3型。新ムーブメント、エッジの効いたデザイン、新開発のスマートスイッチ®、シリコンストラップ仕様と、要注目点は盛りだくさんだ。

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FEATURES

佐藤しんいち:文
Text by Shin-ichi Sato
[2026年6月16日公開記事]


創業145周年を迎えるセイコーの歴史と「アストロン」の系譜

 現在のセイコーの起源は1881年の服部時計店の創業であり、創業者である服部金太郎以来の「常に時代の一歩先を行く」という信条の下、1913年に国産初の腕時計を完成させ、1960年代には世界初や日本初となる技術および製品を次々に発表した。その中でも象徴的であるのが、1969年、世界に先駆けて発売されたクォーツウォッチ「クオーツ アストロン」である。

クオーツ アストロン 35SQ

1969年12月に発売された「クオーツ アストロン 35SQ」。世界で初めて量産されたクォーツ式腕時計となる。

 今般紹介するセイコー アストロンは、クオーツ アストロンの名を受け継ぎ、セイコーの先進性を体現するコレクションだ。その中でも「Nexter」は、次世代リーダー達の活躍を後押しするモデルに位置付けられており、ソーラー充電や、GPS衛星あるいは各国の標準電波受信による時刻修正とタイムゾーン修正といった充実した機能を備える。さらに、チタン製外装によって軽量で着用感に優れた仕立てとなっている点が特徴である。


セイコー アストロン Nexter新作の注目すべき4つのディテール

 今回深掘りするセイコー アストロン「Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ」は、①新ムーブメントによる新たな文字盤デザイン②エッジの効いた大胆な造形③ブレスレットとストラップの交換が簡単な「スマートスイッチ®」④シリコンストラップの採用という4つの注目すべきディテールを備えている。

新ムーブメントCal.5X63による新たな文字盤デザイン

 本作の発表に際し、新開発のGPSソーラームーブメントのCal.5X63が採用されている。2024年に登場して以来、セイコー アストロンの多機能型GPSソーラーウォッチに搭載されてきたCal.5X83の文字盤は、縦3つ目のインダイアル配置であった。新開発となるCal.5X63は、センターに時分針、秒表示とクロノグラフの秒表示を共有する針を配し、3時位置に曜日や機能、パワーリザーブ表示を担当するマルチインジケータ―、6時位置にデュアルタイムやクロノグラフの時分表示を担当するサブダイアル、9時位置にクロノグラフの20分の1秒表示を備える、横3つ目スタイルとなった。12時位置にセイコーとアストロンのロゴが並び、サブダイアルのサイズのバランスが良い文字盤デザインとなっている。また、4時半位置には日付表示を備える。

 Cal.5X63は、GPS電波受信による自動時刻修正とタイムゾーン修正、ワールドタイム、デュアルタイム、ストップウォッチ、ソーラー充電など充実した機能を有しており、次世代リーダー達の活躍を後押しするNexterにふさわしい仕上がりである。

セイコー アストロン Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ

着用モデルは「Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ」のRef.HAB002J。シックなネイビーブルー文字盤で、引き締まった印象だ。ベゼルはポリッシュ仕上げで、エッジの効いた造形を際立たせている。

エッジの効いた大胆な造形

 従来よりNexterは、チタン製の外装を備え、軽量で着用感に優れた仕立てが魅力である。新作もケースとブレスレットにはダイヤシールドを施したチタンが採用されている。そして注目すべきは、従来のエッジの効いたデザインをより際立たせた大胆な造形だ。

 この造形が分かりやすいのがツートンカラーの外装を持つRef.HAB003Jだ。Ref.HAB003Jのベゼルは、八角形で天面はヘアライン、斜面にはポリッシュ仕上げが施されたシルバーカラーのパーツと、ゴールドカラーのリング状のパーツの2層構造となっている。このようなデザインはアストロンとしては初となる。八角形のベゼルでは、ポリッシュ仕上げとヘアライン仕上げの使い分けによって、立体感が強調されている。また、ケースは平面で構成され、光と影が生み出すコントラストが印象的だ。

 手首周長約18cmの筆者が着用すると手首にフィットし、軽量な仕立ても相まって着用感が良い。ケース径は43.4mmと数値上は大柄だが、ラグが短いデザインが良好な着用感を生んでいるようだ。また、ケース厚さは12.4mmであり、多機能を実現しながら実用的なサイズに収められている。

セイコー アストロン Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ

Ref.HAB003Jのベゼルは、八角形のメインのパーツと、ゴールドカラーのリング状のパーツの2層構造を持つ。質感の違いを加えるだけでなく、本作のようにツートンカラーを採用できる構造で、今後のバリエーション展開も期待できる。

ブレスレットとストラップの交換が簡単な「スマートスイッチ®」

 新作のラグ部分には、新たに開発された独自機構「スマートスイッチ®」が採用されている。これは、ラグ裏に配置されたスイッチを押しながらブレスレット、あるいはストラップを引き上げることで簡単に取り外しができる機構である。取り付け時にはバネ棒を受け部分に押し付けることで、カチリとロックされる。実際に操作をしてみると、スマートスイッチ®のボタンは押しやすく、想像よりも簡単に取り外しできた。また、ロック状態ではガタつきもなく、安心感もあった。

セイコー アストロン Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ

新たに開発された独自機構「スマートスイッチ®」はケースのラグ部に配置されている。長方形のボタンを押すことでロックが解除され、ボタンを押したままストラップを引き上げて取り外す。取り付けも簡単だ。

シリコンストラップの採用

 スマートスイッチ®の採用に合わせて、Nexterでは初となるストラップ仕様も用意された。このストラップはシリコン製で触り心地がよく、コシもあって質感が良い。モダンなビジネススタイルのブレスレット仕様に対して、ストラップ仕様はスポーティーなテイストとなり、新たな魅力が訴求されている。

セイコー アストロン Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ

シリコンストラップ仕様のRef.HAB003Jの着用例。ネイビーの文字盤に、ゴールドカラーのインデックスや各種針、ベゼル部のチタン製リングパーツ、チタン製ケースのシルバーカラーがコントラストを生んでいる。シリコンストラップとの組み合わせにより、スポーティーなテイストが加わっている。

 ストラップ仕様を着用してみると、フィット感が良好であるのが印象的であった。このフィット感は、ストラップとケースが手首に沿うように、ストラップ取り付け部の形状を最適化しているのが効いているのだろう。しなやかなシリコンストラップとの合わせ技で、幅広いユーザーにフィットしそうだ。

セイコー アストロン Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ

手首への良好なフィット感を生むラグとストラップの形状。手首に沿う円形を描いているのが分かる。シリコンストラップはしなやかで肌触りが良く、こちらも着用感の向上に寄与する。


現代のニーズに合わせて着実に進化するセイコー アストロン Nexter

 Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフの発表に際して、3つのレギュラーモデルと、セイコー創業145周年を記念し、クォーツ アストロンが発表された1960年に制定された「セイコー・ブルー」を文字盤デザインに採用した限定モデルの、計4型がラインナップされた。

 セイコー アストロン Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ
 セイコー アストロン Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ
セイコー アストロン「Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ」Ref.HAB001J/Ref.HAB002J
GPSソーラー(Cal.5X63)。14石。フル充電時約2年駆動(パワーセーブ時)。Ti+ダイヤシールドケース(縦50.0×横43.4mm、厚さ12.4mm)。10気圧防水。30万8000円(税込み)。

セイコー アストロン Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ

セイコー アストロン「Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ」Ref.HAB003J
GPSソーラー(Cal.5X63)。14石。フル充電時約2年駆動(パワーセーブ時)。Ti+ダイヤシールドケース(縦50.0×横43.4mm、厚さ12.4mm)。10気圧防水。29万7000円(税込み)。

 限定モデルには、デザインにマッチするセイコー・ブルーとホワイトのコンビネーションカラーを採用した、特別なシリコンストラップが付属する。

 セイコー アストロン Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ
 セイコー アストロン Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ
セイコー アストロン「Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ 限定モデル」Ref.HAB004J
GPSソーラー(Cal.5X63)。14石。フル充電時約2年駆動(パワーセーブ時)。Ti+ダイヤシールドケース(縦50.0×横43.4mm、厚さ12.4mm)。10気圧防水。世界限定2000本(うち国内800本)。33万円(税込み)。

 また、これら4型に使用できる、ブラックとホワイトのシリコンストラップ2種もオプションとして発売される。なお、従来モデルとは取り付け部形状が異なるため適合しない。

 今回の深掘りを通じて、機能的で文字盤デザインに優れる新ムーブメント、立体的でエッジの効いたデザインを際立たせるケース構造、利便性の高いブレスレットの着脱機構であるスマートスイッチ®、着用感に優れたシリコンストラップの新採用など、セイコー アストロンは現代のニーズに合わせて着実に進化していることを感じた。先に述べた通り、Nexterは次世代リーダー達の活躍を後押しするモデルに位置付けられている。変化し続ける時代の中で、本作は第一線で活躍できる完成度を有しており、コンセプトを体現していると言えるだろう。実用性を重視するユーザーに特におすすめしたい2026年新作モデルである。



Contact info:セイコーウオッチお客様相談室 Tel.0120-061-012


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