世界最大級の時計売買プラットフォームがChrono24である。筆者は昔からまあまあ使っており、使い勝手の良さには感心させられた。以前も書いたとおり、出店する基準が厳しく、またエスクローサービスが充実しているので、変なものに引っかかったり、詐欺に合う恐れはないのである。それにケアが丁寧だ。ある方に頼まれて、Chrono24を紹介したが、対応は実に見事だった。詳しくは書けないが、あれほどしっかりした対応をするオンラインサービスは今まで見たことがない。
Chrono24初心者の人向けに、ちょっとばかり、自分のやりとりをシェアすることにしたい。Chrono24でジンの244を見つけたのは2020年4月のことだった。売り主はウィーン在住の某氏。日本でも244は見つかるが、これはワンオーナーっぽい個体で、しかも1995年9月25日に販売された初期型だ。加えて(非常に重要なことを言うと)、ヒロタでも買えそうな価格だった。これは正直欲しい。
売り主に価格を提案(つまりちょっと値下げしろというお願い)したのは4月10日のこと。向こうが受諾したので、4月14日にはクレジットカードで振り込みを行った。冒頭にも書いたとおり、Chrono24はエスクローサービスを使っている。つまり、一度払ったお金はChrono24にプールされる。売り主が商品を送り、買い手の手元に届いて、かつ満足したならば、Chrono24から売り主にお金が支払われる仕組みだ。仮に偽物を送ってきた場合、お金が払われることは決してないし、写真と違ったものが送られてきても同様である。正直、この信頼感は、国内外のオークションサイトとは雲泥の差だ。どうでもいい話だが、昔筆者は某オークションサイトでもめたことがある。その時の対応を見て、これはダメだと感じたものだった。
感心させられたのは、売り手と買い手の間に立った、細かいケアである。相手に入金した4月上旬は、オーストリアと日本の国際郵便が完全にストップしていた。売り主はなんとか送付しようと試みてくれたが、時間がかかるのは仕方ないと思っていた。その間、Chrono24からは、「取引大丈夫?荷物は届きましたか?」というメッセージが何度も届いた。しかも日本語で、である。
売り主とメッセージをやりとりすること17回、オーストリアから荷物が出荷されたのは5月29日のことだった。コロナの影響で、日本への着荷は約3週間後の6月17日。普通は1週間ほどだが、コロナ禍の時期だから仕方ない。届いた品物を確認し、相手に着荷したというメッセージを送り、取引を完了した時点で、Chrono24に預けていたお金が払われた。記録には6月17日とある。
Chrono24を使うには、クレジットカードと、少しばかりの英語力が必要である。英語力はなければないで問題なさそうだが、中学生レベルのやりとりで全然通じるから、使ってみるのは面白いと思う。それにケアがしっかりしているので、海外系の通販にありがちな不安はまったくない。ebayを使うよりハードルはぐっと低い、と筆者は思う。高価な時計をオンラインで、しかも海外から買うというのは、日本人にとってはチャレンジだ。しかし、気に入った時計を見つけたら、ぜひChrono24でトライして見るべし。筆者の使った感じを言うと、Chrono24はかなりお勧めである。
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