ブレゲの歴史や開発機構を知る。ブランドと人気コレクションを解説

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2021.03.09

ブレゲは「時計の歴史を200年早めた」と称されるアブラアン-ルイ・ブレゲが創業し、現在でも創業者の時計製造・美的デザインに対する飽くなき探究心を継承している。ブレゲの歴史や発明、人気コレクションを紹介しよう。

クラシック 7137


ブレゲの基礎知識を知ろう

現代ではさまざまな高級腕時計メーカーが、高精度かつ複数の複雑機構を搭載した腕時計をリリースしているが、ブレゲの創業者アブラアン-ルイ・ブレゲの功績がなければ、これほどまでに時計製造は発展していなかったかもしれない。

天才時計師による老舗の時計メーカーのひとつ

アブラアン-ルイ・ブレゲ

創業者のアブラアン-ルイ・ブレゲ(1747-1823年)。スイスのヌーシャテルで生まれ、1775年、フランス・パリのシテ島にある建物、ケ・ド・ロルロージュに高級時計工房を設立。

ブレゲは、天才時計師であり発明家のスイス人、アブラアン-ルイ・ブレゲ(1747-1823年)が1775年に創業した老舗時計メーカーである。

アブラアン-ルイ・ブレゲは現代の腕時計に欠かせない耐衝撃吸収機構や自動巻き機構などを懐中時計の時代に発明し、トゥールビヨンをはじめとする多くの複雑機構を発明・改良した。

現代の腕時計に搭載される機構の約70%はアブラアン-ルイ・ブレゲが発明・改良したとされるほど、時計史に刻んだ功績は偉大である。

アブラアン-ルイ・ブレゲが作る時計はヨーロッパのあらゆる宮廷で賞賛を浴び、フランス王妃マリー・アントワネットをはじめとする王侯貴族のほか、科学者・軍人・金融家・外交官などのエリート層にも愛用された。

時計の歴史を200年早めたと称される

アブラアン-ルイ・ブレゲは、1780年にプラチナ製の分銅(重り)を搭載した自動巻き懐中時計「ペルペチュエル」、1790年には現代のインカブロックをはじめとする耐衝撃吸収機構の元祖といえる「パラシュート」機構を開発した。

さらにリピーターウォッチ向けの数々のソヌリ機構を開発したほか、閏年の調整を自動で行う「パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)」、姿勢差による重力の影響を相殺する「トゥールビヨン」も開発している。

1810年にはナポリ王妃カロリーヌ・ミュラのために史上初の腕時計とされる「ブレゲ・No.2639」を開発した。これら多くの革新的な発明により、アブラアン-ルイ・ブレゲは「時計の歴史を200年早めた」と称されるのだ。


ブレゲの歴史

ブレゲは創業245年を超える老舗高級時計メーカーだが、1870年には創業家の手を離れ、1999年からスウォッチ グループ傘下となって栄光を取り戻した。

パリのシテ島からスタート

トゥールビヨン・レギュレーター No.1176

アブラアン-ルイ・ブレゲが1809年に販売したトゥールビヨン・レギュレーター「No.1176」。文字盤には繊細なクル・ド・パリやフランケ装飾が施されている。

1747年にスイス・ヌーシャテルで生まれたアブラアン-ルイ・ブレゲは10代で故郷を離れ、時計師として修行するためフランス・パリへ赴いた。

1775年、大修道院長ジョゼフ-フランソワ・マリーの助力により、パリ・シテ島のケ・ド・ロルロージュに高級時計工房を設立する。

マリーによってフランス王室に紹介されたアブラアン-ルイ・ブレゲは瞬く間にヨーロッパ各国の王侯貴族を顧客としていった。

1823年に没するまで、時計のさまざまな根幹的機構や複雑機構、さらに数々の手彫りギヨシェ模様やブレゲ針・ブレゲ数字など、意匠面でも優れた発明を成し遂げている。

創業家から離れる

クラシック トゥールビヨン 3357

1988年、ブレゲはトゥールビヨンの発明者に敬意を表した「クラシック トゥールビヨン 3350」を発表。写真はその後継機となる「3357」。

アブラアン-ルイ・ブレゲの子孫は時計製造から電気事業や航空分野に関心を移し、3代目のルイ-クレマンは1870年、工房長のエドワード・ブラウンに時計部門を売却する。

ブレゲは創業95年で創業家の手を離れ、ブラウン家がアブラアン-ルイ・ブレゲの時計製造における功績と遺産を引き継いだ。

1970年にはパリの宝石細工商ショーメ兄弟がブレゲの商標を買い取り、76年には工房をスイスのジュウ渓谷へ移転する。

ブレゲは87年に投資会社インベストコープへ売却され、88年には創業者への敬意を表し、トゥールビヨン搭載腕時計を発表した。

スウォッチ グループによる買収

クラシック ダブルトゥールビヨン 5347

2006年に発表された「クラシック ダブルトゥールビヨン 5347」。独立回転するふたつのトゥールビヨンを搭載していることに加え、トゥールビヨンを載せたプレートが12時間で1回転する。

ブレゲはインベストコープの経営下でアジアや北アメリカにも販売網を伸ばしたが、1999年に至ってオメガやETAなどを擁する世界最大の時計製造グループ「スウォッチ グループ」に買収される。

2001年にはトゥールビヨン特許取得200周年を迎え、04年には自動巻きトゥールビヨンムーブメント、06年にはシリコン素材の採用や、ふたつのトゥールビヨンを搭載する「ツイン・ローテーティング・トゥールビヨン」を発表するなど、新生ブレゲはさらなる躍進を果たした。


ブレゲ腕時計の人気コレクション

ブレゲは偉大な創業者アブラアン-ルイ・ブレゲの功績と遺産を現代に伝えるブランドである。中でも人気の高いコレクション「クラシック」「トラディション」「マリーン」を紹介しよう。

洗練された定番のデザイン クラシック

クラシック 7137

2020年に発表された「クラシック 7137」。10時位置のパワーリザーブ表示には編み籠模様の「パニエ」、6時位置の日付表示には「ダミエ」、そしてダイアルのメインには「クル・ド・パリ」装飾をそれぞれ施し、ブレゲの伝統的なギヨシェ彫りが存分に堪能できる。自動巻き(Cal.502.3 DR1)。37石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約45時間。18KWGケース(直径39mm)。3気圧防水。433万円(税別)。

1972年に生まれた「クラシック」コレクションでは、懐中時計を思わせるシンプルなラウンドケースをベースとして、ブレゲ特有の伝統的な要素を再現している。

極薄型時計から複雑時計までダイアルを精緻なギヨシェやブレゲ針で彩り、モデルによっては本格炉焼きエナメルダイアルや手描きのブレゲ数字を用いて、高い視認性と精度、エレガントなデザインを両立する。

技術力を現代へ継承 トラディション

トラディション レトログラード デイト 7597

レトログラード式の日付表示を備えた2020年発表モデル「トラディション レトログラード デイト 7597」。同コレクションでおなじみの、シンメトリックなデザインも美しい。自動巻き(Cal.505Q)。45石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。18KWGケース(直径40mm)。3気圧防水。418万円(税別)。

2005年に誕生した「トラディション」コレクションは、アブラアン-ルイ・ブレゲの傑作懐中時計「スースクリプション」にインスパイアされた機構・デザインが特徴だ。

大きな香箱を中央に配置し、その上に左右対称に歯車を並べ、12時位置にオフセンターのダイアルを配するデザインである。耐衝撃吸収機構はブレゲ伝統のパラシュートを採用する。

大胆なオープンワークであらわになったムーブメントの部品は、表面に「グルネイユ(サンドブラスト)」装飾を施すなど細部まで手作業で仕上げられ、アブラアン-ルイ・ブレゲが求めた完全な美的デザインが再現されている。

航海用精密時計をアレンジ マリーン

マリーン 5517

2020年にリリースされた「マリーン 5517」のブレスレットモデル。ダイアルには波頭に着想を得た新しいギヨシェを施し、海洋をテーマとしたコレクションにふさわしい意匠に仕上げている。自動巻き(Cal.777A)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。18KWGケース(直径40mm)。10気圧防水。531万円(税別)。

1815年、アブラアン-ルイ・ブレゲはフランス国王ルイ18世により王国海軍御用達マリンクロノメーター(航海用精密時計)製造者に任命された。

時計師に授与される最高の称号である「オルロジェ・ドゥ・ラ・マリーン」を持つ創業者にインスパイアされ、1990年に50m防水のスポーティーウォッチとして発表されたのが「マリーン」コレクションだ。

リュウズプロテクターを備えた頑丈なケースはスポーティーでありながら、手作業によるラッカー仕上げや複雑かつ精緻な手彫りギヨシェ模様などでダイアルを彩り、洗練されたエレガントな印象も併せ持つ。


ブレゲの奥深い歴史を知ろう

ブレゲは時計史において最も重要な天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲを創業者に持ち、現在も創業者の時計製造や美的デザインに対する飽くなき探究心を継承している。

ブレゲの奥深い歴史を知り、時計史の根幹が息づく腕時計の魅力に触れてみよう。



Contact info: ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211


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