注目すべきはスモールセコンド、独立した秒表示を備える時計5選

時計の秒針は、時針や分針に続く3番手として中央に配置されることがほとんどだ。ここでは、秒表示のスモールセコンドを中央より離し、独自の輝きを放つ名作を5本選び抜いて紹介する。

パテック フィリップ「カラトラバ」

　パテック フィリップは、ドレスウォッチのフラッグシップコレクション「カラトラバ」に、Ref.6119を投入することによりヴィンテージのテイストを加えた。直径39mmのローズゴールドケースの柔らかな丸みを帯びたベゼルには、クル・ド・パリのギヨシェ装飾が施されているのが特徴だ。グレイン仕上げのシルバーダイアルには、ファセットを施したローズゴールド製のアプライド・インデックス、ドフィーヌ型の時針と分針、そして6時位置には十字で4分割されたスモールセコンドが配されている。厚さ8.08mmの薄型ケースには、約65時間のパワーリザーブとパテック フィリップ・シール取得の自社製手巻きキャリバー30-255 PSが搭載されており、日差は-3～+2秒の精度だ。ブリッジには手仕上げの面取り加工とジュネーブストライプなどが施されている。

IWC「ポルトギーゼ・オートマティック 40」

　1939年に誕生し、ポルトガルの顧客のために特別に製作された「ポルトギーゼ」は、IWCの不朽のコレクションのひとつであり、最もクラシックでエレガントな時計であるとも言える。直径40mmの18Kレッドゴールド製ケースとシルバーメッキの文字盤は、ゴールドのアラビックインデックス、リーフ型ゴールド針、ヴィンテージスタイルのレイルロードミニッツトラック、そして6時位置のスモールセコンドといった要素を搭載し、その特徴を穏やかに、しかし力強く表現している。サファイアクリスタルガラスの裏蓋には、自社製自動巻きキャリバー82200が搭載され、ブランドの特徴であるペラトン自動巻き上げ機構と、爪やハートカムなど、摩耗に強いセラミックスの部品が採用されている。このムーブメントは約60時間のパワーリザーブを備え、プレートとブリッジにはサーキュラーグレインとコート・ド・ジュネーブ仕上げが施されている。

グランドセイコー「エレガンスコレクション」

　グランドセイコーとしては初となるスモールセコンドと、パワーリザーブ表示の搭載モデル。直径39mmのステンレススティールケースには自社製手巻きキャリバー9S63が搭載される。ドーム型の文字盤の9時位置に配置されたスモールセコンドは、ケースの薄さを強調するためにわずかに傾斜しているのが特徴である。秒表示の配置に対し、3時位置にはムーブメントの約72時間駆動の状態を示すパワーリザーブインジケーターを備えている。グランドセイコーらしい落ち着いた文字盤には、優雅なファセットを伴ったアプライドアワーマーカーや太く時刻を読み取りやすい時分針があしらわれている。ムーブメントは、岩手県にあるグランドセイコースタジオ 雫石で組み立てられ、日差±5～-3秒の精度で、グランドセイコーのエンブレム、ライオンをあしらったトランスパレントバック内で時を刻んでいる。

グラスヒュッテ・オリジナル「パノリザーブ」

　ドイツブランド、グラスヒュッテ・オリジナルの非対称のデザインで知られる「パノリザーブ」は、オフセンターの時・分表示、独立した秒のサブダイアル、ホールマークの「パノラマ」日付表示、バトン針を備えた巧妙なメトロノーム式パワーリザーブ表示（後者ふたつの機能はモデル名の由来）を組み合わせたモデルである。直径40mmの18Kローズゴールド製ケース、亜鉛メッキ仕上げのマットブラックの文字盤にはアプライド・インデックスとホワイトプリントの目盛りが付き、トランスパレントバックからは手巻きキャリバー65-01のムーブメントが鑑賞可能である。ムーブメントは約42時間のパワーリザーブを保持し、グラスヒュッテの伝統的な4分の3プレート、手彫り装飾入りのテンプ受け、型緩急調整装置、青焼きのネジ、ネジ留めのゴールドシャトンを備える。

ブランパン「ヴィルレ デイ・デイト」

　スイスのヴィルレで1735年に創業したブランパン。その村の名を冠したヴィルレ コレクションは、クラシカルなラインナップを展開している。直径40mmのステンレススティール製の「ヴィルレ デイ・デイト」は、ダブルステップベゼル、白文字盤上のアプライドローマンインデックスと、オープンワークの施されたセージリーフ型の針など、ヴィルレコレクションの主要な外観コードをすべて備えたモデルだ。6時位置には周りに仕切りのないスモールセコンド、3時位置には曜日と日付の表示窓が配されている。このタイムピースには自社製自動巻きキャリバー1160DDが搭載され、シリコン製ヒゲゼンマイを採用し、4Hzの振動数、約72時間のパワーリザーブを保持している。トランスパレントバックから見えるゴールドローターには、ハニカムモチーフのギヨシェ装飾があしらわれた。