ロレックスのベゼルにはどんな種類があるの? フルーテッドベゼルやスムースベゼルなどを人気モデルとともに解説

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2024.08.05

ロレックスはベゼルのクォリティーも重視している高級時計ブランドだ。ユニークな特徴を持つさまざまな種類のベゼルがあり、各モデルのコンセプトに合ったタイプが使われている。ロレックスのベゼルの種類と、定番ベゼルを搭載したモデルを紹介する。

ロレックス ベゼル


ロレックスのベゼルの主な種類

ベゼルには風防を固定するという本来の役割以外に、デザイン上のアクセントを加えるという側面もある。ロレックスのベゼルにはどのような特徴があるのか、主な種類とそれぞれのポイントを見ていこう。

フルーテッドベゼル

連続した山型カットが特徴的なフルーテッドベゼルは、ロレックスを象徴するベゼルだ。1926年に初めて登場した際は、ロレックス オイスターのパーツとして採用された。

フルーテッドベゼルの独特なデザインは、ケースにしっかりとねじ込んで時計の防水性能を高めるために考え出されたものである。しかし、大きな特徴である特有の輝きを放つ魅力を残すために、ねじ込み式ではなくなった現在も独特の形状を保ち続けている。

フルーテッドベゼルの素材に使われているのは、18Kゴールドと950プラチナのみだ。「デイデイト」や「スカイドゥエラー」など、ロレックスのクラシックラインで多く使われている。

ロレックス ベゼル

ロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト40」Ref.228239
ロレックスを象徴するディテールのひとつであり、「デイデイト」の多くのモデルにも採用されているフルーテッドベゼル。山形のカッティングを等間隔で施すエッジの効いた形状が特徴で、光が当たると上品な煌めきを放つ。写真はブライトブルーのダイアルを組み合わせた「オイスター パーペチュアル デイデイト40」。自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KWGケース(直径40mm)。100m防水。

スムースベゼル

スムースベゼルは、装飾がなく表面を鏡面に仕上げたベゼルだ。ポリッシュベゼルとも呼ばれている。

ロレックスにおける標準的なベゼルであり、さまざまなモデルで採用されている。素材の質感を十分に生かしたデザインを特徴に持つ。

ベゼル自体の主張を抑え、すっきりとした印象を与えられるため、スムースベゼルを使ったモデルは、スタイルやシーンを問わず着用できるだろう。

ロレックス ベゼル

ロレックス「オイスター パーペチュアル 36」Ref.126000
最もスタンダードな仕上げであり、丁寧な研磨による艶が楽しめるのがポリッシュベゼル。写真は「オイスター パーペチュアル 36」。自動巻き(Cal.3230)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。オイスタースティールケース(直径36mm)。100m防水。

タキメーターベゼル

タキメーターとは速度を測る機構のことだ。タキメーターベゼルはクロノグラフの標準的なパーツであり、秒針とタキメーターでおおよその時速を把握できる。

ロレックスでは「コスモグラフ デイトナ」にしかクロノグラフが存在しないため、タキメーターベゼルもコスモグラフ デイトナのみに搭載されていることになる。

タキメーターベゼルの目盛りが、クロノグラフのインダイアルと相まって計器然とした表情を強め、時計全体がメカニカルな印象を与える。

ロレックス ベゼル

ロレックス「オイスターパーペチュアル コスモグラフ デイトナ」Ref.126500LN
ロレックスのコレクションの中で、唯一タキメーターベゼルを備えているのが、クロノグラフを搭載する「オイスターパーペチュアル コスモグラフ デイトナ」。ベゼルには耐蝕性と耐傷性に優れ、紫外線の影響も受けにくいハイテクセラミックスが用いられている。自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。オイスタースティールケース(直径40mm)。100m防水。

回転ベゼル

回転ベゼルは、逆回転防止ベゼルと両方向回転ベゼルの2種類に大きく分けられる。

逆回転防止ベゼルは主にダイバーズウォッチで使われるタイプだ。水中でベゼルの目盛りが時計回りに回転してしまうと、ボンベの持続時間を正確に把握できなくなり、ダイバーの命にかかわる。そのため、ダイバーズウォッチのベゼルは反時計回りの一方向にしか回転しないようになっているのである。

一方、両方向回転式のベゼルもあり、こちらは経過時間の計測はもちろん、他国の時刻を把握する場合などに使用される。ロレックスの場合、逆回転防止ベゼルは「サブマリーナー」や「シードゥエラー」「ディープシー」に、両方向回転ベゼルは「ヨットマスター」や「GMTマスターII」に搭載されている。

ロレックス ベゼル

ロレックス「オイスター パーペチュアル GMTマスターⅡ」Ref.126710BLNR
GMT針と24時間目盛りを施した両方向回転ベゼルを備えることで、第3時間帯の判読も可能にしたモデルが「オイスター パーペチュアル GMTマスター II」だ。自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。オイスタースティールケース(直径40mm)。100m防水。

エンジンターンドベゼル

フルーテッドベゼルの前身に当たるベゼルが、エンジンターンドベゼルである。航空機のエンジンが回転する様子をイメージしてデザインされているため、このようなネーミングになっている。

削る部分と削らない部分が交互に連続しており、山型カットが連続するフルーテッドベゼルに比べ、凹凸が抑えられている。

フルーテッドベゼルと同様、エンジンターンドベゼルもロレックス独自のベゼルだ。現行モデルでは使われておらず、2010年以前に製造された旧型モデルでしか見られない。

バーク仕上げベゼル

バーク仕上げベゼルは、ゴールド素材のモデルに用いられていたベゼルである。バークとは樹皮を意味する言葉であり、その名の通り樹皮をイメージした模様が彫り込まれている。

バーク仕上げベゼルを採用しているモデルの中には、ブレスレットの中駒にもバーク仕上げを施したものも存在した。

バーク仕上げの細かく深い筋目により、時計の雰囲気がレトロかつ落ち着いた印象になる。バーク仕上げベゼルが使われていたのは、1990年代前半に発売された「デイデイト」「デイトジャスト」のみで、現行モデルでは見られない。


定番ベゼルを備えたロレックス現行モデル

ロレックスの定番ベゼルといえば、フルーテッドベゼルとポリッシュベゼルが挙げられるだろう。もちろんこれまで紹介してきた通り、現行品だけ取り上げてみても、さまざまなタイプが存在する。それぞれのベゼルを備えた、おすすめモデルを紹介する。

「オイスター パーペチュアル デイトジャスト41」Ref.126334

ロレックス ベゼル

ロレックス「オイスター パーペチュアル デイトジャスト41」Ref.126334
自動巻き(Cal.3235)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。ホワイトロレゾールケース(直径41mm)。100m防水。

「オイスター パーペチュアル デイトジャスト41」は、フルーテッドベゼルを搭載したモデルだ。このコレクションのフルーテッドベゼルは、18Kゴールドで製造されている。

ロレックスでは2種類の金属を組み合わせたマテリアルをロレゾールと呼んでいる。オイスタースティールとホワイトゴールドが融合したRef.126334は、ホワイトロレゾールである。

3列リンクで構成されたオイスターブレスレットには、ロレックスが独自に発明したオイスタークラスプとイージーリンクが使われており、ブレスレットの長さを約5mm延ばせる。

「オイスター パーペチュアル 41」Ref.124300

ロレックス ベゼル

ロレックス「オイスター パーペチュアル 41」Ref.124300
自動巻き(Cal.3230)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。オイスタースティールケース(直径41mm)。100m防水。

ポリッシュベゼル搭載モデルのおすすめは「オイスター パーペチュアル 41」だ。ケースとベゼルの素材には、高い耐久性と研磨性を誇るオイスタースティールが用いられている。

繊細な光の反射をもたらすサンレイ仕上げのダイアルは、手首の動きに応じて特徴的な輝きを生み出す。

オイスター パーペチュアルモデルのケースは、水深100mの防水性能を備えているが、これもロレックスの時計が高い技術によって製造されていることの証しだ。

「パーペチュアル1908」

ロレックス 1908

ロレックス「パーペチュアル1908」Ref.52508
自動巻き(Cal.7140)。38石。パワーリザーブ約66時間。18KYGケース(直径39mm)。50m防水。

「チェリーニ」が生産終了し、ロレックスのドレスラインの新たな担い手として2023年に登場したコレクションが「パーペチュアル1908」である。1908というモデル名は、創業者のハンス・ウイルスドルフが“Rolex”という名前を考案し、スイスで商標登録した年にちなんでいる。12時、3時、9時にアラビア数字を配し、6時位置にスモールセコンドを置いた文字盤のレイアウトは、1931年発表の初代「オイスターパーペチュアル」からインスピレーションを得ている。

注目のベゼルは、ドームとフルーテッドを組み合わせたタイプだ。18Kイエローゴールド製ケースに、クラシカルな雰囲気を湛えている。ほとんどのモデルでソリッド式のケースバックを採用しているロレックスだが、1908はシースルーのケースバックを持ち、サファイアクリスタル越しにロレックス自社製ムーブメントCal.7140を鑑賞することができる。

「オイスター パーペチュアル スカイドゥエラー」

ロレックス スカイドゥエラー

ロレックス「オイスター パーペチュアル スカイドゥエラー」Ref.336934
自動巻き(Cal.9002)。パワーリザーブ約72時間。SS×18KWGケース(直径42mm)。100m防水。

「オイスターパーペチュアル スカイドゥエラー」はGMTとアニュアルカレンダー(サロス年次カレンダー)の機能を持つ、ロレックスのコンプリケーションモデルだ。文字盤の中央に配置された24時間表示の回転ディスクがホームタイムを示し、同時にふたつの時刻を知ることができる。バーインデックスの外周にある小窓は月を表す。アニュアルカレンダーであるため、日付調整は年に一度、3月1日だけで良い。

本作のベゼルは一見普通のフルーテッドベゼルだ。しかし、実際にはムーブメントと連動しており、ベゼルを回転させることでリュウズがつかさどる機能を切り替えることができる「リングコマンドシステム」を備えている。ベゼルの位置によって、リュウズがホームタイムの時刻合わせ、ローカルタイムの時刻合わせ(時針を単独で動かす)、そして日付操作といった、それぞれの役割に切り替わるのだ。このユニークなベゼルによって、スカイドゥエラーはデザイン上の影響を受けることなく、複数の機能を搭載することが可能になった。

「オイスターパーペチュアル GMTマスターⅡ」

ロレックス GMTマスターⅡ

ロレックス「オイスターパーペチュアル GMTマスターⅡ」Ref.126710GRNR
自動巻き(Cal.3285)。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径40mm)。100m防水。

1955年にパン・アメリカン航空の要請を受け、ロレックスが国際線乗務員向けに開発した腕時計が「オイスターパーペチュアル GMTマスター」だ。この腕時計は、24時間針と昼夜を表すために2色に色分けされた24時間表示付き回転ベゼルによって、ふたつの異なる都市の時刻を示すことができた。こうしたGMT機能はジェット機による大量輸送時代の到来とともに、国際線乗務員のみならず、海外出張の多いビジネスマンにも広く支持された。1982年には時針を単独で動かして調整することができる「オイスターパーペチュアル GMTマスターII」が発売され、第3時間帯の判読も可能になった。

GMTマスターIIのアイデンティティとも言うべき両方向回転ベゼルは耐傷性に優れたセラクロム製のインサートが搭載されている。現行モデルには、さまざまな色の組み合わせがラインナップされていることも特筆すべき点だ。グレー/ブラックのベゼルを持つ写真のモデルは、スーツスタイルにも自然と溶け込む落ち着いた色合いが魅力的だ。

「オイスター パーペチュアル デイデイト36」

ロレックス デイデイト 36

ロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト36」Ref.128348RBR
自動巻き(Cal.3255)。パワーリザーブ約70時間。18KYGケース(直径36mm)。100m防水。

「オイスターパーペチュアル デイデイト」はその名の通り、日付と曜日の表示機能を持つモデルで、ケースとブレスレットの素材は18Kゴールドもしくはプラチナのみというラグジュアリーなコレクションとなっている。半円形のコマによる3列リンクのプレジデントブレスレットは、デイデイトのために設計されたもので、この時計に特別な気品を与えている。

オレンジのグラデーション文字盤を持つこのモデルは、ベゼルにダイヤモンドがセッティングされ、直径36mmの18Kイエローゴールド製ケースがその輝きを引き立てている。ロレックスの高度なケース加工技術とジェムセッティングの職人技が織りなす圧倒的な華やかさを堪能できる1本だ。


ロレックスをベゼルで選ぶのも面白い

ベゼルのクォリティもしっかりと追求するロレックスには、フルーテッドベゼルやポリッシュベゼルをはじめとした、さまざまな種類のベゼルが存在する。

各ベゼルの特徴や魅力を知り、ロレックスのモデルをベゼルで比較しながら選ぶのも面白いだろう。


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