「スケバン刑事」で一世を風靡し、中山美穂らと共に「アイドル四天王」と呼ばれた浅香唯が、芸能活動40周年を迎えた。記念コンサートでは涙と笑いの感動的な一夜を演出した浅香唯だが、彼女の舞台稽古やレコーディングでの相棒は、実用性抜群の真っ白な「Baby-G」である。宮崎から上京した“少女”は、今も輝き続けている。

Text by Yukaco Numamoto
土田貴史:編集
Edited by Takashi Tsuchida
[2025年7月6日掲載記事]
40年の歳月を祝う記念コンサートが開催
1985年にデビューしてから2025年の今年で、芸能活動40周年を迎えた浅香唯。その記念すべきアニバーサリーイヤーを彩るコンサートが、40年前と同じ6月21日に「Zepp Shinjuku」で開催された。会場は往年のファンで埋め尽くされ、40年という歳月を感じさせない彼女のエネルギッシュなパフォーマンスに大きな拍手が送られた。
このコンサートでは、浅香唯が初挑戦したドラムプレイも披露され、涙あり笑いあり、盛りだくさんの内容となった。浅香唯自身も「サプライズでみんなからの歌のプレゼントにはホントびっくりだったよ〜 あれは泣かずにはいられないじゃない〜 あ〜幸せ 最高嬉しかった‼︎」と、コンサート終了後のインスタグラム投稿で歓喜のコメントを寄せている。
「スケバン刑事」から始まった黄金時代
浅香唯といえば、やはり1986年の連続ドラマ「スケバン刑事」シリーズにおける3代目麻宮サキ・風間唯役が印象深い。その役どころは、風間3姉妹の3女役。当初半年間の放映予定だった「スケバン刑事Ⅲ」は、視聴率好調により1年間に延長されるという異例の人気ぶりだったのだ。
さらに浅香唯の高い注目度を物語るエピソードとして、カネボウ化粧品の夏のキャンペーンガールに選ばれたことが挙げられる。化粧品会社の水着キャンペーンガールは当時「CF(コマーシャルフィルム)の女王」と呼ばれ、アイドル歌手の起用は業界の常識を打ち破る画期的な出来事だった。
中山美穂、工藤静香、南野陽子と共に「アイドル四天王」と称されたのも、この頃である。同時期を駆け抜け、昨年末に亡くなった中山美穂の楽曲も40周年記念コンサートで演奏したというのも感慨深いエピソードだ。
彼女はまた、「第一回ジャポーン!女だけの水泳大会」や「スターどっきり(秘)報告」など、昭和を代表するバラエティ番組にも多数出演し、幅広いファン層を獲得していった。歌手としても数々のヒット曲を残しており、中でも代表曲「セシル」は今なお多くの人に愛され続けている。歌詞の一節「人は大人になるたび弱くなるよね」という普遍的なメッセージは、多くのファンが年齢を重ねた今だからこそ、より深く心に響くものがある。人生経験を積むことで生まれる複雑な感情を歌ったこの曲は、変わらず共感を呼び続けている。
“フェニックスから来た少女”の軌跡
浅香唯のデビューのきっかけは、小学館発行『少女コミック』主催の「ザ・スカウトオーディション'84」で、同誌連載漫画のヒロイン名を冠した“浅香唯賞”を受賞したことにある。本人は副賞の赤いステレオが欲しくて応募したと後に語っているが、この受賞により数々の芸能プロダクションからスカウトの電話が殺到した。
中学卒業と同時に故郷の宮崎から上京し、「フェニックスから来た少女」というキャッチフレーズと共に歌手デビューを果たした彼女は、瞬く間にスターダムを駆け上がっていく。1993年に一時休業を宣言し、約3年間のブランクを経て芸能活動に復帰した後も、女優・タレントとして精力的に活動を続け、現在もライブを通して元気な姿をファンに披露し続けている。
そんな浅香唯の2020年8月に開設された公式インスタグラムには、コンサートに向けて練習する姿や旅先での様子など、彼女の日常や人柄を感じさせる投稿が数多く並んでいる。その中で注目したいのが、浅香唯の愛用時計だ。投稿された数々の写真を見ると、カシオの「Baby-G」Ref.BG-6900の着用頻度が高いことが分かる。
この腕時計がインスタグラム上で最初に登場したのは2020年11月、コロナ禍の中で新国立劇場オペラパレスでの舞台稽古のオフショットだった。ちなみに、ゴム手袋とマスクを着用して稽古に励んだこの舞台は、大東亜戦争末期に特攻の母と呼ばれた鳥濱トメを演じた「MOTHER」である。
他の投稿には、アメリカンカジュアルブランド「GUESS」の白いバンドのウォッチも登場しており、彼女が白い時計を好む傾向が見て取れる。
舞台人の相棒となる多機能ウォッチ「Baby-G」Ref.BG-6900

クォーツ。樹脂ケース(縦49.1mm、横45mm、厚さ13.5mm)。20気圧防水。1万4300円(税込み)。生産終了モデル。
浅香唯が愛用するBG-6900シリーズは、G-SHOCKの人気モデルRef.DW-6900の3つ目インジケーターという特徴はそのままに、女性のしなやかな腕にもフィットするよう小型化と薄型化を実現したモデルだ。文字盤には鏡のように強い輝きを放つゴールドとシルバーのメッキミラー加工が採用され、クールな印象に仕上がっている。
世界48都市の時刻表示、サマータイム設定機能、タイマーやアラート、ストップウォッチ、アラーム機能、スヌーズ機能、フルオートカレンダー機能などを備えるG-SHOCKらしい複合機能に加え、衝撃に強く20気圧防水という実用性の高さも魅力だ。汗をかいたり、舞台セットに触れたり、時には衝撃が加わることも想定される舞台稽古やレコーディングの現場で、きっと彼女の心強い相棒となっているのだろう。
さて、40周年コンサートは、7月19日(土曜)にCLUB CITTA’での追加公演が決定している。6月のZepp Shinjukuの感動を受けて急遽決まったこの追加公演は、彼女の変わらぬ人気と魅力を物語るものだ。ほかにも大阪と横浜にて、ワンマンライブ「Billboard Live 40th Anniversary Premium 2025」が9月に予定されている。
15歳で故郷宮崎を離れ、スケバン刑事の麻宮サキとしてお茶の間を魅了し、アイドル四天王の一人として80年代を駆け抜けた浅香唯。時代は昭和から平成を経て令和へと移り変わったが、彼女の輝きは少しも色褪せていない。むしろ年を重ねるごとに深みを増した表現力と、変わらぬエネルギッシュな姿勢は、多くのファンに勇気と感動を与え続けている。
川崎での追加公演でも、きっと新たな感動が生まれることだろう。