先の7月、アジア最大の旗艦店となる「ティファニー 銀座」が東京・銀座6丁目にオープンした。ティファニーの世界観を現代アートや伝統工芸とともに語るユニークな仕立てが、“In Love with Japan” の精神を物語る。
Edited by Yuto Hosoda (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2025年9月号掲載記事]
東京・銀座6丁目にアジア最大の旗艦店がオープン
時計やジュエリーを実際に手にするだけではなく、ストアを訪れることには、大きな悦びがある。しばしば語られるのが、ブランドの世界観を体感するという趣旨であるが、まさにその言葉にふさわしいランドマークが誕生した。それが「ティファニー 銀座」だ。
同ストアは、アジア最大の旗艦店。ニューヨーク五番街にある本店の最新デザインコンセプトを反映し、銀座6丁目に誕生した。高さ66mものティファニー ブルーに彩られた壮麗な建物を一歩入ると、まるでダイヤモンドのように輝く空間が来訪者を迎える。1階のテーマは、「WORLD OF TIFFANY」。空から降りそそぐダイヤモンドをイメージした空間作りは、建築家ピーター・マリノによるものだ。日本の建築家、青木淳が手掛けた透明感あふれる波のような外装とともに、見事なコラボレーションが果たされた。
ティファニーはLVMHウォッチウィーク2025でハイジュエラーの視点を投影した、壮麗なタイムピースを数々展開したが、そんな稀少な作品群も実際に目にすることができる。時計の源泉となったジュエリー「バード オン ア ロック」やルイス・コンフォート・ティファニーのランプなども展示されているので、ウォッチクリエイションの裏側に触れることができるというのも見どころのひとつだ。
新作の数々はもちろん、同ストアが誇るのが、歴代のアーカイブの数々。ティファニーと日本との絆を祝し、オープンに際して60点以上ものアーカイブが集結した。その半数が日本初公開となる品々だ。3階にはティファニーの名デザイナー、ジャン・シュランバージェのピースが集められており、故郷のカリブ海やアジアの自然を愛したデザイナーの想いが伝わるインテリアに囲まれて、伝説の作品を目にする。五感で作品と触れ合うような、そんな喜びを与えてくれるに違いない。
ティファニー 銀座には豊富な「ヘリテージ」の展開に加えて、「クラフト」や「アート」の趣向も凝らされた。各フロアにはススム・カミジョウやダミアン・ハースト、ジュリアン・シュナーベルなど、国内外のアーティストによる作品約50点を展示。アートや日本の工芸を交えた、ジュエリー&ウォッチとの独創的なコラボレーションが目を楽しませる。現代美術や伝統工芸の視点からティファニーの世界を再解釈するという実にユニークな試みであり、ストアそのものがまるで宝石箱のような、そしてミュージアムのような、実に多彩な魅力をたたえている。豊かな表現力の中にブランドの物語を綴る、ティファニー 銀座。扉を開けると、過去から現代、そして未来へと続くティファニーの世界へと誘われる。そんな稀有なる体験を、フラッグシップストアであるティファニー 銀座は約束する。

ティファニー 銀座

住所:東京都中央区銀座6-9-2
電話番号:0120-488-712
営業時間:10:30~20:30(不定休)