オメガの「シーマスター」にはどんな種類があるの? おすすめモデルとともに紹介!

FEATUREその他
2025.08.19

オメガを代表するコレクション、「シーマスター」。現在のコレクションを構成する5つのラインについて、その特徴とおすすめモデルを紹介する。

野島翼:文
Text by Tsubasa Nojima
[2025年8月19日公開記事]


オメガの「シーマスター」とは?

 1848年に、時計職人ルイ・ブランがスイスのラ・ショー・ド・フォンに開いた工房をルーツとするオメガ。今や高品質で実用的な高級時計を手掛けるブランドとして、世界中から支持を集めている同社は、時計という存在が懐中時計から腕時計へと進化し、エレクトロニクスとの融合が見られ、そして機械式へと回帰していった、種々の激動の時代を先導してきた。現行コレクションである「コンステレーション」、「シーマスター」、「スピードマスター」、「デ・ヴィル」は、そのどれもが時計史における重要な役割を担ってきたものである。そしてその中でも早期に開発され、その後の同社の時計に共通する優れた実用性を確立した存在こそ、シーマスターであると言えよう。

 シーマスターの誕生は1948年。創業100周年を記念して送り出されたシーマスターは、ミリタリーウォッチの製造によって培われた実用性を民生用に転用したシンプルな防水3針ウォッチであった。その後、プロフェッショナル向けのダイバーズウォッチとして1957年に「シーマスター300」を発表。さまざまな派生コレクションを生み出し、オメガの防水性に対する飽くなき探求とともに時代を駆け巡ってきた。

 現在のシーマスターコレクションは、「シーマスター アクアテラ」「シーマスター ダイバー300M」「シーマスター プラネットオーシャン」、ヘリテージモデル、「シーマスター レガッタ」にカテゴライズされる。それぞれについて、代表的なモデルとともに紹介したい。


オメガ「シーマスター」の種類を解説

 海との親和性が高いデザインや優れた防水性を特徴とするシーマスター。コレクションを構成する5つのラインについて、ひとつひとつ見ていこう。

①「シーマスター アクアテラ」

 回転ベゼルを持たないシンプルさが特徴のシーマスター アクアテラ。そのデザインから、ビジネスウォッチやオンオフ両用のデイリーウォッチとしても人気が高い。ダイバーズウォッチではないものの、150mの防水性を備えており、簡単な水仕事や悪天候時でも気兼ねなく使用することが可能だ。

 豊富なバリエーションが存在することも特徴。ケースサイズやケース素材、ダイアルカラー、ベルトの種類など、その組み合わせは多く、ワールドタイムやスモールセコンドモデル、鮮やかなカラーダイアルの「シーマスター アクアテラ シェード」、超軽量手巻きモデルの「シーマスター アクアテラ “ウルトラライト”」など、きっと気に入った1本を見つけることができるはずだ。サイズ違いでペアウォッチとしてそろえるのも良いだろう。

 ムーブメントは、レディースの28mmケースモデルではクォーツ、それ以上のサイズでは、機械式自動巻きのCal.8700系、8800系、8900系を採用する。機械式ムーブメント搭載モデルは、METASによるマスター クロノメーター認定を取得している。

シーマスター アクアテラ 150M

オメガ「シーマスター アクアテラ」Ref.220.10.41.21.03.004
オーソドックスな3針モデルの「シーマスター アクアテラ」。ブルーのダイアルには、ヨットのデッキを想起させる“チークコンセプト”のストライプが施されている。自動巻き(Cal.8900)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.2mm)。150m防水。100万1000円(税込み)。

②「シーマスター ダイバー300M」

 1993年に登場した「シーマスター ダイバー300M」は、その名の通り300m防水を備えたダイバーズウォッチだ。現在に至るまで複数回のモデルチェンジが行われているが、流麗なリュウズガードを作り出すケースラインや、外周にファセットを加えた逆回転防止ベゼル、10時位置のヘリウムエスケープバルブ、スケルトン仕様の針など、基本的なデザインは初代モデルから変わっていない。

 現行モデルでは、セラミックス製のダイアルとベゼルインサート、6時位置に日付表示を配したスタイルを基本としているが、バリエーションの拡充によって、アルミニウム製のベゼルインサートを採用したクラシカルなノンデイトモデルや、ステンレススティール製ダイアルを備えたソリッド感あふれるモデルもラインナップされている。よりスポーティーで多機能なモデルを好むユーザーには、クロノグラフモデルもお勧めだ。

 シーマスターは、映画作品『007』シリーズにおいて、“ボンドウォッチ”として活躍したことでも知られる。アクアテラやプラネットオーシャン、シーマスター300もジェームズ・ボンドに愛用されてきたが、シーマスター ダイバー300Mに関しては、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の劇中で登場したものと同じ時計が、現行のレギュラーモデルとして販売されている。

オメガ「シーマスター ダイバー 300M」

オメガ「シーマスター ダイバー300M」Ref.210.30.42.20.01.018
シーマスター ダイバー300Mのおすすめは、2025年新作として登場したノンデイトモデル。秒針とインデックスに取り入れたオレンジがカジュアル感を添える。自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.8mm)。300m防水。103万4000円(税込み)。

③「シーマスター プラネットオーシャン」

 シーマスター プラネットオーシャンは、アラビア数字とバータイプのインデックス、ブロードアロー型の時分針を組み合わせた視認性に優れるダイアル、10時位置にヘリウムエスケープバルブを備えた、肉厚でリュウズガードの無いケース、600m防水を基本とする本格ダイバーズウォッチだ。飽和潜水に対応するプロ仕様でありながら、タウンユースにもふさわしいデザインが魅力。

 シンプルな3針モデルの他、GMTモデルやクロノグラフモデル、立体的な世界地図をあしらったワールドタイムモデル、ヘリウムエスケープバルブが必要ないほどの高い気密性によって、驚異の6000m防水を達成した「ウルトラディープ」など、多彩な機能を備えたモデルがラインナップされる。ベゼルにストーンをセットしたモデルやゴールド素材を使用したモデルなど、ラグジュアリーなバリエーションも存在する。

 高い防水性を備えていながらも、一部のモデルを除いてシースルーバックを採用している。マスター クロノメーター認定を取得した高精度な機械式自動巻きムーブメントを鑑賞することが可能だ。

オメガ「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」Ref.215.92.46.21.01.001
マリアナ海溝に到達した「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ プロフェッショナル」を市販用に改めた「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」。6,000mもの驚異的な防水性能を誇る。自動巻き(Cal.8912)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。Tiケース(直径45.5mm、厚さ18.12mm)。6000m防水。215万6000円(税込み)。

④ヘリテージモデル

 過去の名作からインスピレーションを得た、アイコニックなタイムピースがラインナップされるヘリテージモデル。その筆頭として挙げられるのが、1957年に誕生したシーマスター300を現代的なアレンジとともに復刻したモデルだろう。ノンデイト仕様のダイアルとアルミニウム製のベゼルインサートを備えたクラシカルなダイアルに、エッジの効いたすっきりとしたケースを組み合わせ、オンオフともに使いやすいデザインに仕上がっている。

 同じく1957年にデビューした耐磁ウォッチ「レイルマスター」もヘリテージモデルに含まれている。2025年にリニューアルした現行のレイルマスターでは、グレーグラデーションダイアルのセンターセコンドモデルと、ブラウングラデーションダイアルのスモールセコンドモデルが用意されている。

 その他、ユニークなデザインによって一部のファンから根強い人気を誇る「シーマスター プロプロフ」、オリンピックのオフィシャルタイムキーパーという背景のもとに誕生した、ドレッシーな3針モデルも存在する。

オメガ シーマスター300 Ref.234.30.41.21.01.001

オメガ「シーマスター300」Ref.234.30.41.21.01.001
1957年に誕生したシーマスター300のデザインを受け継ぐモデル。ベージュの蓄光塗料やアルミニウム製のベゼルインサートなど、クラシカルなデザインが魅力だ。自動巻き(Cal.8912)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.85mm)。300m防水。112万2000円(税込み)。

⑤「シーマスター レガッタ」

 シーマスター レガッタは、ヨットレースで必要とされる機能を備えたセーリングウォッチだ。現在、現行品としてラインナップされているのは、第37回アメリカズカップを記念したモデル1種のみ。大会を象徴するレッドとブルーのカラーリングに彩られ、ケースバックには大会のエンブレムが刻まれている。

 ケースやベゼル、インデックス、針は、シーマスター ダイバー300Mのデザインを受け継いでいる。外装の素材にはグレード5チタンを採用し、軽量であるだけではなく、海水に対する耐蝕性を備えていることも特徴だ。

 ダイアルは、大型の液晶ディスプレイとアナログ表示を組み合わせている。液晶ディスプレイとプッシュボタンによって、ムーンフェイズ表示、クロノグラフ、セーリングのログブック、温度計、加速度計、アラーム、レガッタレース機能を使用することが可能だ。

 ストラップにはクイックチェンジシステムが搭載され、背面のレバーを操作することによって、ケースから簡単に取り外すことができる。第37回アメリカズカップ記念モデルとして、特別ボックスが付属することも魅力だ。

シーマスター レガッタ

オメガ「シーマスター レガッタ」Ref.216.92.46.79.10.001
多機能なセーリングウォッチとして開発された「シーマスター レガッタ」。本作は、第37回アメリカズカップを記念したモデルであり、大会を象徴するカラーリングが与えられている。クォーツ(Cal.5701)。Tiケース(直径46.75mm、厚さ15.6mm)。50m防水。117万7000円(税込み)。

Contact info:オメガ Tel.0570-000087


40代以上の男性におすすめしたいオメガ5選。語れるストーリーが宿った、珠玉の名作を手元に!

FEATURES

今さら聞けないオメガの話。「シーマスター」ってどんな腕時計なの?

FEATURES

オメガってどんな時計ブランド? 特徴やおすすめモデルを紹介

FEATURES