長嶋一茂の華麗なる時計遍歴。球界のサラブレットは並外れた時計好き!?

ニュース情報系からバラエティまで、幅広いテレビ番組で活躍を続ける長嶋一茂。元プロ野球選手でありながら、サラブレッドの血筋を鼻にかけることなく素直なコメントで共感を集めている。その彼が、実は洗練された時計センスの持ち主であることをご存知だろうか。「一茂×かまいたちゲンバ」の公式インスタグラムに投稿された写真から、オーデマ ピゲ、ロレックス、フランク ミュラーといった名門ブランドを使い分ける、その華麗なる時計コレクションが明らかになった。

長嶋一茂

写真提供:東京スポーツ新聞社
2013年4月9日、甲子園球場にて撮影された長嶋一茂。
沼本有佳子:文
Text by Yukaco Numamoto
土田貴史:編集
Edited by Takashi Tsuchida
[2025年9月21日掲載記事]

多彩な番組で見せる長嶋一茂の魅力

 長嶋一茂といえば、バラエティ番組での活躍が目に浮かびやすいが、その出演範囲は実に多岐にわたる。お笑いコンビ「かまいたち」と共に“キニナルゲンバ”で忖度なしに意見をぶつけ合うリポートバラエティ「一茂×かまいたちゲンバ」、出川哲朗およびホラン千秋と共に世の中の不思議なネタを楽しむ「出川一茂ホラン☆フシギの会」など、レギュラー番組での活躍は枚挙にいとまがない。

 さらに映画やアニメの声優としても出演経験を持つ多才ぶりを見せている。ジブリ映画「崖の上のポニョ」では宗介の父である耕一役を務めたが、声優初挑戦だった一茂は絵と声を合わせることに苦戦。しかし宮﨑駿監督は「一茂くんの個性が奪われちゃうから、俺らが絵を変えるよ」と語り、逆に絵の方を調整したというエピソードがある。日本が世界に誇るアニメ界の巨匠からも、個性を認められているのが長嶋一茂という人物なのだ。

「ザワつく!金曜日」では奔放なメンバーたちが自由に語り合うため、MCを務めるサバンナ高橋茂雄に同情が集まることもあるほどだ。それでも番組が成立し、人気を博しているのは、どこか憎めない、長嶋一茂の持つ独特な魅力があってこそだろう。

サラブレッドでありながら、気負わないキャラクター

 元プロ野球選手で監督の長嶋茂雄と、元実業家の長嶋亜希子を両親に持つ由緒ある家系に生まれながら、それを鼻にかけることなく素直なコメントを発信する姿勢が多くの共感を呼ぶのだろう。時折、周囲を驚かせるような天然発言も飛び出すが、視聴者からは“愛嬌”として温かい目で見守られているのが印象的だ。

 “ミスタープロ野球”と呼ばれた父の影響もあり、小学生の頃から野球を始めた一茂。高学年になると、周囲からは「長嶋茂雄の息子が入ってきた」と注目を集め、リトルリーグにテレビカメラが取材に訪れることもあったという。中学時代は陸上部に所属したものの、父と同じ立教で野球をやりたいという思いから立教高等学校(現・立教新座高等学校)に進学。ブランクによる苦労を乗り越え、2年生の秋には4番打者として活躍し、夏の甲子園予選では準決勝進出という成果を残した。

 立教大学では主将として打率.340を記録し、ベストナインにも選出される活躍を見せている。1987年のドラフト会議ではヤクルトスワローズと横浜大洋ホエールズから1位指名を受け、抽選の結果ヤクルトが交渉権を獲得した。

 ところがプロ入り後は野村克也監督が提唱するID野球に馴染むことができず、ミーティング中にノートに漫画を描いていたこともあった。監督から3時間にわたる説教を受けるも、本人は怒りや憎しみの感情はなかったと振り返る。このことに対しては、「指導や助言に耳を傾けなくなっていた自分自身に問題があった」と後にインタビューで冷静に分析している。ヤクルト時代には痛風を患い、「食べすぎが原因だった」とコメントするなど、自身の過ちを素直に認める姿勢は、現在の人気に通じるものがありそうだ。

インスタで発見! 左腕に輝く高級時計の存在感

 そんな長嶋一茂が高級時計を着用するシーンを、インスタグラムで発見することができた。

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク クロノグラフ」

2025年7月6日のInstagram投稿。ソフトクリームカップを持つ左腕にオーデマ ピゲのロイヤル オークが馴染んでいる。

 2025年7月6日、「一茂×かまいたちゲンバ」の公式インスタグラムには千駄ヶ谷を訪れた日の様子が投稿されている。スイーツを楽しむ長嶋一茂の手元に確認できるのは、オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク クロノグラフ」Ref. 26240ST.OO.1320ST.01のようだ。

ロイヤル オーク クロノグラフ

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク クロノグラフ」Ref.26240ST.OO.1320ST.05
このモデルは通常モデルであり、50周年記念モデルとはローターの仕様が異なる。自動巻き(Cal.4401)、40石、パワーリザーブ70時間、2万8800振動/時、SSケース(径41mm、厚さ12.4mm)、50m防水、555万5000円(税込み)。(問)Contact info:オーデマ ピゲ ジャパン Tel.03-6830-0000

 ネイビーの文字盤に「グランド タペストリー」ダイアル、直径41mmという存在感溢れるモデルが、長身でたくましい腕を持つ一茂によく似合っている。このモデルは当初、ロイヤル オーク50周年記念モデルとして登場したが、現在は通常モデルとしてコレクションに加わっている。

ロレックス「オイスター パーペチュアル ディープシー」

2025年6月9日のInstagram投稿。Tシャツ姿のラフな服装に合わせているのは、ロレックスのハイスペックダイバーズウォッチだ。

 他のモデルよりもボリュームのあるケースサイズから推測されるのは、ロレックス「オイスター パーペチュアル ディープシー」だろう。耐圧性、精度、信頼性においてプロフェッショナルダイバーが求める厳しい基準をクリアした本格的なダイバーズウォッチだ。その堂々たる存在感は、一茂の精悍さを一層引き立てている。

オイスター パーペチュアル ディープシー

ロレックス「オイスター パーペチュアル ディープシー」
自動巻き(Cal.3235)。44石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。オイスタースチールケース(直径44mm)。3900m防水。

ロレックス「オイスター パーペチュアル ディープシー」

2025年1月26日のInstagram投稿。デニムに合わせたブルーのカラーコーディネイトも完璧。

 ハワイ歴55年という長嶋一茂のプライベートツアーにかまいたちのふたりが同行する企画で身に着けていたのは、フランク ミュラー「ヴァンガード ヨッティング」だ。ビーチリゾートに映えるラグジュアリーなスタイルが特徴的で、高級ホテルのような洗練された空間を持つメガヨットの優雅な非日常空間を彷彿とさせる。船艇をモチーフとしたデザインは、ハワイという舞台にこれ以上ないほどマッチしていた。

フランク ミュラー「ヴァンガード™ ヨッティング」

フランク ミュラー「ヴァンガード™ ヨッティング」
自動巻き、パワーリザーブ約42時間、SSケース(縦53.70mm✕横44.00mm、厚さ12.80mm)、日常生活防水、159万5000円(税込み)。(問)フランク ミュラー ウォッチランド東京 Tel.03-3549-1949

「一茂×かまいたちゲンバ」で見せる素顔と時計の魅力

 上記3枚のインスタグラム画像は、すべて「一茂×かまいたちゲンバ」の公式アカウントに投稿されたものだ。この番組では畑でのスイカ収穫やルイボスティー専門店での飲み比べなど、毎回充実した企画が展開されている。

 3人の絶妙なトークバランスはもちろん、長嶋一茂が見せるラグジュアリー感溢れる時計コレクションも、番組の隠れた見どころの一つと言えるだろう。TPOに合わせて時計を選ぶセンス、そして何気ない日常の中でも高級時計を自然に身に着ける洗練されたスタイル。父譲りのスター性に、独自の審美眼が加わった長嶋一茂の個性は、時計一つをとっても表れている。

 今後の放送では、どのような名品が彼の左腕を飾るのか。番組の企画内容と併せて注目していきたい。


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