2025年10月1日、神戸旧居留地に「パテック フィリップ ブティック 神戸・元町」がグランドオープンを果たした。西日本初となるパテック フィリップ ブティックをご紹介する。

Edited & Text by Yukiya Suzuki (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2026年1月号掲載記事]
パテック フィリップ ブティック 神戸・元町
江戸末期から明治維新の開国期、日本が国際貿易を開始した際に開かれた港のひとつが神戸港である。その開港に合わせて外国人専用の居住・商業地として整備されたのが、神戸の旧居留地だ。英国人技師が設計しただけあって、当時から「東洋における最も整った外国人居留地」のひとつと評価されたほどだ。その後も神戸のビジネスと商業の中心として発展を遂げ、現在に至る。今もその名残が色濃く、ほかの日本の街並みとは異なるヨーロッパ風の街並みと日本の港町が融合した独自の美しい景観を保っている。

「パテック フィリップ ブティック 神戸・元町」を開くにあたって視察のために来日したパテック フィリップ本社の重役がひと目で気に入ったというのも納得の土地柄である。パテック フィリップの販売拠点は世界におよそ270。その中にあってブランド哲学を具現化し、その世界観まで表現し伝道する「ブティック」に至っては、直営もしくは選び抜かれたパートナーのみが許されるごく限られた存在だ。世界でもわずか80店舗あまりというこのブティックに、西日本で初めて選ばれたのが、神戸を拠点とするカミネである。


その神戸旧居留地の街並みに自然と溶け込むように佇むのが、2025年10月1日にグランドオープンを果たした「パテック フィリップ ブティック 神戸・元町」である。パテック フィリップのオンリーブティックに共通するように、ブティックの内装、照明のシャンデリア、商品を陳列する什器からファニチャーまで、すべて本社が手配した、パテック フィリップの世界共通の基準に則ったものだ。

エントランスを入ると、高い天井が創り上げた開放的な空間が迎え入れてくれる。そこに、瀟洒なシャンデリアから温かい光が降り注ぐ。ブティックに入ってすぐ左側の部屋が比較的カジュアルな商談スペースで、右手の部屋が本格的な商談に使用されるという。奥には、バーカウンターが設えられ、時計の販売や商談だけでなく、ブティックの来訪者にホスピタリティを提供するスペースとしても活用される。そのバーカウンターの手前左側には、落ち着いたVIPルームが用意される。この部屋は扉を閉めて、個室としても使用できるため、プライバシーとセキュリティにおいても安心してお目当ての時計を堪能することができる。

もうひとつ特筆すべきが、接客するブティックのスタッフがパテック フィリップが認定したディプロマを持っている点だ。日本において1年間のトレーニングを受けた後、スイスで最終検定を行い、合格者にはシルバーのバッジとディプロマが授与され、晴れてパテック フィリップ ブティックの一員として認められるのだ。

すなわち、パテック フィリップは、ブティックというハードにも世界共通の基準を持つが、同時に、ブティックはそこで接客する人間が創り上げるものという考えの下、“ひとづくり”にも余念がない。結果、約120年の歴史を誇る老舗カミネが長年にわたって培ってきた、同店のホスピタリティとパテック フィリップのディプロマホルダーとの相乗効果で、より高い次元のサービスが実現されるのだ。

店舗情報
住所:〒650-0036 兵庫県神戸市中央区播磨町46
電話番号:078-321-1839
営業時間:11:00~19:30(水曜定休)



