大谷翔平選手が広告で着用したセイコーの腕時計は、登場のたびに大きな注目を集めてきた。セイコーのアンバサダーとして出演する各キャンペーンでは、「セイコー アストロン ネクスター(NEXTER)」をはじめとする複数のモデルが登場している。本記事では、大谷選手がプロモーションで着用したモデルを整理し、それぞれの特徴を分かりやすく紹介する。

1.セイコーと大谷翔平選手の関係
大谷選手とセイコーの関係は、2016年にセイコーのアンバサダーに就任したことから始まった。この年を境に、セイコーはアストロンを中心とした主要キャンペーンで大谷選手を起用し、ブランドの象徴として位置付けている。
2016年から2022年にかけては、セイコー アストロンの新作発表やシリーズ展開において大谷選手が継続的に登場し、GPSソーラーを備えたモデルのイメージを担う存在となった。就任以降のキャンペーンでは大谷選手がセイコー アストロンを着用するビジュアルが一貫して用いられ、セイコーが掲げる時間精度と革新性を象徴する役割が与えられている。
その流れは2023年以降も続き、プロスペックス、そしてネクスターシリーズの「SBXC181」や「SBXC175」などのモデルを着用する姿が確認できる。これによって大谷選手がセイコーの広告活動における中心的な存在であることが明確になり、ブランドとの関係は現在も継続中だ。
2016年の就任を起点に、セイコーは大谷選手を起用したキャンペーンを途切れなく展開しており、アストロンの世界観を体現する人物として継続して向き合ってきた流れが見て取れる。
2.大谷翔平選手がプロモーションで着けていたセイコーの腕時計
大谷選手が広告で着用した腕時計は、セイコー アストロンのネクスターシリーズを中心に複数のモデルが確認できる。大谷選手と共に着用モデルが掲載され、その特徴が明示されている。ここではそれらの広告に登場した主なモデルとその特徴を紹介しよう。
大谷翔平選手広告掲載モデル
大谷選手が広告で着用したセイコーの腕時計は、アストロンを中心とした複数のモデルが含まれる。以下が主なモデルだ。
・セイコー アストロン ネクスター「SBXC181」
・セイコー アストロン ネクスター「SBXC175」
・セイコー プロスペックス ダイバーズ 1968 ヘリテージ GMT「SBEJ029」
・キングセイコー VANAC「SDKV001」
これらのモデルはセイコーが展開する主要コレクションに位置づけられ、大谷選手の広告出演に合わせて紹介されてきた背景がある。セイコー アストロンではGPSソーラーを軸にしたネクスターシリーズが用いられ、選手の力強いイメージと直線的なケース造形が重ねられている。またセイコー プロスペックスのSBEJ029はダイバーズにGMT機能を統合した実用モデルであり、シリーズの技術的方向性を示す存在だ。さらにキングセイコーのSDKV001は、1970年代の意匠を現代に再構成したモデルで、ブランドの歴史的要素を担う立場にある。
大谷選手が着用したモデルは、いずれもセイコーの技術的特徴やデザイン路線を示すシリーズで構成されており、広告展開において重要な役割を担っていることが分かる。
セイコー アストロン Nexter SBXC181|次世代GPSソーラーのフラッグシップ

GPSソーラー(Cal.5X83)。フル充電時約6カ月駆動(パワーセーブ時約2年)。Tiケース(直径43.3mm、厚さ13.4mm)。10気圧防水。33万円(税込み)。
SBXC181は、ネクスターシリーズの中核を担うモデルである。GPSソーラームーブメントの搭載により、衛星電波を受信して時刻を補正する仕組みを備え、高い精度を実現。ソーラー発電により電池交換を必要としない点も、実用性を謳うネクスターを支える重要な要素だ。
外装にはチタンを用い、直線を基調としたネクスター特有の造形を展開する。ケースは複数の面を組み合わせた構成となり、光の角度で立体的な印象を描き出している。ブレスレットはケース形状に合わせて設計され、確かなフィット感をもたらす。
さらに文字盤にはレイヤー構造を採用し、時刻の判読を優先したレイアウトが特徴だ。インデックスと針には視認性を高めるための処理が施され、必要な情報を明確に読み取れるよう配慮されている。表示機能はGPSソーラーウォッチとしての要件を過不足なく備え、実用面での完成度が高い。
ネクスターシリーズはセイコー アストロンの技術を現代的な造形に落とし込むコンセプトを掲げており、SBXC181はその方向性を示す代表的な存在にあたる。大谷選手がプロモーションで着用したモデルとして紹介され、シリーズの象徴的な1本として扱われている。
セイコー アストロン Nexter SBXC175|軽快さと実用性を高めたGPSソーラーモデル

GPSソーラー(Cal.5X83)。フル充電時約6カ月駆動(パワーセーブ時約2年)。Tiケース(直径44.1mm、厚さ14.4mm)。10気圧防水。35万2000円(税込み)。
SBXC175は、ネクスターシリーズの中でも軽快さを意識したデザインを持つモデルである。GPSソーラーにより衛星電波を受信して時刻を修正する、実用性を重視した機能が特徴だ。ソーラー発電を採用することで電池交換の必要がなく、日常使いでの利便性を高めている。
外装素材にはチタンを用いており、ネクスター特有の直線的な造形に仕上げている。ケースは多面構成で、角度によって異なる陰影を映し出し、ケースに合わせて設計されたブレスレットは、腕へのフィット感を意識したデザインに。まとまりのある外装設計が、軽快な印象を生み出している。
また、文字盤には多層構造を取り入れ、視認性を意識したインデックスと針を配置するレイアウトが特徴だ。光の当たり方によって異なる表情を見せ、判読性と立体感の両立を図っている。日常使用で必要となる情報を整理した表示配置が、ネクスターシリーズの特徴を際立たせる。
SBXC175は、セイコー アストロンが持つ機能性を保ちながら、ネクスターのスポーティーなルックスに軽快感を加えたモデルだ。大谷選手のプロモーションでも登場しており、シリーズの実用性を示す1本として扱われている。
セイコー プロスペックス ダイバーズ 1968 ヘリテージ GMT SBEJ029|高耐久ケースにGMT機能を統合した実用ダイバーズ

自動巻き(Cal.6R54)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.3mm)。300m空気潜水用防水。24万7500円(税込み)。
SBEJ029は、1968年のダイバーズモデルをベースにデザインされたシリーズに、GMT機能を加えたモデルである。外装にはステンレススティールを採用し、表面には耐傷性を高める処理が施されているほか、300mの空気潜水用防水性能を備えた本格的なダイバーズウォッチだ。
ケースは厚みを抑えつつ強度を確保する構造を取り、使用する環境を問わず安定した性能を発揮する。ベゼルは回転機構を備え、潜水時の経過時間もしっかりと把握できる。造形はエッジが際立っており、プロスペックスらしいツール感が漂う。
またダイバーズモデルらしく、文字盤は視認性を最優先にした設計で、太めのインデックスと時分針を組み合わせている。GMT針を追加することで、異なるタイムゾーンを表示できる点が実用面での大きな利点だ。針とインデックスには蓄光塗料も塗布され、暗所でも時刻を読み取れるようになっている。
SBEJ029はダイバーズモデルとしての性能にGMT機能を組み合わせることで、着用するシチュエーションを広げたモデルだ。堅牢性と機能性を兼ね備え、セイコー プロスペックスの現行ラインにおいては特に、実用性を重視した立ち位置を担っている。
キングセイコー VANAC SDKV001|70年代意匠を継承した新生VANACのスポーツデザインモデル

自動巻き(Cal.8L45)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS(直径41mm、厚さ14.3mm)。10気圧防水。39万6000円(税込み)。
SDKV001は1970年代に登場したキングセイコー「VANAC」の意匠を現代的に再構成したモデルである。シリーズ特有の外装表現を受け継ぎ、直線的な面を組み合わせたケース造形が特徴だ。ステンレススティールを素材に用い、エッジを明確にした構成によって外装の存在感を強めている。
また、ケースは平面を大きく取った造形で、面ごとに異なる光の反射を生み出すほか、外装のつながりを強調した構造を取り入れるなど、VANAC特有のデザインを引き継いでいる。ブレスレットもケースラインに合わせた形状となり、全体として一体感のある仕上がりになっている。
さらに、文字盤は放射状の仕上げを用い、光の角度に応じて表情が変化する。インデックスは平面と面取りを組み合わせ、ケースのフォルムと同様にシャープな印象を与える。針も直線的なデザインを採用し、全体として70年代の系譜を引く様式が反映されている。
SDKV001は、キングセイコーの歴史を示すVANACの要素を現代仕様に置き換えたモデル。外装の多面構造と文字盤の仕上げにより、当時の特徴を保ちつつ現在の製造技術で再構築している点が特徴である。
3.まとめ:ブランドの現在地を映す鏡
大谷翔平選手は2016年にセイコーのアンバサダーに就任し、以降の主要キャンペーンに継続して登場している。これまで着用したモデルはアストロンのネクスターシリーズが中心で、現在は「SBXC181」や「SBXC175」が代表的な位置づけとなる。いずれもGPSソーラーを軸とした構成で、高精度と実用性を重視した仕様が特徴だ。また、プロスペックスの「SBEJ029」やキングセイコー VANAC「SDKV001」のような異なるブランドにも登場することで、多様な方向性を示している。大谷選手が出演する広告を追うことで、セイコーがどのモデルを主軸に据えているかが把握でき、各シリーズが持つ技術的背景を読み取れる構成となっている。今後もセイコーの新モデルを着用した大谷選手に要注目だ。



