シチズン アテッサの新作時計を深掘り! 注目は皆既月食をモチーフとしたダイアル

2026.02.16

シチズン アテッサより、新作「Shades of Red」が発表された。本作は2026年3月3日(火)に日本全国で見ることができる皆既月食をモチーフとしており、GPS電波モデルと標準電波モデルの2種類がラインナップされる。

シチズン アテッサ Shades of Red

野島翼:写真・文
Photographs & Text by Tsubasa Nojima
[2026年2月16日公開記事]


今作のテーマは皆既月食

 シチズン アテッサは、多機能ムーブメントとチタン製の外装を組み合わせた、優れたパッケージングが魅力のブランドだ。ビジネスマンにも愛用される普遍的なデザインの印象が強いが、アテッサには特定のテーマに沿った遊び心あふれる限定モデルが度々登場する。2026年新作として発表されたのは、皆既月食で見られる神秘的な赤い月“Blood Moon”をモチーフとした「Shades of Red」だ。

 皆既月食は、地球と太陽と月が一直線に並んだ際に発生する天文現象であり、月が完全に地球の影に入ることで赤く見えるというものだ。赤く見えるのは、太陽光が地球の大気を通過する際に赤い光だけが屈折し、月に届いているためである。観測できる頻度は数年に一度と多くはないが、次に日本で見られるのは2026年3月3日(火)とのこと。果たしてシチズンは、この神秘的な天文現象をどのように時計に落とし込んだのだろうか。

シチズン アテッサ「Shades of Red」

シチズン アテッサより、皆既月食をモチーフとした新作2種が登場。皆既月食で見られる神秘的な赤い月である“Blood Moon”を、腕時計のデザインとして落とし込んでいる。

「ACT Line エコ・ドライブGPS衛星電波時計 Shades of Red」

 Shades of Redには、ふたつのモデルがラインナップされる。そのひとつが、アテッサのハイエンドモデルをベースとした「ACT Line エコ・ドライブGPS衛星電波時計 Shades of Red」だ。光発電技術であるエコ・ドライブと、GPS衛星電波受信機能を備えたCal.F950を搭載し、時刻操作などといった手間を、ほとんど一切かけることなく使用できる利便性を備えている。

シチズン アテッサ「ACT Line エコ・ドライブGPS衛星電波時計 Shades of Red」Ref.CC4077-71Z

シチズン アテッサ「ACT Line エコ・ドライブGPS衛星電波時計 Shades of Red」Ref.CC4077-71Z
サファイアクリスタル製のベゼルを採用した、GPS衛星電波モデル。GPS電波が受信できる限り、地球上のあらゆる場所で正確な時間を知ることができる。光発電エコ‧ドライブ(Cal.F950)。フル充電時約5年稼働(パワーセーブ作動時)。スーパーチタニウムケース(直径44.6mm、厚さ15.4mm)。10気圧防水。世界限定1800本。38万5000円(税込み)。

 時計としてのベースがしっかりしているからこそ、遊びの要素が際立つというもの。本作のダイアルは、複数のパーツを重ねた多層構造によって成り立っている。

 下層に配されているのは、虹色に輝くマザー・オブ・パールだ。繊細な素材ながら、インダイアルと日付窓部分をくり抜いた複雑なプレート状に成形されている。そこに、インクジェット印刷によって月面をモチーフとした立体的な模様とざらつき感を与えた、ワインレッドカラーの半透明なダイアルを重ねている。さらにその上には、インデックスの付いたリング状のパーツとフランジを取り付けるという具合だ。シルバーの蒸着による都市コードが記されたサファイアクリスタル製のベゼルインサートには、裏面からダークレッドの蒸着を施すことで、ダイアルとの一体感が高められている。

シチズン アテッサ「ACT Line エコ・ドライブGPS衛星電波時計 Shades of Red」Ref.CC4077-71Z

ワインレッドのダイアルから、マザー・オブ・パールの虹色の輝きが浮かび上がる神秘的な構造。ダイアル表面には、インクジェット印刷によって月の表面があしらわれている。

 筆者は皆既月食を直接見たことこそないが、夜空に望遠鏡を向けて天体観測をしたことがある。幼少期に図鑑で見た土星の輪や木星の縞模様が、そのままレンズ越しに見えたときには、その神秘性の中に畏怖の念を覚えたものだった。空の上には壮大な宇宙が広がり、数えきれないほどの星が存在する。今自分が存在している地球は、そのひとつでしかないのだと。本作を一目見て感じたのは、そのときの印象に近い。マザー・オブ・パールのもたらす虹色が神秘性を宿し、表面にざらつきを与えたプレートのワインレッドが、壮大な宇宙に垣間見える恐れの感情を呼び起こさせる。

 もちろん、腕時計としての質感が良いのは言わずもがな。針やインデックスはバリがなくシャープに造形され、また、プリント部には滲みやブレが見られない。ダークトーンで統一されながらも、ホワイトの蓄光塗料によって視認性は抜群だ。ベゼル上の都市コードは若干暗いが、そもそもワールドタイム設定の限られたタイミングだけで使用するものであるため支障はないだろう。ついつい忘れてしまうが、本作にはエコ・ドライブ機能が搭載されており、凝ったダイアルでありながらもしっかりと採光性を確保している点には毎度感心させられる。

 ケースとブレスレットは、直線を基調としたシャープなデザイン。チタンをベースに表面硬化技術であるデュラテクトDLCを施した、スーパーチタニウムが用いられている。直径44.6mmのサイズは、数値上大ぶりに見えるものの、デュラテクトDLCによるブラックが引き締まった印象をもたらすためか全く気にならない。ラグが短く軽量であることも手伝い、手首に載せた感触も良好だ。背の低いプッシュボタンやリュウズガードは、衣服への引っ掛かりも発生しにくいだろう。

 一見して3連タイプのブレスレットは、H型のリンクと、それをつなぎ合わせるスクエア型のリンクを組み合わせた構造を持つ。可動域が大きく、内側も滑らかに処理されているため、心地よい肌触りを得ることができる。バックルにはアジャスターが備わっており、プッシュボタンを押しつつ引っ張ることで若干の微調整が可能だ。

「エコ・ドライブ電波時計 Shades of Red」

 もう1本の「エコ・ドライブ電波時計 Shades of Red」は、同様のコンセプトを採用しつつ、よりダイレクトに“月”を感じることのできるモデルだ。月齢を自動計算し表示するルナプログラムを搭載した人気モデルをベースとしており、6時位置にはムーンフェイズが配されている。

シチズン アテッサ「エコ・ドライブ電波時計 Shades of Red」Ref.BY1005-73Z

シチズン アテッサ「エコ・ドライブ電波時計 Shades of Red」Ref.BY1005-73Z
すっきりとしたデザインが魅力のルナプログラム搭載モデル。調整の手間をかけることなくムーンフェイズを楽しむことが可能だ。光発電エコ・ドライブ(Cal.H874)。フル充電時約2.5年稼働(パワーセーブ作動時)。スーパーチタニウムケース(直径41.5mm、厚さ10.8mm)。10気圧防水。世界限定2200本。19万8000円(税込み)。

 ダイアルは、ワインレッドに立体的なインクジェット印刷を施すことで、月の表面を再現。ムーンフェイズには、パール印刷を用いることで輝きを与えている。1本目のモデルに比べると、よりビジネスシーンでも着用しやすいデザインと言える。都市コードのないスムースなベゼルが、ややドレッシーな印象をもたらしてくれる。ケースの直径が41.5mmに抑えられていることも魅力だ。10.8mmの厚さは、シャツの袖口にも難なく収まる。

シチズン アテッサ「エコ・ドライブ電波時計 Shades of Red」Ref.BY1005-73Z

ムーンフェイズは、赤い金属電着塗装と印刷を重ねることで“Blood Moon”そのものがあしらわれている。また、パール印刷で漆黒の星空のきらめきを表現していることも、特筆すべき点だ。本作の上品なデザインは、オンオフともに着用しやすいだろう。

 ケースとブレスレットの素材は、同じくスーパーチタニウム。日常的に使用する腕時計において、軽さは大きなアドバンテージだ。チタンは耐蝕性に優れ、デュラテクトDLCは耐傷性を高めてくれるため、長期にわたって美観を保つことができる。


宇宙の神秘を手首にまとう

 皆既月食という珍しいテーマに挑んだアテッサの新作は、2種類とも数量限定で販売される。GPS衛星電波モデルが世界限定1800本、標準電波モデルが世界限定2200本だ。マザー・オブ・パールの輝きを湛え、どんな場所でも正確な時間を得られる前者か、取り回しやすいサイズ感と“Blood Moon”をあしらったルナプログラム機能を備えた後者か、それぞれに異なる魅力があるのが悩ましい。本作を手首に着けて皆既月食を見ることができたのならば、どんな気分になれるのだろうかと妄想も膨らんでしまう。なお、どちらを選んでも購入者には大きな特典が付帯する。手元に目をやれば、いつでも貴重な天文現象を観測できるということだ。



Contact info:シチズンお客様時計相談室 Tel.0120-78-4807


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