ジラール・ペルゴの最新オート・オルロジュリーコレクションは、同社が得意としてきたミニッツリピーターである。特筆すべきは、ムーブメントの構成部品に難削材であるチタンを採用した点だ。チタンの共鳴がもたらす音色に期待が高まる新作である。

ジラール・ペルゴが誇るマニュファクチュールを体現したコンプリケーションが登場。本作に合わせて新開発されたCal.GP9530は、6時位置に竪琴型のトゥールビヨンケージを配し、9時位置のレバーで操作可能なミニッツリピーター機能を備える。また、同社の象徴であるアロー型ブリッジは、本作中央部に配されるほか、ケースバック側にも見受けられる。自動巻き(Cal.GP9530-2198)。47石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KPGケース(直径46mm、厚さ17.9mm)。30m防水。8739万8300円(税込み)。
Edited by Yousuke Ohashi (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2026年7月号掲載記事]
クリアな音響を追求した伝統のアイコン
ジラール・ペルゴが「ハイエンド」に位置付ける、コンプリケーションの新作「ミニッツリピーター フライング ブリッジ」が発表された。エッジが効いた立体的なムーブメントに象徴されるように、モダンな仕立ての本作は、ジラール・ペルゴが培ってきた技術や歴史が反映された仕上がりである。
本作のために開発されたキャリバーGP9530は、文字盤を持たないデザインを前提とした、立体的でシンメトリーな意匠が魅力だ。最も目を引くのは、中央と6時位置に配されたブラックのブリッジであり、裏蓋側にも備わる。

これは19世紀半ばに、同社が他社に先駆けてムーブメント造形を時計デザインに取り入れた歴史を継承するものだ。また、6時位置に配されたトゥールビヨンのキャリッジも、19世紀から同社が採用している竪琴型となっている。
そして、最大の特徴がクリアで鮮明な音色を追求したミニッツリピーターだ。ジラール・ペルゴは、このようなチャイム機構の開発と洗練を、創業者ジャン=フランソワ・ボットの時代から絶えず続けてきた歴史を持ち、その知見がチタン製地板とブリッジを備えたキャリバーGP9530として結実した。本作では、ゴングをムーブメントの12時位置で固定し、ハンマーも固定部近傍に配置。ハンマーによる振動は、振動伝達に有利な軽量かつ高強度な特性を持つ、チタン製の地板とブリッジを介して、ケースへと伝達され、ケースと風防で音として放射される仕組みだ。このほか、ムーブメント外周部やトゥールビヨン周辺は、空間が設けられた「抜け感」のあるデザインを採用しており、ムーブメント造形を時計の魅力として訴求してきたジラール・ペルゴらしい仕立てと言えるだろう。




