フレグランスをまとう際、自身が無臭であることに気を配れているだろうか? 近年の厳しい暑さの中で、また、年を重ねていく中で、体から発せられるニオイをリセットしてこそ香りの芸術を愉しめるというものだ。まず「真っ白なキャンバス」を用意するために、敏腕編集者であり、エッセイストでもある麻生綾氏がデオドラントを指南する。
Text by Aya Aso
千太(SIGNO):写真
Photograph by Senta (SIGNO)
[クロノス日本版 2026年9月号掲載記事]
汗に罪はないのだから

(上から)脇の下や胸元、首、背中や足などの汗のニオイが気になる箇所に適量をスプレー。パウダーフリーのミストなので白残りすることなく、服を着たままでも使える。ジュニパーベリー、ローズマリー、ユーカリプタス、レモン、セダーウッドといった天然植物精油が気持ちまで爽やかに。リフレッシング デオドラントミスト(医薬部外品)、100ml、3850円(税込み)。髪の根元をかきわけて、頭皮に直接適量をスプレー。キュンと引き締まるような使用感がたまらない。スカルプ リフレッシュローション、100ml、3300円(税込み)。
香りを愉しむ前には、まず自分自身が「真っ白なキャンバス」、すなわち「無臭」でなければならない。その大前提を、この連載ではまだお伝えしていなかったことに気が付いた。昨今はお盆過ぎどころか、ともすると10月まで名前だけでない残暑が続く。そんな亜熱帯から熱帯に移り行く日本においては、“デオドラント”の心得と工夫がますます重要になってきている。加齢臭に代表される不快な体臭をフレグランスでごまかそうだなんて、もってのほか……。というわけで、今号では「無臭」のためのアイテムをご紹介しようと思う。
2022年の発売以来、加速度的に売り上げを伸ばしているデオドラントがある。オールジェンダーブランド、アスレティアの「リフレッシング デオドラントミスト」がそれ。制汗剤のように汗の出口をふさぐのでも、ニオイを別のニオイでマスキングするのでもなく、汗の中の菌に働きかけるという画期的なミストだ。そもそも「汗臭い」という状態になるのは、かいた汗に雑菌が付着&繁殖し、それが不快なニオイを発生させるため。汗そのものには罪はないのだ。しかもみずみずしい使い心地のミストが、揮発により肌の上で目に見えないほど微細なゲル状に変化し、その場にとどまるので、ニオイを抑える効果が持続する。また、天然植物精油のすっきりした香りと清涼感も併せ持つため、全身にスプレー、まとうことで圧倒的な爽快感を得ることができる。
同じくアスレティアの「スカルプ リフレッシュローション」も、頭から汗が吹き出すような時期にぴったりの頭皮用ローション。適量を髪の根元に吹き付けて軽く揉むだけで、ペパーミントやベルガモット、ラベンダーなどの精油が、まるでシャンプーしたかのようなさっぱり感をもたらしてくれる。アスレティアのPR担当者いわく、店頭で試してもらうとそのあまりの気持ちよさに、ほぼ全員が購入していくキラーアイテムというから驚きとともに納得だ。自宅のドレッサーはもとより、ビジネスバッグやゴルフバッグなどにひとつ忍ばせておくと、きっと役立つ場面がやってくる。
ニオイという意図しない不快なノイズを取り除き、まずは自身の状態を完全に「ゼロ(無臭)」へとリセット。フレグランスという緻密に計算された香りの芸術は、「真っ白なキャンバス」があって初めてその真の力を解き放つことができる。単なる他者への配慮、エチケットの次元を超えて、一切の濁りなく自らが選んだ香りの美学をまとおうではないか。
著者プロフィール
麻生綾
美容編集者/エッセイスト&コピーライター。東京育ち。女性誌の美容ページ担当歴30余年、『25ans』『婦人画報』(ともにハースト婦人画報社)、『VOGUE JAPAN』(コンデナスト・ジャパン)各誌で副編集長、『etRouge』(日経BP)で編集長も務めた。趣味も美容、そして美味しいもの探し、鬱アニメ鑑賞、馬の骨活動。



