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華麗なるオークションの世界

華麗なるオークションの世界/第2回「ジュネーブ ウォッチ オークション他を振り返る」(1/4)

世界中のオークショニアと愛好家たちを魅了する時計とはいかなるものなのか。『クロノス日本版』編集長の広田雅将と長年の交友関係を持つコレクター、ダビデ・ムナーリ氏の目線を通して、華麗なるオークションの世界をのぞいてみよう。

2017年のジュネーブ ウォッチ オークションを振り返る

 2017年10月、ニューヨークで開催されたフィリップス「ウイニングアイコンズ」でポール・ニューマンのデイトナが売られたが、その1カ月後に開催されたジュネーブ ウォッチ オークションは、比較的静かだった。おそらく5月のスプリングセールで見られた、ロレックス Ref.6062 “バオダイ”(500万スイスフラン)や、ブラック文字盤のパテック フィリップ Ref.2497(290万スイスフラン)のような、コレクターたちを心待ちにさせるメガロットが不在だったためだろう。これらふたつの時計は並ぶものがないほど非常に重要なものであり、かつ誰もが認める来歴とオリジナリティとコンディションを持っていたため、5月のオークションでは激しい入札劇が見られた。
 今日、重要な時計の市場価格を決定する熟練した目をもつベテランコレクターは、オリジナリティと公正さを求めている。彼らは「正しい」だけでなく、誕生時の姿を残す時計を求めている。コンディションに関しては、彼らが「新古品」や「ミント品」を欲しがることは別にして、彼らはできるだけ、磨かれていないケースや、リダンされていない文字盤を望む。オークションハウスは、すべての時計の真実を明らかにしないので、コレクターは自然な防衛方法として、こだわり過ぎながら、入念にならざるを得ないのである。

After the October Phillips sale of Paul Newman’s Daytona in New York, Geneva watch auctions a month later was relatively quiet, probably because there was an absence of hotly anticipated mega lots such as the Rolex ref.6062 “Bao Dai” (CHF 5m) and the Patek Philippe ref.2497 (CHF 2.9m) with black dial from the spring sales. These two unique and very important watches saw fierce bidding in May due to their undisputed provenance and their originality and condition. Seasoned collectors with trained eyes dictating market prices for important watches today want originality and honesty. They seek watches that are not only “correct” but were likely born in their present configurations. Regarding condition, next to “new old stock” or “mint,” they want, to the best extent possible, unpolished cases and unrestored dials. Since auction houses don’t often reveal the truth about all watches, collectors cannot but be paranoid and scrutinizing as natural self-defense mechanisms.


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