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再び時代を超える「ジャガー・ルクルト ポラリス・メモボックス」(前編)(1/1)

Text by Logan R.Baker

 鳴り物時計は時計の世界でも、特別な存在だ。たとえ風変わりな趣向に支配されているとしても、多くの熱狂的な時計愛好家たちにとって、アラーム機構を備えたタイムピースというものは、オルロジュリー世界の片隅にでもその痕跡をとどめるものである。そのような状況で、コレクターたちの間でこの話題が出てくると、必ず名前の挙がるものがいくつかある。その中でも、あるモデルは多くの人々によって「聖杯」として認知されている。それはジャガー・ルクルトの1968年製「ポラリス」である。

Photograph by Analog/Shift
ジャガー・ルクルト「ポラリス」のヴィンテージウォッチ。

 ポラリスは、ジャガー・ルクルトの歴史におけるモデルの中でも非常に特徴的なもののひとつであり、1968年のバージョンは特に希少性が高い。何年にもわたり、さまざまな(ポラリスと名付けられていない)メモボックスが作られてきたが、最初の段階では2000本以下しか作られなかった。最も新しいものは、2016年にマスターコレクションの一部としてブティック限定モデルが発表されている。

 しかしながら、2018年は特別な存在であるポラリスの50周年という記念の年にあたり、ジャガー・ルクルトは輝かしい50周年記念を、オリジナルモデルのアラームウォッチのデザインをベースにした新しいポラリス・コレクションをもって祝うことにした。なおかつクロノグラフ、ワールドタイム、カレンダー表示機能のものなど、バリエーション展開も見せたのである。

2018年の「ジャガー・ルクルト ポラリス・メモボックス」。自動巻き(Cal.956)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SS(直径42mm)。200m防水。142万5000円(税別)。

 この新作「ジャガー・ルクルト ポラリス・メモボックス」は(ジャガー・ルクルトはポラリスという名前をメモボックスの前に配置し、コレクションの名前と整合性を持たせた)、1968年製のモデルとほぼ同様の機能を持ち、アラームとインナーベゼル、時刻合わせのための3つのリュウズを備えている。2時位置のリュウズはアラームと日付調整を行うことができる。3時位置のリュウズは両方向に回転するインナーベゼルの調整を行う。4時位置のリュウズは時刻合わせ用だ。

 リュウズに関して、新しいモデルは200m防水がうたわれているが、リュウズはどれもネジ込み式ではない。

「ジャガー・ルクルト ポラリス・メモボックス」の12時位置をクローズアップした写真。

 これは、良いことでも悪いことでもない。全体的に刷新されたポラリス・コレクションによって、ジャガー・ルクルトはここ数年欠けていたスポーティな側面を取り込むことができたのである。主力ラインは「レベルソ」が大きな割合を占めるため、ジャガー・ルクルトの中にラグジュアリースポーツ分野を開発できる余地が今まではほとんどなかった。その点から考えると、「ジャガー・ルクルト ポラリス・メモボックス」は本格的なダイバーズウォッチではないが、ダイバーウォッチの系譜を受け継ぐスポーツウォッチであり、重要なポラリス・コレクションのトップに位置付けられるものである。

アラームは時針が通過したときに鳴らされる。そのため分単位を正確にセットすることは非常に難しい。この画像ではアラームは7時を数分過ぎた時に鳴るようセットされている。

 アラーム設定については、ダイアル中央の三角形の先でアラーム時刻をセットする際、時針が通過する場所を意識してセットする必要があるため、分まで正確にセットすることは難しい。ゼンマイを完全に巻き上げ、適切にセットされた状態でアラームは約15秒間、深く底から湧き上がるような音で鳴り続ける。他のアラームウォッチの音を聞き慣れている人であれば、それが耳障りにならない、豊かな音を放つ楽しい響きということが分かるだろう。実際に私も目覚ましを掛けずにソファで眠り込んでしまった時、やさしくしっかりと、そしてソフトな音色に起こされることがあった。

(つづく)


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