ブレゲ新生マリーンが拡張する 〝エレガンス スポーティー〟の 版図 [前編]

FEATURE本誌記事
2018.08.10

MARINE ALARME MUSICALE 5547

2018年発表の“新生マリーン”コレクションの筆頭を飾るのは「アラーム ミュージカル 5547」。ブレゲの数あるコンプリケーションの中でも異彩を放ち、かねてより人気の高いアラームGMTだ。実用的なトラベルウォッチとして活用できるうえに、スポーティーなルックスも印象的だ。3種類のケース素材にそれぞれ異なるダイアルが組み合わされ、さらにストラップ違いも含めて全6モデルが勢揃い。選べる幅の広さも大きな魅力だ。

マリーン アラーム ミュージカル5547
アラーム機能は専用の主ゼンマイの動力で駆動。オン/オフ設定は8時位置のプッシュボタンで行い、オンの状態の時は12時位置の小窓にベルのマークが表示される。自動巻き(Cal.519F/1)。36石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。シリコン製ヒゲゼンマイと脱進機搭載。18KRG(直径40mm)。5気圧防水。予価432万円。今秋発売予定。

アラームと第2時間帯表示をニュールックに収めた新時代の〝エレガンス スポーティー〟ウォッチ

 昨年発表の複雑時計「エクアシオン マルシャント 5887」は、〝新生マリーン〟のいわば贅沢な予告編だ。ブレゲはまず、愛好家向けの格別なグランドコンプリケーションをコレクションの頂点に据え、2018年は、実用的なアラームGMT、クロノグラフ、中3針の3モデルで裾野を一気に広げる。

 これら3つの中でも個性がとりわけ突出しているのが「マリーン アラーム ミュージカル 5547」だ。時分針を持つアラーム設定用とGMT機能の第2時間帯表示用のサブダイアルが備わり、専用プッシュボタンでアラームのオン/オフ切り替えができる異色のムーブメント、キャリバー519F/1を搭載している。これは、2003年にブランパンと共同開発してブレゲが特許を取得したキャリバー519Fがベースだが、スモールセコンドをセンターセコンドに置き換え、シリコン素材のヒゲゼンマイと脱進機を装備する新しいタイプである。

 アラーム機能は、2009年に第2世代「マリーン」の第4弾として発表された「マリーン ロイヤル 5847」の特色にもなっていたが、GMTは別モデル(5857)として存在していたので、機能の点で言えば、今回の最新作のほうがオリジナルのキャリバー519Fを搭載する「クラシック 5707」の流れを汲む後継モデルという感じだ。

 新生マリーンのデザインコードを使ってコンテンポラリーなスポーティールックを手に入れた「マリーン アラーム ミュージカル 5547」は、世界をアクティブに旅するトラベラーのための〝エレガンス スポーティー〟ウォッチだ。初めて導入されたチタン素材も、そうした雰囲気の演出に一役買っている。

3種類のケース素材がある「マリーン アラーム ミュージカル 5547」。ページ上の18KRGモデルはシルバー仕上げ、18KWGモデルはブルー仕上げのゴールド製ダイアルに波模様のギヨシェ彫りを施す。チタンモデルのダイアルは、サンバースト・スレートグレー仕上げで斬新な表情。(上)18KWG。予価432万円。(下)Ti。予価310万円。今秋発売予定。