初めて買う機械式時計、おすすめは何?/ぜんまい知恵袋〜時計の疑問に答えます〜

FEATUREぜんまい知恵袋
2024.01.22

Q:初めて買う機械式時計、おすすめは何?

広田雅将

A:世間には多くの時計が売られています。時計好きが好むのは複雑な時計だったり、凝った手巻き式だったりしますが、まず買って損がないのは、自動巻きを載せたシンプルな機械式時計です。

加えて、パワーリザーブが60時間以上あり(理想的には金曜の夜から月曜の朝まで時計をはずしていても止まらずに安定した動力を保つことができる72時間以上が望ましい)、日付表示が付いていれば、実用性はより高いでしょう。

さらにケースが薄ければさまざまなシチュエーションで使えます。なお、時計を選ぶ際は、メンテナンス費用もチェックすること。

いわゆる自社製ムーブメントを載せた機械式時計は大変魅力的ですが、汎用のETA製やセリタ製ムーブメントなどを載せた時計に比べて、メンテナンス費用が高かったり、修理期間が長くなったりする場合があります。

ETA製やセリタ製ムーブメント入りの機械式時計を低く見る向きがありますが、メンテナンスコストを考えると、大変に優れた選択肢だと言えるでしょう。


初めて買う機械式時計におすすめのモデル

最後に、初めての機械式時計として、おすすめのモデルを3本紹介します。



カーキ フィールド マーフ 38mm

ハミルトン「カーキ フィールド マーフ 38mm」H70405730
シンプルな自動巻き時計は定番の構成と言えるため、選択肢は豊富だ。しかし、汎用のムーブメントでロングパワーリザーブとなるとその数は一気に絞られる。写真のハミルトン「カーキ フィールド マーフ 38mm」は、ETA2824-2の振動数を落とすことで約80時間のロングパワーリザーブを実現したCal.H-10を搭載し、ケース厚も11.1mmと本文中に挙げられた条件をそろえた1本。価格も10万円台であるため、最初の機械式時計として適切な選択だろう。自動巻き(Cal.H-10)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径38mm、厚さ11.1mm)。10気圧防水。13万6400円(税込み)。㉄ハミルトン/スウォチ グループ ジャパン℡03-6254-7371

ティソ PRX

ティソ「PRX 35mm」
同じくETA2824-2をベースとしつつ、パワーリザーブ約80時間を実現した「パワーマティック80」を搭載した1本。ニヴァクロン製ヒゲゼンマイを採用することで、耐磁性能も有している。本作はエレガントな印象の強いホワイトシェル文字盤で、男女ともに人気があるという。一方でブラックやブルー、グリーン文字盤などと、バリエーションも豊富であるため、自分の好みに合った1本を選びたい。自動巻き(Cal.パワーマティック 80)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径35mm、厚さ10.9mm)。10気圧防水。11万3300円(税込み)。㉄ティソ Tel.03-6254-5321

プレザージュ Sharp Edged Series

セイコー「プレザージュ Sharp Edged Series」SARX077
セイコーが展開するブランド「プレザージュ」のうち、日本独自の美意識をデザインソースとした「プレザージュ Sharp Edged Series」。麻の葉紋様のパターンが文字盤に施されており、独創的でありながらも奇抜さはないため、さまざまなシーンで使える機械式腕時計だ。抑えられた価格もうれしいポイント。自動巻き(Cal.6R35)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径39.3mm、厚さ11.1mm)。10気圧防水。12万1000円(税込み)。㉄セイコーウオッチお客様相談室 Tel.0120-061-012


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