スポーツウォッチとしての高い性能と優れたデザイン性などで高い評価を受ける時計ブランドが「タグ・ホイヤー」だ。幅広い年代に支持され、知名度も高い。オールマイティーに活躍してくれるタグ・ホイヤーの腕時計について、その魅力に触れていこう。
タグ・ホイヤーの基礎知識
数多くの高級腕時計ブランドを輩出してきた国といえばスイスが筆頭だが、タグ・ホイヤーも、スイスで生まれたブランドのひとつだ。
スタイリッシュでスポーティーなスタイルは世代を問わず高評価を受け、幅広い層に愛用されている。近代的なイメージが強いが、その歴史は古い。
タグ・ホイヤーの歴史

1860年に、エドワード・ホイヤーによってスイスで設立された時計ブランドが「ホイヤー」だ。高い技術力に定評があるなかで、技術力を発揮できるクロノグラフをメインに製造を進めていった。
その精度からパイロットやモータースポーツのドライバーなど、操縦に携わる人々からの信頼を集め、ホイヤーの名は徐々に広がりを見せることとなる。そしてついにスイスを代表する時計ブランドへと成長を果たしている。
順調に知名度を上げていった同社は、1985年にTAGグループと資本提携をし、さらに評判を高めていく事になった。
提携を転機にブランド名を「タグ・ホイヤー」と改称し、高級スポーツウォッチの最高峰のブランドとして、安定した地位を築いている。

アクアレーサーなどの名作モデル
タグ・ホイヤーには、名作といわれるモデルがある。まず紹介するのは「アクアレーサー」だ。
重厚さが目立つモデルが多いダイバーズウォッチだが、アクアレーサーは洗練さを身にまとったスマートなデザインが魅力だ。都会的な雰囲気をたたえ、マリンスポーツのみならず違和感なく日常生活にマッチする。
タグ・ホイヤーの代名詞的モデルといえるのが「カレラ」だろう。モータースポーツと切り離せない同社にあって、ハイスピードにあっても確かな視認性を実現する機能とデザインは流石の一言だ。
一方、タグ・ホイヤーのヘリテージといえば、角型ケースが特徴的な「モナコ」だ。名作のひとつとして時計史に名を連ねるモデルである。9時位置にリュウズが配されている珍しいモデルである。
映画「栄光のル・マン」でスティーブ・マックイーンが着けていたことでも有名だ。

タグ・ホイヤーの時計の選び方
時計は着ける者の内面を映す鏡だといわれる。つまりオーナーの価値観が反映されるアイテムといえよう。
それだけに、時計選びには慎重でありたい。タグ・ホイヤーの腕時計を選ぶ際のポイントについて解説しておこう。
駆動方式
時計の駆動方式は時計によって異なるが、タグ・ホイヤーは主に「クォーツ式」と「機械式」が揃う。この2種類について触れておきたい。
水晶振動子を電気で振動させ、この力を利用して針を動かす仕組みを持つのがクォーツ式だ。その特徴は針の動きの正確さにある。
使用開始時に正しく時間を合わせておけば、その後ほとんどズレを生じさせることなく時刻を示してくれる。
対する機械式は、ゼンマイを動力源とする。ゼンマイを手動で巻く手巻きと、ローターと呼ばれるパーツによってゼンマイを巻き上げる自動巻きの2種類がある。
クォーツの特徴に精度を挙げたが、一般的なクォーツの場合、モデルによるが月差±15〜30秒で、これもモデルによるが日差数秒〜数10秒となる。月差とは月にどのくらいの誤差が生じるかを示したもので、機械式の日差に対してクォーツの精度の高さがわかる。
しかし、機械式はオーナー自ら手をかけて使い続けることで、より深い愛着が生まれる時計といえる。
2010年、タグ・ホイヤーは初の自社製クロノグラフムーブメント「Cal.1887」を発表。これをベースとして開発した「ホイヤー01」を2015年に登場させた。さらに同じく自社製の「ホイヤー02」ではクロノグラフにコラムホイールと垂直スクラッチを採用し、パワーリザーブを約80時間にパワーアップ。使い勝手と堅牢性の向上を果たしている。
機能
機能面の特性を踏まえて、モデルを選ぶことも大切だ。タグ・ホイヤーの得意とするところは、高い防水性を備えたモデルの設計である。
時計とは、本来水にとても弱いもの。時計内部に水気が入り込めばガラスの曇り、精密部品の腐食などを引き起こす。これらを防止するためにも防水性能は重要なのだ。
その点、タグ・ホイヤーには、さまざまなレベルの防水機能を備えたモデルが揃っている。日常生活での防水であれば、10気圧防水以上あれば安心できる。
水中での使用を目的とするなら20気圧防水以上が望まれるが、そのレベルにおいても優れた性能を発揮するモデルが用意される。
さらに、本格的な潜水にも耐え得る防水性能を備えたモデルもラインナップされている。自分の趣味やライフスタイルに合わせた仕様で探すことをおすすめする。
40代におすすめのモデル
40代といえばビジネスの最前線に立ちながら、円熟の時期を迎えつつある年代ではないだろうか。そんな世代に向けて、気品とバイタリティーに満ちたモデルを紹介しよう。
57年の歴史を有する「タグ・ホイヤー カレラ」コレクション
「カレラ」とはスペイン語でレースや情熱という意味を持ち、タグ・ホイヤーのアイコニックなコレクションとして知られる。1963年に登場し、その名前は1950~54年にかけてメキシコで開催されていた、国境から国境までのロードレース「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」から取られている。ファーストモデルからダイヤルにはタキメーターを装備しており、いまもその伝統は踏襲され「カレラ」のアイコンとなっている。誕生から変わらず、プロドライバーやスポーツカー愛好家に向けてデザインされている。
カレラのなかでも自社製ムーブメント「ホイヤー02」を搭載するのが紹介のモデル。特徴はスケルトン仕様のダイアルで、メカニカルな雰囲気を演出したデザインだ。裏蓋もシースルーバックとし、これによりホイヤー02を存分に楽しむことができる。
300m防水が基本スペックの「アクアレーサー」コレクション

2004年に発表された「アクアレーサー」コレクションは、1980年代初頭に発表されたタグ・ホイヤー初のダイバーズウォッチにルーツを持つ。アクアレーサーの第1世代は300mの防水性を備え、2009年に発表された第2世代では500mまで防水性能が高められた。
12角形のベゼルには6か所にライダータブが装備され、手袋をつけたままでも操作しやすい仕様となっている。
2020年にはGMT機能を搭載した新作を発表。青と黒に色分けされた24時間ベゼルとスタイリッシュなダイヤル模様とのコンビネーションは、タフな印象に仕上がっている。GMT針は単独で動かすことができ、操作も簡単だ。堅牢なケースと高い防水性能によって、世界で活躍するビジネスパーソンのONとOFFをサポートできる仕上がりになっている。
誕生から50年以上を経て、いまなお愛される名機「モナコ」
1969年に登場した「モナコ」は世界初の自動巻きクロノグラフを搭載し、スクエアケースに防水性能を持たせた時計として知られている。
多くの面で先進性を見せたモナコだが、もうひとつ革新的だったのがリュウズの位置だ。オリジナルモデルでリュウズを9時位置に配したのは、巻き上げの必要がない自動巻きであることを証明するためでもあった。

現在、モナコには9時位置にリュウズを配する「キャリバー11」搭載の「ホイヤー モナコ キャリバー11 クロノグラフ」、3時位置にリュウズを配する「キャリバー ホイヤー02」搭載の「タグ・ホイヤー モナコ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ」がラインナップする。キャリバー11エディションは1971年公開の映画「栄光のル・マン」で、スティーブ・マックイーンが着用したことで知られるモデルでもある。
また最新ムーブメント「ホイヤー02」搭載モデルもラインナップしており、ムーブメントの違いを楽しむこともできる稀有なコレクションとなっている。
すべてのエディションにおいて伝えるのはモータースポーツの熱気だ。誕生以来、タイムレスなアイコンとして、熱狂的なファンを獲得し続けている。
ワンランク上のタグ・ホイヤーを
ソフィスティケートされたスポーティデザインで多くの男性の心を捉えて離さないタグ・ホイヤーの腕時計は、レジャー・ビジネス・社交とあらゆるシーンにマッチする一流品である。
自身のライフスタイルをベースに厳選し、20~30代とは異なるワンランク上のタグ・ホイヤーを探し出して欲しい。