ロマンあふれるパーペチュアルカレンダーウォッチでも特に語るべき6モデル

FEATUREWatchTime
2020.02.10

100年に一度の“例外”を除いて、時計が止まることさえなければ自動で大の月と小の月を見分け、月変わりの際に日付修正をしてくれるパーペチュアルカレンダー。少なくとも200年以上前から存在し続ける、このロマンあふれる同機構を搭載したタイムピースから、今回は特に際立った6モデルを独自の視点とともに紹介していきたい。

Originally published on watchtime.com
Edit by Tsuyoshi Hasegawa

オーデマ ピゲ
「ロイヤル オーク・パーペチュアル・ウルトラシン・オートマティック」

 2019年のSIHHでのティーザー後となる6月、オーデマ ピゲは、製品化された「ロイヤル オーク・パーペチュアル・ウルトラシン・オートマティック」を発表。世界で最も薄い自動巻きパーペチュアルカレンダーを擁した腕時計であり、その厚さわずかに6.3mm。サテン仕上げの41mm径チタン製ケースには、反射防止加工が施されたサファイアクリスタル製風防とポリッシュ仕上げのプラチナ製のベゼルが併せられており、昨年発表された「ロイヤル オーク・ジャンボ・エクストラシン(15202IP)」を想起させる構成となっている。サテン仕上げのチタン製ブレスレットには、プラチナ製のリンクとチタン製フォールディングクラスプが合わせられている。

特別なポイント

 2019年ジュネーブ・グランプリにおける「Aiguille d'Or(金の針賞)」の獲得以外で言及すると、何よりキャリバー5133の厚みがわずか2.89mm(!)という点は見逃せない。これはムーブメントのモジュールにおけるレイヤーが、3層だったものを1層へと集約したことにより可能となったもの。効率の良さを保ちながら3層構造だったものを、1層構造に纏め上げる技術力は並大抵のものではない。この研究開発に、オーデマ・ピゲは5年の歳月を費やしその解決法を見出した。

ロイヤル オーク・パーペチュアル・ウルトラシン・オートマティック

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク・パーペチュアル・ウルトラシン・オートマティック」
自動巻き(Cal.5133)。37石。1万9800振動/時。パワーリザーブ約40時間。Ti(直径41mm)。20m防水。(問)オーデマ ピゲ ジャパン Tel.03-6830-0000


ボーム&メルシエ
「クリフトン ボーマティック パーペチュアルカレンダー」

 ボーム&メルシエの「クリフトン ボーマティック パーペチュアルカレンダー」は、昨年導入されたボーマティック・ムーブメントをベースに、デュボア・デプラのパーペチュアルカレンダーモジュールを組み合わせたもの。ボーマティック・ムーブメントの注目すべき部分は約5日間のパワーリザーブと高い耐磁性能、そして7年もの間をアフターサービスなしで稼働可能というメンテナンス間隔の長さにある。また、日付の巻き戻しが行える点も忘れてはならない。42mmの直径を持つケースはサテン仕上げの18Kローズゴールド製で、厚みはわずか12.1mm。スポーティなカーブを描くラグとドーム型のサファイアクリスタル製風防を備えている。

特別なポイント

 ボーマティックのような手の届きやすい現代的ムーブメントを用いたモデルでありながら、パーペチュアルカレンダー機構を備えている点で非常にレアと言える。長時間パワーリザーブ、耐磁性、高精度、長いメンテナンスの間隔等のスペックを備えた素晴らしいムーブメントを、クラシカルなデザインのローズゴールド製ケースに収めつつ価格は実に259万円(税別)。

クリフトン ボーマティック パーペチュアルカレンダー

ボーム&メルシエ「クリフトン ボーマティック パーペチュアルカレンダー」
自動巻き(Cal.Baumatic BM13-1975AC-1)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。18KRG(直径42mm、厚さ12.1mm)。5気圧防水。259万円(税別)。(問)ボーム&メルシエ Tel.03-4461-8030


ブランパン
「ヴィルレ パーペチュアルカレンダー 6656」

 2019年、ブランパンは「ヴィルレ パーペチュアルカレンダー 6656」のプラチナモデルを発表。これは全世界の30を超える公式ブティックのみで販売される。88本のリミテッドエディションであり、ケースサイズはバランスの良い直径40mmで厚さは10.7mmとコンパクトな設計だ。魅力的なサンレイ仕上げのブルー文字盤上の3時、9時、12時位置にはそれぞれサブダイアルが配され、6時位置にはムーンフェイズが配される。センターセコンドの針がホワイトゴールド製のローマンインデックスの上を滑りゆく。搭載ムーブメントはブランパンの自社製自動巻きキャリバー5954。ムーブメントのヒゲゼンマイをシリコン製とすることで、パワーリザーブを約72時間まで延ばしている。ローターは高級機らしくソリッドゴールド製だ。

特別なポイント

 このハイコンプリケーションが、ブランパンで開発されたケースバックのラグ下に設けられたレバーを押すことで、カレンダー機構とムーンフェイズを調整できる機能は特別なもの。これにより時計の外観デザインが、阻害されずに美しくまとまっているのだ。

ヴィルレ パーペチュアルカレンダー 6656

ブランパン「ヴィルレ パーペチュアルカレンダー 6656」
自動巻き。PTケース(直径40mm)。パワーリザーブ約72時間。3気圧防水。647万円(税別)。世界限定88本。(問)ブランパン ブティック銀座 Tel.03-6254-7233


ジャガー・ルクルト
「マスターグランドトラディション ジャイロトゥールビヨン ウェストミンスター パーペチュアル」

 ジャガー・ルクルトは2019年のSIHHにおいて、多軸型トゥールビヨンの最新作「マスターグランドトラディション ジャイロトゥールビヨン ウェストミンスター パーペチュアル」を発表し、会場の注目を一身に集めた。主な見どころはパーペチュアルカレンダーやウェストミンスターチャイム搭載のミニッツリピーターに加え、主ゼンマイの巻き上がり状態に左右されない安定したパワーを供給するコンスタントフォースメカニズムにある。外装はケースサイドにサンドブラスト仕上げを加えた直径42mmのホワイトゴールド製ケースに、高水準のポリッシュ仕上げを施している。グランフー エナメルによるディープブルーの文字盤(シルバー文字盤もあり)に、グレイン仕上げのエングレービングをあしらったデイトリングがアクセントを添えている。曜日、月、日付によるパーペチュアルカレンダーの表示は、エナメル文字盤になじむよう配しており仕上がりも巧みだ。

特別なポイント

 ジャガー・ルクルトにおけるヘリテージ部門のディレクターであるステファン・ベルモンは、「我々が年月をかけて特許を取得してきたジャイロトゥールビヨンをはじめ、ミニッツリピーター、そしてパーペチュアルカレンダーなどの複雑機構を搭載した最高峰であり、同時に着用感に優れ、エレガントであるようにサイズをコンパクトにまとめることができた」と語る。

マスター・グランド・トラディション・ジャイロトゥールビヨン・ウェストミンスター・パーペチュアル

ジャガー・ルクルト「マスター・グランド・トラディション・ジャイロトゥールビヨン・ウェストミンスター・パーペチュアル」
手巻き(Cal.184)。126石。パワーリザーブ約50時間。18KWGケース(直径43mm、厚さ14.08mm)。3気圧防水。世界限定18本。80万ユーロ(税別参考価格)。(問)ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833


パルミジャーニ・フルリエ
「トリック パーペチュアルカレンダー レトログラード」

 パルミジャーニ・フルリエは2019年に「トリック」コレクションのなかでも最も複雑な「トリック パーペチュアルカレンダー レトログラード」を発表。レトログラード式のポインターデイト表示とおよそ122年で1日の誤差しか生じない高精度ムーンフェイズが特徴のモデルだ。ふたつの半球と星空輝くアヴェンチュリンのディスクで表された6時位置にあるムーンフェイズが目を引く。トリックコレクションのポイントである、カーブを描くケースと手仕上げにて加えられたコインエッジベゼルもしっかりと採用されている。18Kローズゴールド製のケースは直径42.5mm、厚さは12.1mmと比較的腕なじみの良いサイズに収まっている。また、リュウズにはブルーのカボションがあしらわれている。文字盤はライスグレインギヨシェが施されたスレートグレイのものと、パルミジャーニ独自のホワイトグレイン仕上げが施されたものの2種類から選ぶことが可能だ。トランスパレントバックからは自社製自動巻きであるキャリバーPF333がを鑑賞することができる。

特別なポイント

 閏年を含む大小の月の調整は遊星ギアを用いたカムによって自動的に調節する。またムーンフェイズは約122年で1日の誤差しか生じない高精度なもので、デイトカレンダーと同じモジュールに組み込まれた輪列によって制御されている。

トリック パーペチュアルカレンダー レトログラード

パルミジャーニ・フルリエ「トリック パーペチュアルカレンダー レトログラード」
自動巻き(Cal.PF333)。32石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。18KRG(直径42.5mm、厚さ12.1mm)。30m防水。689万円(税抜)。(問)パルミジャーニ・フルリエ Tel.03-5413-5745


ヴァシュロン・コンスタンタン
「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」

 2019年にベールを脱いだヴァシュロン・コンスタンタンの新しいパーペチュアルカレンダーモデルは、既存作のどれよりも“永続性”を突き詰めた機能を特徴としている。「トラディショナル・ツインビート パーペチュアルカレンダー」は、その核心的な特許申請中の機構“モードセレクター”により振動数の選択が可能。なんと時計の振動数を3万6000振動/時のアクティブモードと、8640振動/時の省エネモードに任意に切り替えることができるという。

特別なポイント

 世界で最も歴史ある時計マニュファクチュラーから世に送り出された、非常に現代的な発想で以って、ユーザーに対し実利のある誇るべき機構を備えている点。

トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー

ヴァシュロン・コンスタンタン「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」
手巻き(Cal.3610 QP)。64石。アクティブ・モード:3万6000振動/時とスタンバイ・モード:8640振動/時の選択式。パワーリザーブ約65日間(アクティブ・モードでは約96時間)。Ptケース(直径42mm、厚さ12.3mm)。3気圧防水。時価。(問)ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755