海軍由来パネライの看板「ルミノール」を解説。主要モデルと選び方

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2021.02.23

1860年、ジョヴァンニ・パネライがフィレンツェに構えた時計店を始まりとするパネライ。同ブランドを代表するコレクションのひとつである「ルミノール」を取り上げ、その魅力に迫ってみよう。

パネライ ルミノール

パネライとルミノール

パネライは、海との関わりが深いメゾンである。それを象徴するのが、軍事用時計をイタリア海軍に供給していた歴史だ。

タフさが際立ち、「デカ厚」とも呼ばれる大ぶりで分厚い外観は、海軍由来のタイムピースだからこそ。優れた視認性と耐久性を備えるには、必然的に大型かつ厚みのあるケースが求められたのだ。

こうした海軍からの要請を実現することによって生まれたのが、パネライを象徴する「ルミノール」だ。

ルミノールとラジオミールが二枚看板

ルミノールと並んで、パネライを支えているコレクションが「ラジオミール」だ。このふたつが二枚看板となり、ブランドの人気を牽引している。

両者の違いは、リュウズのデザインにある。ルミノールにはリュウズプロテクターが装備されているが、一方のラジオミールには存在しない。これが最も大きな違いだ。

現在の腕時計におけるリュウズの主流は、ネジ込み式ロックリュウズ機構だが、ルミノールでは、ロックレバー式リュウズプロテクターを搭載している。

これは、第2次世界大戦の時代から採用し続けており、ルミノールの特筆すべき特徴となっている。

「ルミノール」は防水性を高めるため、3時位置にリュウズプロテクターを装備。これは、「ルミノール ドゥエ」「サブマーシブル」にも採用されているディテールで、パネライのアイコニックな意匠のひとつでもある。


ルミノールの基礎知識

堅牢性に優れたパネライを代表するルミノールについて、基礎的な知識をまとめてみた。より深い理解につなげるために役立ててほしい。

蛍光素材が由来

パネライが製造する時計は、イタリア海軍、とりわけ特殊潜水部隊で高い性能を発揮させてきた。

特殊潜水部隊は暗い場所での行動が多く、明るさの乏しい場所でどのように情報を得るかが重要な問題だった。

そこでパネライは、1938年に蛍光物質である「ラジオミール」を用いたダイバーズウォッチを製作。ところが、ラジオミールは、放射性物資であるとの指摘がなされた。代わりの蛍光塗料に採用されたのが、ルミノールであった。

パネライの中核として双璧をなすルミノールとラジオミールは、蛍光塗料の物質からそれぞれの名称が付けられている。

1936年に製作された「ラジオミール」のプロトタイプ。インデックスと針に塗布されているのが自発光塗料であり、モデル名の由来にもなったラジオミールだ。

サブマーシブルは独立したシリーズに

ここで「サブマーシブル」について触れておきたい。

1956年、パネライはエジプト海軍の潜水部隊にも、ダイバーズウォッチ「エジプシャン」を供給することとなる。のちの「エジツィアーノ」である。

逆回転防止ベゼルや特大ケースといった特徴を持つこの時計が、現在のサブマーシブルの原型だが、元々はルミノールに属する人気シリーズであった。

2019年に同社CEOに就任したジャンマルク・ポントルエは、派生を重ねて複雑化したパネライのコレクションを、4つに再編成する。

結果として、「ルミノール」「ラジオミール」「ルミノール ドゥエ」、そしてルミノールから「サブマーシブル」を独立させ、単独のシリーズへと進化させたのである。

2019年にコレクションを独立するとともに、ラインナップの拡充を図った「サブマーシブル」。写真はブルーとグレーのコンビネーションが目を惹く「サブマーシブル PAM00959」。自動巻き(Cal.P.900)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約3日間。SS(直径42mm)。30気圧防水。108万円(税別)。