オメガはスイスを代表する高級時計メーカーだ。1848年に時計職人のルイ・ブランが時計工房を設立して以来、高精度でシンプル、独創的なデザインの腕時計を発表している。オメガの中でも、長年にわたり愛され続けている人気モデルを紹介しよう。
オメガの人気モデルと言えば
創業から170年を超える長い歴史の中で、オメガは数々の名品と呼ばれる腕時計を発売してきた。
時計本来の機能は、正確な計時が求められるオリンピックの公式タイムキーパーに採用されたり、アメリカ航空宇宙局(NASA)によって宇宙飛行の使用に認定されたりするなど、世界的な信頼が寄せられているのは言うまでもない。
オメガの人気モデルは、発売当時からデザインや機能が変更されているシリーズが多く、バリエーションが豊富だ。数ある種類の中から人気が高い3モデルを紹介しよう。
初代のリバイバル 「シーマスター 300」

自動巻き(Cal.8400)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径41mm)。30気圧防水。74万8000円(税込み)。
「シーマスター 300」は2014年、初代シーマスターのリバイバルと銘打って発売された。
軍用時計をベースにしたシーマスターの原型誕生が1948年であり、その後、57年には「スピードマスター」や「レイルマスター」とともに「シーマスター 300M」を発売。つまり、初代から半世紀以上の時を経てリニューアルされたことになる。
ベゼルと文字盤は黒で統一され、インデックスとアロー針はすっきりとしたデザインにより視認性を高めている。日付表示が採用されていない点にも、オメガのこだわりが感じ取れる。
シースルーバックからは、マスター コーアクシャルCal.8400を眺められる。1万5000ガウスの耐磁性を備えた、信頼と安定性のあるモデルである。
基幹モデルの「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」

手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SS(直径42mm)。ヘサライトガラス風防。5気圧防水。73万7000円(税込み)。
オメガを代表するマスターシリーズのひとつ「スピードマスター」は、シーマスター、レイルマスターと同じく1957年に誕生した。
NASAの月面着陸計画に採用され「ムーンウォッチ」の名も持つスピードマスターは、年代やシーンを問わないデザインから「オメガの基幹モデル」と言われ、2021年に発表されたばかりの「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」も伝統的なスピードマスターの系譜を受け継いでいる。
シックなブラックのベゼルと中央に配置されたクロノグラフ針が特徴的だ。ムーブメントには新たにコーアクシャル マスター クロノメーターCal.3861を搭載し、1万5000ガウスの磁場にも耐える性能を確保している。
高い防水性能 「シーマスター プラネットオーシャン」

自動巻き(Cal.8900)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径43.5mm)。60気圧防水。74万8000円(税込み)。
「シーマスター プラネットオーシャン」はオメガと海との深い関わりを表す形で、2005年にコレクションに登場した。
2016年にリニューアルした「シーマスター プラネットオーシャン」Ref.215.32.44.21.01.001は、文字盤、ベゼル、ストラップを黒で統一しつつ、6・9・12時のインデックスやベゼル、ラバーストラップに入ったオレンジのラインが鮮やかなアクセントになっている。
なによりも特徴的なのが、60気圧(水深約600m)という高い防水性能。プロの潜水業務で扱われるヘリウムエスケープバルブを付属するなどハイスペックな点も魅力と言えるだろう。
搭載されているCal.8900は、C.O.S.C.(スイス クロノメーター検定協会)、スイス連邦計量・認定局(METAS)などの厳格な基準をクリアしたマスター クロノメーターであり、精密性、堅牢性、耐磁性は折り紙付きだ。