ロレックス エクスプローラーとは?歴史から選び方まで解説

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2022.08.23

ビジネスパーソンともなれば、シーンごとに相応のいでたちが求められる。ロレックスのエクスプローラー(通称 “ エクスプローラーⅠ”)は、あらゆるシーンで活用できるアイテムとして、多くのエグゼクティブが厚い信頼を寄せているモデルだ。その歴史や魅力とともに、おすすめモデルを紹介しよう。

エクスプローラー Ref.124270


エクスプローラーの魅力とは?

社会でキャリアを重ね、ポジションアップを果たすにつれて、それにふさわしい装いも必須となってくる。ロレックスのエクスプローラーはそのようなニーズに確実に応えてくれる逸品と言える。

洗練されたシンプルさ

無駄を排したデザインは、極めてスマートだ。初代モデルが誕生した当時から受け継いでいるものは、カレンダー機構さえ持たない洗練されたシンプルさである。

ダイアルもブラックオンリー、ケースやブレスレットに用いる素材も、2021年にオイスタースチールとイエローゴールドを組み合わせたロレゾールのモデルが登場するまでは、ステンレススティールのみと、徹底してストイックな姿勢を貫き通してきた。

エクスプローラー Ref.124273

2021年に登場した「オイスター パーペチュアル エクスプローラー」Ref.124273。エクスプローラーでは初となる、ロレゾールのモデルである。

後発の兄弟モデルと言えるエクスプローラーⅡの2代目にあたるRef.16550(1980年代登場)にはホワイトダイアルが加えられたが、エクスプローラーはかたくななまでに黒い文字盤とステンレスススティール素材を踏襲してきたのだ。

そこには、開拓精神を持って果敢に前進する探検家には、不要な装飾は不要だという信念が込められているかのように見える。

完成された実用時計

黒のダイアルと、その上にあるシルバーカラーの時・分・秒の各針やインデックスは、優れたコントラストを生んでいる。その結果、生まれる高い視認性は、探検における過酷な状況下にあっても、一瞬で正確な時刻を把握できる。

高い堅牢性と実用的な100mの防水性、優れた精度は、1905年の創業以来、培ってきた信頼性と、今や1年あたり実に100万本ほどのタイムピースを生産する実績に裏打ちされたものだ。

エクスプローラー Ref.124270

夜光塗料「クロマライト」が塗布されたインデックス。

エクスプローラーにはロレックスの他のモデルが装備しているような、動きの滑らかな回転ベゼルやリュウズガードなどは見当たらない。しかし、針とアワーマーカーにはロレックス独自の発光素材を塗布した「クロマライト ディスプレイ」を採用。暗所において、明るく長時間継続するブルーの光を放ち、確実に時刻を読み取ることができる実用性を備え、ユーザーを強力にサポートする。

手が届きやすい価格

本機の魅力のひとつが、ロレックスの中では比較的手が届きやすい価格帯にあることだ。技術革新を積み重ねたことで開発された機械式の自動巻きムーブメントを搭載し、ディテールに至るまで常に進化を続けているロレックスのプロフェッショナルモデルにおいて、エントリーモデルが税込みで80万円を切るという価格は、十分すぎるほどに妥当だ。

そして、長きにわたって品質と価値を維持している点においても、優れたコストパフォーマンスを備えたモデルと言えるのである。


エクスプローラーの歴史

ロレックスのエクスプローラーがシンプルさを極め、実用性を追求するのには理由がある。虚飾を排した本機の歴史を掘り下げることで、改めてその魅力に触れてみよう。

探検家のために作られた腕時計

エクスプローラー

1953年に発表された最初のエクスプローラー。

探検家(エクスプローラー)と名付けられた本機は、フロンティア精神を携え、未開の地を切り拓く勇者を支える腕時計と言える。

生死を懸ける過酷な状況下にあっては、ゆったりと時間を確認するような悠長に構える暇は与えられていない。一瞬で時刻をとらえ、その後のアクションを即座に意思決定しなければならない。

1953年の初代エクスプローラーのデビュー以来、シンプルなデザインのダイアルに、ビッグサイズのアワーマーカーと特徴的な3・6・9のアラビア数字インデックスを配することによって、優れた視認性を追求し続けている。

未踏の地には、闇が広がり、視界が悪いことも想定される。光が十分に届かなくても時間が分かるように、エクスプローラーはファーストモデルから夜光塗料をアワーマーカーと針に用いてきた。現在はクロマライトを塗布したアワーマーカーと針を採用することで、いっそう優れた視認性の確保を可能にしているのである。

エベレスト登頂に成功した功績

エドモンド・ヒラリー、テンジン・ノルゲイ

人類初のエベレスト登頂を果たしたエドモンド・ヒラリー(左)とテンジン・ノルゲイ(右)。ヒラリーは登頂後、エリザベス女王からサー(卿)の称号を賜る。

エベレスト登頂に憧れる冒険家は多い。そしてロレックスは、人類が初登頂を実現する以前から、イギリスの登山隊をサポートしてきた時計ブランドとして知られている。

ニュージーランド出身の登山家・探検家であるエドモンド・ヒラリー(1919-2008)とネパール人シェルパのテンジン・ノルゲイ(1914-1986)がエベレストの初登頂を果たしたのは1953年5月29日のことだが、ロレックスはこのときも装備品として腕時計を提供していた。

そして、約8848mという世界最高峰に人類が初めて立ったことを記念し、歴史的偉業をたたえるべく発表されたモデルがまさにエクスプローラーなのだ。

エベレストの頂きを制したニュースとともに、エクスプローラーの名も世界中へと広がっていった。耐久性や堅牢性といった確かな品質を、世界に知らしめることとなったのである。