2021年 カルティエの新作時計まとめ

FEATURE2021年新作時計
2021.04.08

クロシュ ドゥ カルティエ

クロシュ ドゥ カルティエ

Olivier Arnaud © Cartier

 カルティエの伝説のタイムピースに焦点を当てた「カルティエ プリヴェ」の5作目として、「クロシュ ドゥ カルティエ」が追加された。この特徴的な形状は1920年のウォッチブローチで初めて見られたもので、「クロシュ」の名は鐘を意味する。あらゆるフォルムに美を見出すことを特徴とするカルティエの中でも、「クロシュ」は特に珍しいデザインを持つ。鐘上部の丸みをケースに取り入れて右向きに配し、リュウズは鐘を吊り下げるための突起を模している。リュウズ方向に12時のインデックスを配し、着用時には腕の延長線上で時刻を読む独特のスタイルとなる。時分針の回転中心をリュウズ側に寄せることで、ストラップを用いて着用した際のアシンメトリーなフォルムを際立たせたデザインとしている。ここに、ケース形状にならったレイルウェイトラックとインデックスのローマ数字が調和するように配置されている。また、卓上にリュウズを上向きに立ててクロックとして使用した際にも、クロックとしてのデザインバランスにも優れる点は、カルティエのフォルムに対する審美眼が光っている。18Kイエローゴールドと18Kピンクゴールドのモデルのリュウズにはサファイアカボション、プラチナのモデルにはルビーカボションがクローズド セッティングされ、オリジナルモデルに見られるポリッシュ仕上げのバネ棒やケースサイド、サテン仕上げの文字盤を備える。搭載するのは2019年に発表された手巻きのCal.1917 MCである。それぞれのモデルは世界限定100本用意され、それぞれに個別の製造番号が与えられる。

クロシュ ドゥ カルティエ

© Cartier
カルティエ「クロシュ ドゥ カルティエ」
手巻き(Cal.1917 MC)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約38時間。18KYG(縦37.15×横28.75mm、)。世界限定100本。予価320万7600円(税込み)。




クロシュ ドゥ カルティエ

クロシュ ドゥ カルティエ

© Cartier
カルティエ「クロシュ ドゥ カルティエ」
手巻き(Cal.9626 MC)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約38時間。Pt(縦37.15×横28.75mm)。世界限定50本。予価811万8000円(税込み)。

 カルティエのタイムピースのシグネチャーのひとつであるスケルトンを、「クロシュ ドゥ カルティエ」の斬新なフォルムに適合させたスケルトンモデルが追加された。"12"、"3"、"6"、"9"のローマ数字とバーインデックスのみを残し、ダイアルおよびムーブメントをスケルトン化。ムーブメントはCal.1917 MCをベースに、スケルトン化したデザインに調和するように歯車を繊細な網状のものとした手巻きのCal.9626 MCを搭載する。18Kピンクゴールドのモデルのリュウズにはサファイアカボション、プラチナのモデルにはルビーカボションを配し、それぞれ世界限定50本が用意され、個別の製造番号が与えられる。ケースにダイヤモンドを配するモデルは、ケース、リュウズ、バックルに至るまでダイヤモンドを配しており、特別なモデルに輝きを添えている。世界限定20本が用意され、こちらにも個別の製造番号が与えられる。




レプティリス

レプティリス

© Cartier
カルティエ「レプティリス」
クォーツ。18KWG(縦12.8×横14.6mm、厚さ6.6mm)。2508万円(税込参考価格)。

 ダイヤモンドを用いた伝統的なイヴニングジュエリーのスタイルを引き継ぐ「レプティリス」が追加された。贅沢なプロケードのように、パヴェダイヤモンドをあしらったヘリンボーンモチーフが連なり、プリンセスカットのダイヤモンドがその両脇に並ぶ本作。可動性のある鱗のような装飾が、連結構造のブレスレットを織りなし、しなやかに手首に沿うようにデザインされている。センターに配されたダイヤルは、双方から続く幾何学模様が連続して重なり合うことで生まれる長方形によって区切られており、ブレスレットとの調和が取られている。スネークからインスピレーションを受けた本作は、ダイヤモンドによる輝きの中でうねりを見せる、センシュアルな魅力を引き出している。




ロザリー

ロザリー

© Cartier
カルティエ「ロザリー」
クォーツ。18KWG(直径17mm、厚さ8.26mm)。1716万(税込参考価格)。

 時を知るためのイヴニングジュエリーに相応しい「ロザリー」。ウォッチとジュエリーの境界線を消すことを標榜した本作には、ウォッチメーカーである前にジュエラーであるカルティエの審美眼と技術が注がれている。膨らみを持たせたパヴェストーンの円形とDLCコーティングによる小さなブラックの正方形の描き出すライン、ふたつのフォルムの刻む一定のリズムが、アールデコを想起させる。連続する幾何学的な美しさをもつブレスレットと、ダイアルの中心までふんだんにあしらったパヴェセッティングの豪華さから、どの角度から見てもグラフィカルな表情を楽しむことができるものに仕上がった。




パンテール ソンジューズ

パンテール ソンジューズ

© Cartier
カルティエ「パンテール ソンジューズ」
クォーツ。18KWG(直径28.4mm、厚さ7.8mm)。世界限定30本。1861万2000円(税込参考価格)。

 1914年にスポッツモチーフとして取り入れて以来、カルティエのシグネチャーとなったパンテールを、プレシャスウォッチ「パンテール ソンジューズ」として表現した。ケース12時位置に身を預けるような姿勢のパンテールを配置。パヴェセッティングされたダイヤモンドや瞳に施されたエメラルドなどによって、生命感や魅力を表現している。パヴェセッティング ダイヤモンドをダイアル全面にあしらったモデルは、ブラックのアリゲーターストラップと、ブリリアントカットのダイヤモンドを配したブレスレットが用意される。さらにもう1本、ケースとダイアルがシャンルベエナメルで彩られたモデルもラインナップ。グラデーションの美しい滑らかな質感を持つシャンルベエナメルは、メゾン デ メティエダールの高い技術力を持った職人が、最高レベルの集中力を持って仕上げたものである。なお、こちらは世界限定30本だ。




ベニュワール タートル

カルティエ リーブル ベニュワール タートル

Maud Remy-Lonvis © Cartier
カルティエ「ベニュワール タートル」
クォーツ。18KWG(縦32.39×横25.47mm、厚さ7.57mm)。世界限定30本。予価937万2000円(税込み)。

 カルティエを象徴するフォルムのウォッチに焦点を当てる「カルティエ リーブル」の3作目として、アニマルモチーフを取り入れたふたつのモデルが追加された。「ベニュワール タートル」は、2019年に再登場した「ベニュワール」のデザインを元に、亀(フランス語ではトーチュ)の甲羅を時計全体で表現した作品だ。甲羅を連想させる丸みを帯びたなめらかなストーンと、パヴェダイヤモンドがふんだんに使用される。ダイヤモンドがセットされたダイアルと、そこに引かれたチャコールグレーまたはブラックのラインが高いコントラストを成し、全体の印象を引き締めた。幾何学的に配した鱗のモチーフや、ケースを縁取る丸みを帯びたツァボライト、六角形の角にセットしたサファイアなど、ジュエラーとしての感性がこの中に発揮されている。

カルティエ リーブル ベニュワール タートル

Maud Remy-Lonvis © Cartier