2021年 アーノルド＆サンの新作時計まとめ

超薄型トゥールビヨン ドラゴン＆フェニックス

　それぞれ異なる鉱石をダイアルに用いた5モデルの「超薄型トゥールビヨン ドラゴン＆フェニックス」が追加された。中国道教の世界において、ドラゴンとフェニックスは共に、神秘的な力を持つ真珠を作りだす存在である。そのエピソードの中に、天から落下した真珠を共に掴もうとする様が描かれており、今作はそれを模ったものとなる。12時方向にオフセットされた時分表示のダイアルと6時位置に配置されたトゥールビヨンを真珠に見立てており、その両脇にドラゴンとフェニックスを配している。背景部分には5モデルそれぞれに異なる鉱石が用いられている。ブロンザイト、ユージアライト、マーカサイト、ピーターサイト、ヴァーダイトである。これらは知名度が低く、これまで時計のダイアルに用いられた例はほとんどなかった。アーノルド＆サンは、深い表面効果を持つ着色鉱物であるこの5種類の鉱石に着目し、その特徴が良く表れた部分を厳選してダイアルに用いている。今作は、フライングトゥールビヨンを搭載するムーブメントとして特に薄型のCal.A&S8200を搭載する。ケースバックから見えるプレートには、ケージの回転中心から放射状にストライプが施されており、その動作を際立たせるものとなっている。各モデル世界限定5本となる。

パーペチュアル・ムーン “丑の年”

　2021年の丑年を記念して「パーペチュアル・ムーン “丑の年”」が追加された。ダイアルには、ブラックを基調として層状に銀色の輝きが現れるスペキュラーヘマタイトを使用している。ダイアルの中央には、金彫刻による巨大な角を持つ水牛と、金粉による塔の風景が描かれている。ベースとなるのは「パーペチュアル・ムーン」で、最大の特徴はダイアル12時側のほぼ半分を占めるムーンフェイズ表示である。大きく描かれた月は、マザー・オブ・パール製で月面の影が描き込まれており、その上をスーパールミノバでコーティングされている。暗闇ではこのムーンディスクとディスク上の星座、そして手描きの塔の窓が光を放つ。