今、パルミジャーニ・フルリエを買う理由。アイジュエリー・ウマキ岡山店の新設ブランドコーナーでその魅力を知る

FEATUREその他
2022.03.29

修復不可能とされた歴史的名機や複雑時計を卓越した職人技で次々と現代よみがえらせ、“神の手を持つ時計師”と呼ばれるミシェル・パルミジャーニ。

彼が1996年に創立した自身の名を冠したブランド、パルミジャーニ・フルリエ。自然界を支配する黄金比に魅せられ、その法則を時計デザインに取り入れることで、独自の世界観を持つに至った同ブランドは、2020年に「トンダ GT」を発表して以降、知る人ぞ知る独立時計師ブランドの枠を大きく超えて、その人気と稀少性にますます拍車がかかった。

その独自の世界観と充実のラインナップを体感できる空間が岡山に誕生した。岡山を代表するウォッチ&ジュエリーショップ「アイジュエリー・ウマキ岡山店」内に設えられたパルミジャーニ・フルリエ最新コンセプトのコーナーの魅力を、アイジュエリー・ウマキ常務取締役の羽澤健太氏に語ってもらった。

アイジュエリー・ウマキ岡山店

「アイジュエリー・ウマキ岡山店」の2階フロアに誕生した、新デザインとしては世界初となるパルミジャーニ・フルリエのコーナー。
奥田高文:写真 Photographs by Takafumi Okuda
渋谷ヤスヒト:文 Text by Yasuhito Shibuya
2022年3月30日公開記事


奇跡を成し遂げた「伝説の時計師」ブランド

 時計愛好家にとって、パルミジャーニ・フルリエは、常に気になる存在だ。独自の哲学に基づいた、独自のディテールを持つ製品は、時計業界でも最高峰の評価を受けている。だがその魅力を自分自身で確かめることは、稀少なブランドだけになかなかに難しい。何とも悩ましい存在でもある。

ミシェル・パルミジャーニ

左は、歴史的な時計の修復を始めた若かりし日のミシェル・パルミジャーニ。1996年には「パルミジャーニ・フルリエ」ブランドを創立し、高級時計の世界において独自の地位を築いてきた。右は、ブランドの顔として活躍する現在のミシェル・パルミジャーニ。

 時計師のミシェル・パルミジャーニは1976年、クォーツ時計が世界の時計市場を席巻する中、26歳で地元スイスのヴァル・ド・トラヴェール地方の街に小さな工房を設立し、歴史的な文化遺産であるオートマタやクロックの修復、さらに時計コレクターのためのユニークピースの製作を開始した。そして1980年代以降、サンド・ファミリー財団が所有するロシア・ロマノフ王朝の秘宝「イースターエッグ」や、修復不可能とされていた歴史的なオートマタやクロックなど、歴史的名品のレストアを成し遂げ、その名を一躍世界に知らしめた。そして顧客だったサンド・ファミリー財団の支援を受け、1996年にミシェル・パルミジャーニがスタートさせたのが、自身のファミリーネームと工房の所在地の名を冠したブランド「パルミジャーニ・フルリエ」である。

ミシェル・パルミジャーニが修復を手掛けた時計。(左)扇形表示を持つ懐中複雑時計。(中)引き金を引くとシンギングバードがピストルから飛び出てさえずるピストル型オートマトン。(右)ミシェル・パルミジャーニが修復したオーバル型のシェイプに沿って時分針が伸縮する懐中時計と、それをモチーフに自身で製作した腕時計。

 修復を通じ、過去の有名無名の天才時計師たちと時空を超えて「対話」し、その美学や精神を継承。1996年のブランド創立から、フィボナッチ数列や黄金比を取り入れた独自のデザインやメカニズムの時計を作り続けてきた。

 そんなパルミジャーニ・フルリエは、2000年頃から自社でのウォッチメイキングをより理想的な形で行うべく、各パーツサプライヤーの垂直統合を開始した。ムーブメント関係ではエボーシュの販売で有名な「ヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエ」をはじめ、脱進調速機の製造を行う「アトカルパ」やムーブメント用ネジの製造を手掛ける「エルウィン」を。外装関係ではケースメーカーの「レ・アルティザン・ボワティエ」や文字盤製作を担う「カドランス&アビヤージュ」を傘下に収めており、今や95%以上のパーツをグループ内でまかなっている。パルミジャーニ・フルリエは名実ともにマニュファクチュールなのである。


ブランドの最新コンセプトを世界に先駆けて導入

アイジュエリー・ウマキ岡山店

ガラスを通して差し込む豊かな自然光と贅沢な大理石のフロアが織りなす光溢れる店内。エントランス正面奥のエレベーターや左のスタイリッシュな折り返し階段を上がり、奥に進んで、さらに右手奥にその空間、パルミジャーニ・フルリエのコーナーはある。

 ただ残念ながら、これまでは「知る人ぞ知る」プレミアムな時計ブランドであり、年間生産本数も数千本と少なく希少なため、その製品や世界観に接することのできるチャンスは、ミシェル・パルミジャーニ本人を迎えてのイベント開催などしかなく、実際に製品を手にして、その魅力を実感できる店舗は日本国内にはほとんどなかった。

 ところが、パルミジャーニ・フルリエのさまざまな製品を、その独自の世界観とともに感じることができる空間が岡山に誕生した。岡山を代表するウォッチ&ジュエリーショップ「アイジュエリー・ウマキ岡山店」だ。

アイジュエリー・ウマキ岡山店

この店舗デザインが導入されたのは何と世界初。スイスのヴァル・ド・トラヴェール地方にあるパルミジャーニ・フルリエ本社が企画した最新コンセプトを体現したもの。品揃えも驚きの充実ぶりだ。ラグジュアリースポーツウォッチとして2020年夏の発売以来、世界中で人気が沸騰している「トンダ GT」や、よりドレッシーなバージョンの「トンダ PF」はもちろんのこと、ブランドの正統派とも言えるトノー型の「カルパ」やラウンド型の「トリック」コレクションも取り揃えられる。

トンダ GT

2020年に発表され今や入手困難な「トンダ GT」に次いで、ブランド創立25周年記念の2021年に発表された「トンダ PF」コレクション。ラグジュアリースポーツウォッチ寄りの「トンダ GT」に対して、同じケースとブレスレットを持ちながらもよりドレッシーなスタイルが特徴の「トンダ PF マイクロローター」。文字盤からはブランド名が省かれ、シンプルに「PF」のロゴのみとなった。トランスパレントバックからはマイクロローター式自動巻きのムーブメントCal.PF703を鑑賞できる。自動巻き(Cal.PF703)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径40mm、厚さ7.8mm)。100m防水。258万5000円(税込み)。(問)パルミジャーニ・フルリエ pfd.japan@parmigiani.com


「私自身が欲しい」時計ブランド

 スイスから遠く離れた日本で、世界に先駆けて、このパルミジャーニ・フルリエの特別な空間を実現し、「今こそパルミジャーニ・フルリエを」と語るのが、アイジュエリー・ウマキの常務取締役、羽澤健太氏だ。

羽澤健太

アイジュエリー・ウマキ常務取締役の羽澤健太氏。「パルミジャーニ・フルリエを今、お客様にオススメする理由。それは私自身が本気で素晴らしいと思う時計だからです。時計業界に入って十数年間。これまでいろいろな時計に触れてきましたが、パルミジャーニ・フルリエはそんな自分が『本気で欲しい時計』です。『カッコいい大人の時計』として、自信を持っておすすめします」と語る。

 アイジュエリー・ウマキがパルミジャーニ・フルリエの取り扱いを開始したのは2018年12月のこと。当初は「おとなしいデザインの時計だな」と思ったという。だが、ミシェル・パルミジャーニ氏が数年前に来日した際、本人と会食。その揺るぎない時計作りの姿勢、常に最善を追求する哲学、製品に込められた妥協なき質の追求と独自の想い入れ、さらに人間的な魅力に大きく感銘を受けたという。その“おとなしさ”こそが、パルミジャーニ・フルリエが掲げる独自性と先進性を尊重した、メゾンの精神なのだ。

「奥深いだけに、その魅力ははっきりとは『分かりにくい』かもしれません。でも知れば知るほど『良いブランドだ』『お客様にぜひおすすめしたい』と思うようになりました。いわゆるスイス3大ブランドにはない魅力と、同等以上の価値があると思います」

 パルミジャーニ・フルリエの時計には、お客様に伝えたいことが山ほどある。もっと勉強してもっと伝えたいと羽澤氏は言う。

「パルミジャーニ・フルリエの取り扱いを初めて3年あまりになりますが、その良さを分かってくださるお客様、ファンになったとおっしゃるお客様も増えてきました。特に『トンダ PF』が発売されて以降、この半年ほど前からは『パルミジャーニ・フルリエの時計を見たい』と訪れる方が増えました。他人と違う素晴らしい時計を着けたい。そんな大人のお客様に、これからもその魅力をお伝えし、喜んでいただきたいと思います」


アイジュエリー・ウマキ岡山店 店舗情報

〒700-0945
岡山県岡山市南区新保 1604-1
TEL:086-244-5888
営業時間:11:00~20:00(月〜金)、10:30~20:00(土、日、祝)
定休日:火曜日

Contact info:パルミジャーニ・フルリエ pfd.japan@parmigiani.com


パルミジャーニ・フルリエ創業25周年を記念するユニークピース「ラ・ローズ・カレ」が披露

https://www.webchronos.net/news/75399/
パルミジャーニ・フルリエ「トンダ」にまつわる名前の由来を探る

https://www.webchronos.net/features/58251/
高級時計が製造されるまで〜パルミジャーニ・フルリエを支える工房〜(外装編)

https://www.webchronos.net/features/37950/