水深1万mに到達した“初代ウルトラディープ”の設計を受け継ぐオメガ「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」

FEATURE本誌記事
2022.04.20

2019年の探査プロジェクトで史上最大深度に達したオメガの特殊時計「ウルトラディープ」。その基本設計を受け継ぎつつ、ケースサイズが完全刷新されたニューモデルが登場した。

シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ

シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ
最大深度到達記録を持つ“初代ウルトラディープ”の設計を色濃く受け継ぐグレード5チタンモデル。ラグの先端を内側に折り曲げるように延長した、通称「マンタラグ」はこのモデルだけの特徴。ポリアミド製のNATOストラップを装着。自動巻き(Cal.8912)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。グレード5チタン(直径45.5mm、厚さ18.12mm)。6000m防水。157万3000円(税込み)。
星武志:写真 Photographs by Takeshi Hoshi (estrellas)
鈴木裕之:文 Text by Hiroyuki Suzuki
[クロノス日本版 2022年5月号掲載記事]


プロスペックの壁を打ち破る新生ウルトラディープ

シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ

シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ
オメガ独自のSS素材をケースに使った、エクステンション付きのブレスレット仕様。自動巻き(Cal.8912)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。O-MEGAスティール(直径45.5mm、厚さ18.12mm)。6000m防水。147万4000円(税込み)。

 潜水艇パイロットを務める冒険家ヴィクター・ヴェスコヴォの発案で、2019年に実施された、五大洋すべての最深部に挑む有人探査プロジェクト「ファイブ・ディープス」。マリアナ海溝へのアタックでは深度1万935mを記録し、従来の最大深度到達記録が大きく塗り替えられた。

 その際、潜水艇のロボットアームには、オメガが製作した「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ プロフェッショナル」が装着されていた。それから3年を経て、オメガはその特殊時計をリメイク。最大深度到達を念頭に盛り込まれた特殊な設計を活かしつつ、人間の腕にもフィットする直径45.5mmのケース径と6000mの防水性能、そしてまったく新しい飽和潜水環境への対応が実現された。

シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ

 新しい「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」の中で最もプロユースを意識させるのは、グレード5チタン製のケースを持つNATOストラップ仕様だ。このモデルだけに盛り込まれた通称「マンタラグ」は、従来のバネ棒やフィックスドバーに替わり、ラグの先端部をそのまま延長するような造形が与えられている。マンタラグの中央に設けられた切り欠きは、大深度での水圧を効果的に逃がすための配慮だ。

 また新しいウルトラディープにはエスケープバルブが設けられていないが、侵入したヘリウムの膨張による内圧対策は、初代ウルトラディープから受け継がれた円錐断面のサファイアクリスタル風防が受け持つ。風防強度を大きく高めることで、外圧/内圧の双方に耐えるという設計だ。一方、ブレスレットモデルのケースは、独自素材のO-MEGAスティール製だが、直接肌に触れるケースバックのメダリオン部分は、グレード5チタン製となる。



Contact info: オメガお客様センター Tel.03-5952-4400


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