ラドー 冒険のフィールドを拡大させるハイテクセラミック

FEATURE本誌記事
2022.08.11

1962年誕生のダイバーズウォッチを再解釈した「キャプテン クック」は、ヴィンテージルックとモダンな要素を併せ持つコレクションだ。その最新作は、ラドー初となるISO6425準拠の本格ツールウォッチである。

キャプテン クック プラズマ ハイテクセラミック ダイバー

キャプテン クック プラズマ ハイテクセラミック ダイバー
プラズマ処理を施したハイテクセラミックは、表面仕上げの違いによって別素材のようになる。金属光沢のあるブレスレットの中ゴマがその好例だ。自動巻き(Cal.R763)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。プラズマ ハイテクセラミック×Ti(直径43mm、厚さ14.6mm)。300m防水。46万6400円(税込み)。
Photographs by Masanori Yoshie
Edited & Text by Kouki Doi (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2022年9月号掲載記事]


ハイテクセラミックを使用した本格ツールウォッチ

キャプテン クック ハイテクセラミック ダイバー

キャプテン クック ハイテクセラミック ダイバー
ブラックで統一された本作の見どころは表面処理の違いだ。ケース本体とブレスレットの外ゴマはマット仕上げ、ベゼルインサートと中ゴマは鏡面仕上げだ。自動巻き(Cal.R763)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。ハイテクセラミック×Ti(直径43mm、厚さ14.6mm)。300m防水。45万9800円(税込み)。

 “マスター オブ マテリアル”と称されるラドーは、新素材の開発に余念がないブランドだ。得意とするのはセラミックス技術で、形状や色など豊かな表現力は時計界では突出している。1986年、腕時計の外装に初めて高硬度の独自素材「ハイテクセラミック」を採用して以来、約40年間にわたって研究開発を継続してきた。

 ラドーがその“集大成”だと公言するのは、ハイテクセラミックを外装部品に使用した「キャプテン クック ハイテクセラミック ダイバー」と「キャプテン クック プラズマ ハイテクセラミック ダイバー」。いずれもブランド初となるISO6425に準拠する本格ダイバーズウォッチで、300mの防水性能を備える実用機である。

 2本の大きな違いは単にカラーリングだけではない。セラミックスらしい質感のブラックに対し、グレーは金属のような光沢を持っている。これがモデル名にもある「プラズマ」の実力で、原材料を焼成した後、人工的に物質の組成を変えることができる特殊な炉に入れてプラズマ処理を行うことで、メタリックな質感を実現した。低アレルギー性で高い耐久性を持ち、金属と比較して軽く、色あせない素材のメリットを最大限に活かしたのが、このキャプテン クックなのだ。

キャプテン クック ハイテクセラミック ダイバー

軽量なチタン製のケースバックはオリジナルを踏襲し、2匹のタツノオトシゴがあしらわれている。一体成形のモノブロック構造を取り入れることで、ケース全体の強度を向上させた。ケース径43mm、厚さ14.6mmと大型だが、重心を低く設計しているため快適な着用感をもたらす。

 また、共通して搭載するムーブメントは、約80時間のパワーリザーブを持つキャリバーR763。磁気の影響を受けにくいニヴァクロン製ヒゲゼンマイは、実用性のさらなる向上に貢献する。操作しやすい大型のベゼルやボックス型の風防、サンレイ仕上げのボンベダイアル、赤く記された日付表示などはオリジナルを踏襲。ヴィンテージを継ぐデザインと現代の技術を融合させた、冒険者の手元を飾る新時代のツールウォッチである。



Contact info: ラドー/スウォッチグループ ジャパン Tel.03-6254-7330


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