世界で1本の時計が作れる「MY G-SHOCK」がスタート1周年! 開発チームに聞くカスタマイズの“面白さ”

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2023.04.02

「アブソリュート・タフネス(究極のタフネス)」で、時計の世界で独自の、しかも不動のポジションを確立したカシオの「G-SHOCK」。スクエアデザインの5600シリーズをベースに、パーツを組み合わせることで自分好みの“G-SHOCK”が作れるオンライン・カスタマイズウォッチサービス「MY G-SHOCK」が、2021年10月20日のスタートから1周年を迎える。改めてその魅力を、開発チームにスタート間もなく行った取材で聞いた話を交えてお伝えしたい。

MY G-SHOCK

渋谷ヤスヒト:文 Text by Yasuhito Shibuya
(2023年4月2日掲載記事)


「気分がアガる」百数十万通りのカスタマイズ!

 自分だけのG-SHOCKが作れる「MY G-SHOCK」サービスは、G-SHOCKの原点にして定番であるスクエアデザインのDWE-5600シリーズをベースに、①ベゼル、②フェイス、③バンド(ショートバンド or ロングバンド)、④ループ(シングル or トリプル)、⑤バックルを選んでカスタマイズしてオーダー。自分だけの特別な「G-SHOCK」が購入できるサービス。

 価格は構成するパーツの価格が異なるため、カスタマイズの種類で変わるが、1万5400円〜1万9800円(10月10日時点で)。カスタマイズのバリエーションは、期間限定の選択肢もあるので常に変動しているが、百数十万通り以上! 用意される選択肢は、ベゼルやバンドもループもカラフルなものがたくさん。それだけでも気分がアガる。

MY G-SHOCK

 この「自分だけのG-SHOCK」の作り方は、G-SHOCKの公式サイトにある「MY G-SHOCK」のバナーをクリックして「MY GSHOK」のトップベージ(https://www.casio.com/jp/watches/mygshock/)に飛び、そのページの下に現れる気になるモデルをどれかひとつクリックすれば、すぐにカスタマイズが始められる。

 カスタマイズの途中で、考えた組み合わせをいくつも保存しておくこともできるから、一気にオーダーまで進む必要はない。時間のあるときに比較検討がゆっくりできる。納期はオーダーから3〜5週間後。このサービスのために開発された、ペーパークラフトとしても楽しめる特別なパッケージで届けられる。「CASIO ID」登録をすれば無料になるのもうれしい。

MY G-SHOCK

MY G-SHOCK専用のボックスおよびパッケージ。外箱がペーパークラフトになっていることにも注目。


著名人や社内デザイナーのカスタマイズ例も購入可能

 またトップページには、スペシャルムービーや、V-Tuberやタレント、デザイナーやスポーツ選手がカスタマイズした「MY G-SHOCK」とそのコメントがいくつも紹介され、しかもそのモデルを購入することもできる。

 さらにヴァケーション、アウトドア、パーク、キャンピングギア、ジャングル、フィットネス、アドヴェンチャー、ハザードなど、テーマに合わせたカスタマイズモデルも用意。

 さらにカシオのG−SHOCKプロダクトデザイナーがカスタマイズした「MY G-SHOCK」は、さすがデザイナーの色使いという技アリの組み合わせばかり。コメントがあっさり1行なのがちょっと残念だが、もちろんこちらもその組み合わせを購入できる。


新規のG−SHOCKファンを増やしたい!

 ところで、カシオはなぜこの「MY SHOCK」サービスをスタートさせたのだろうか?

「G-SHOCKという存在をもっと若い人に知ってほしい。新しいG-SHOCKのファンを増やしたい。それがMY G-SHOCKを立ち上げた理由です。製品ユーザーも高齢化してきて、若い人でもG-SHOCKを知らない人が増えている。この現実を何とかしないと、という危機感もありました」と、この企画の責任者は語る。

 確かに1983年にデビューしたG-SHOCKは価格も手頃なこともあって、まず世界中の若者たちの間でファッションアイテムとして人気になった。やがてその世代その魅力が大人世代に拡大したのだ。

MY G-SHOCK

 オンラインでカスタマイズモデルを作って購入できるサービスは、スニーカーを筆頭にあらゆるアイテムで、時計でも今や当たり前ともいえるサービス。しかも、自分のカスタマイズした時計を着けた写真をInstagramにアップして公開する。そんなサービスをすでに行っているブランドも珍しくない。

 ここにあるのは「モノをメディアにして楽しむ」感覚、「モノで遊ぶ」文化。今は世代を問わずこの感覚、文化を楽しむ土壌ができている。カスタマイズスニーカーよりずっと価格が手頃なG-SHOCKがこの手法を取り入れるのは、むしろ遅すぎたと言ってもいい。

「カスタマイズモデルを作れるサービスがほしい」というカスタマーの声は以前から寄せられていたという。また、独自に企画したカスタマイズパーツを販売するサードパーティもある。

 つまりカスタマイズのニーズがすでにあり、外部でビジネスとして成立していたのだ。だがそれは、製品にカバーを被せるとか、そのような形にしかならない。それでは物足りない。カスタマイズG-SHOCKのニーズは「自分だけのG-SHOCK」だけではない。ペアウォッチのニーズやプレゼント用のニーズもある。