仕事や家庭、その他さまざまなこと。大なり小なり多くの経験を経た50代のメンズたちにおすすめしたいブランドと腕時計を紹介する。若い世代にはミスマッチ、50代だからこそ着けこなせる5つの腕時計と押さえるべき選び方のポイントも解説する。
年齢にふさわしい時計とは
50代男性におすすめの腕時計を紹介するわけだが、年齢にふさわしい腕時計とは何かあらためて考えたい。人によってはこれまでに何本かの腕時計を手にしてきただろうが、20代の時に購入した腕時計が現在の自分にもフィットするかというと、そうとは言い切れないだろう。
というのも、大抵は20代の頃と比べて体型も違えば肌の質感も変わり、身に着ける服や小物など趣味嗜好も少なからず変化しているからだ。くわえて、若い頃とさまざまな経験を重ねてきた50代とでは、醸し出す雰囲気や周囲からの印象もがらりと変わる。20代、30代だからこそ似合う腕時計があるように、50代の今だからこそ着けこなせる腕時計を選ぶ必要があるのだ。
50代メンズにおすすめの腕時計ブランド
早速だが、50代男性におすすめの腕時計ブランドを5つご覧いただこう。あわせて、各ブランドの中でもおすすめしたいコレクションやモデルも紹介する。
ロレックス
腕時計に明るくない人でも知らない人はいないであろうロレックス。人気モデルを数多く発表し、男性にとって憧れブランドのひとつだ。最近では女優・川口春奈がプライベートでメンズモデルを愛用していると話題になり、女性からの注目も集めている。

自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。Ptケース(直径40mm)。100m防水。
とりわけデイデイトは「成功者の定番時計」と呼ばれ、男性の憧れかつ高い人気を誇るコレクションだ。1956年に誕生したデイデイトは、3時位置に日付表示、12時位置にフルスペルの曜日表示を配している。インデックスや文字盤のカラーも豊富だが、やはり定番はブルーダイアルとホワイトダイアルだろう。やはりオン/オフ問わず手に取れる万能さや、流行に左右されないデザインは60代以降も活躍する。クラシカルで紳士的なデイデイトは、大人の男性だからこそ映えるコレクションだ。
ヴァシュロン・コンスタンタン
「雲上ブランド」、そう呼ばれるヴァシュロン・コンスタンタンは、世界3大時計ブランドのひとつであり、他2ブランドを凌ぐ270年近い歴史を誇る。雲上ブランドたるゆえんは、価格もそうだが圧倒的な伝統にも言えるだろう。

自動巻き(Cal.2450 Q6/3)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KPGケース(直径40mm)。3気圧防水。411万4000円(税込み)。(問)ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755
マルタやヒストリーク、オーヴァーシーズなど人気コレクションを多数展開しているが、とくに「パトリモニー」は洗練された品の良さが魅力だ。1950年代に誕生したパトリモニーは、ミニマリズムに重きを置きつつもアプライドインデックスによる立体感や直線と曲線の調和が美しく穏やかな印象を漂わせる。
パテック フィリップ
ヴァシュロン コンスタンタンと同じく世界3大時計ブランドに数えられるパテック フィリップ。パテック フィリップと言えば、2021年にニューヨークで開催されたオークションにてティファニーブルーダイアルのノーチラスが7億円もの価格で落札。加えて、別のオークションでは幻とも言われるオリーブグリーン・ソレイユダイアルのノーチラスの出品も時計愛好家やコレクターたちの間で注目を集めた。

自動巻き(Cal.26-330 S C)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。18KWGケース(直径40mm、厚さ8.53mm)。3気圧防水。541万2000円(税込み)。(問)パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター Tel.03-3255-8109
ノーチラスも要注目だが、今回おすすめしたいのは「カラトラバ」だ。ブランドの象徴かつドレスウォッチの定番としても広く知られている。多様なデザインを展開しているが、2022年に発表された5226Gは、ヴィンテージ感溢れるデザインが特徴的。プライベート用におすすめしたい1本だ。
ブレゲ
ブレゲは、時計史を語るうえで欠かせないブランドだ。創業者のアブラアン-ルイ・ブレゲは「時計の進化を200年早めた」とまで言われるほどで、機械式時計の機構の約7割を発明したという説もある。加えて、携帯用時計といえば懐中時計が主だった時代に「腕時計」を考案したのもブレゲだと言われている。

自動巻き(Cal.502.3)。35石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約45時間。18KRGケース(直径38mm)。3気圧防水。286万円(税込み)。(問)ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211
展開されているコレクションは、どれもブレゲのエッセンスが入った唯一無二のデザインばかりだ。すべておすすめしたいところだが、今回はブレゲの息吹を強く感じられるクラシックコレクションを紹介しよう。とくに注目すべきはダイアルデザイン。伝統的なデザインの中にブレゲが考案したブレゲ数字やブレゲ針のほか、ブレゲが初めての時計の装飾に採り入れたとされるギヨシェ文字盤など繊細な装飾が光るコレクションである。
グランドセイコー
言わずと知れた日本が世界に誇る時計ブランド、グランドセイコー。「最高の普通」をコンセプトに実用的で硬派なデザインが魅力だ。シンプルでスタンダードではあるが、日本産らしい繊細かつ丁寧な時計づくりによる品質の高さは世界中で高い評価を得ている。

手巻きスプリングドライブ(Cal.9R31)。30石。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40mm、厚さ10.5mm)。10気圧防水。103万4000円(税込み)。(問)グランドセイコー専用ダイヤル Tel.0120-302-617
ヘリテージコレクションは、実用時計の正統派とも言えるシンプルさが特徴だ。2017年の登場から現在まで、人気が衰えることのないロングセラーモデルで日本国内だけでなく海外にもファンが多い。和紙のような積雪の表面のような、ニュアンスのある文字盤には日付表示とパワーリザーブ表示を備えている。価格も80万円ほどと前出のコレクションに比べて手に取りやすく、グランドセイコーのエントリーモデルとしてもおすすめできる1本である。

自動巻きスプリングドライブ(Cal.9R65)。30石。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径41mm、厚さ12.5mm)。10気圧防水。81万4000円(税込み)。(問)グランドセイコー専用ダイヤル Tel.0120-302-617