ラトラパンテを搭載する「1815ラトラパント・ハニーゴールド”F.A.ランゲへのオマージュ”」を工房創立175周年の節目に発表

NEWSニュース
2020.09.29

F.A.ランゲの工房設立175周年を記念し、A.ランゲ&ゾーネは3種類の記念モデルを発表した。そのうちの1種類が「1815ラトラパント・ハニーゴールド”F.A.ランゲへのオマージュ”」である。初めてハニーゴールド製ケースとシルバー無垢製のブラックダイアルを組み合わせたこのモデルは、同社初の純粋なラトラパントクロノグラフでもある。世界限定100本、ブティックのみで販売され、発売予定時期は2020年11月だ。

1815ラトラパント・ハニーゴールド”F.A.ランゲへのオマージュ”

他の複雑機能を持たない、純粋なラトラパントクロノグラフモデルは同社初だ。精悍なブラックダイアルとすっきりしたデザインが、洗練されたモダンな印象を醸し出す。2020年11月、ブティック限定で発売される。手巻き(Cal.L101.2)。36石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約58時間。18Kハニーゴールド(直径41.2mm、厚さ12.6mm)。3気圧防水。世界限定100本。1475万円(税別)。


機能を絞ることで生まれた余白と、ブラックダイアルが織りなす精悍さが魅力のモデル

 フェルディナント・アドルフ・ランゲ氏がグラスヒュッテの町に懐中時計工房を開設して175年が経った今年、A.ランゲ&ゾーネは3種類の記念モデルを発表した。9月9日〜13日までの間、上海にて開催されたWatches & Wondersでお披露目されたそれらのモデルは、いずれもF.A.ランゲの誕生年に由来する「1815」コレクションからのラインナップとなった。

 そのうちの1本である「1815ラトラパント・ハニーゴールド”F.A.ランゲへのオマージュ”」は、同社で初めてラトラパントクロノグラフのみに機能を絞ったモデルだ。機能を限定することにより、すっきりとした端正な顔立ちに仕上がっている。ラップタイムを計ることができるラトラパントは複雑機構のひとつに数えられ、スプリットセコンドとも呼ばれている。このモデルでは、10時位置のプッシュボタンを押すことによってクロノグラフ秒針と一緒に進んでいたラトラパント秒針が停止し、その時点の経過時間を指し示す。

 もう一度プッシュボタンを押すことで、ラトラパント秒針が計測を続けていたクロノグラフ秒針に追いつき、ともに運針を始める。クロノグラフ秒針はピンクゴールドプレート仕上げのスチール製、ラトラパント秒針はロディウム仕上げのスチール製であり、クロノグラフ機能を使用する際のパーツにかかる負荷へ配慮していることがうかがえる。

1815ラトラパント・ハニーゴールド”F.A.ランゲへのオマージュ”

シースルーのケースバックからは、精緻な仕上げを施されたムーブメントを鑑賞することができる。プッシュボタンの操作に従って、レバーや2つのコラムホイールが動作する様を見られるのは、所有者の特権である。受けに施されたハンドエングレービングや粒状感のある仕上げが並ぶ光景は、いつまでも見飽きることがないだろう。

 ケースには、同社が2010年に初めて使用したハニーゴールドを用いている。暖かみのある色合いと硬く傷つきにくいという特徴を持つこの素材は、同社のみが使用することができる。ハニーゴールドを採用したモデルはこれまでに8本が発表されているが、シルバー無垢製のブラックダイアルとの組み合わせは、このモデルが初である。特別な素材に特別なダイアルの組み合わせは、まさに記念モデルに相応しい仕様だ。

 搭載されるムーブメントは、新規開発された「Cal.L101.2」だ。ラトラパントを実現させるための2つのコラムホイール、ラトラパントクランプの動きは、シースルーのケースバックを通じて鑑賞することができる。洋銀製の受けは、「1Aクオリティ」と呼ばれる最高品質を誇った往年のランゲ製懐中時計を彷彿とさせる、粒状感を持たせた表面仕上げが施されている。ゴールド製のチラネジ付きテンプ、ビス留め式ゴールドシャトン、ハンドエングレービング入りのテンプ受けも踏襲されている。

 各レバーや裏押さえ等は上面をヘアラインに、外周を光沢研磨としている。複雑な曲面で構成されたこれらのパーツを磨き上げるには、細かな手作業をやり遂げる精神力と手先の器用さ、鋭利な特殊工具を自在に操る豊かな発想力が必要となる。それらは、F.A.ランゲが工房を開いた際に、グラスヒュッテの人々に見出した彼らの強みであった。

Cal.L101.2

ムーブメントは、このモデルのために新規開発された「Cal.L101.2」である。受けに彫られたエングレービングや文字は、ブラックロディウム加工が施されることによって立体感を与えられている。

 しかし、同社はただ伝統を愚直に守り続けているだけではない。社是として掲げられている「決して立ち止まらない」の言葉の通り、常に前進する姿勢を貫いている。このモデルに関しても、受けに施された手彫りのエングレービングや文字にはブラックロディウム加工を施し、立体感を与える工夫が加えられている。



Contact info: A.ランゲ&ゾーネ Tel.03-4461-8080


2020年 A.ランゲ&ゾーネの新作時計


https://www.webchronos.net/2020-new-watches/44674/
A.ランゲ&ゾーネ。ドイツが誇る高級時計の歴史と厳選モデル15選


https://www.webchronos.net/features/40273/
A.ランゲ&ゾーネ 「ランゲ1・タイムゾーン」の完全刷新を経て 生まれ変わったプロダクトファミリー


https://www.webchronos.net/features/52593/