リシャール・ミル【2021 新作】マクラーレンとのパートナーシップによる5年目の成果「RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテール」

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2021.05.19

リシャール・ミルから、マクラーレンの最速ロードカー・スピードテールのデザインを踏襲した新作「RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテール」が登場した。トゥールビヨンやパワーリザーブなどの機構を搭載した本作は、スピードテールの販売台数と同じく限定106本が製作される。

RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテール


マクラーレン最速のロードカーへの賞賛

 リシャール・ミルは、マクラーレンとの野心的なパートナーシップが生んだ最新作「RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテール」を発表した。マクラーレン・オートモーティブとのパートナーシップを結んでから5年目を迎える2021年、これまでの集大成とも言える1本がついに完成したのだ。

RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテール

マクラーレン・オートモーティブはマクラーレン・グループに属する、高性能なスーパーカーを製造しているイギリスの企業だ。2010年に設立された同社はアルティメットシリーズという、とりわけ高性能なハイパーカーを製作し続け、「セナ」や「P1™」といったハイパーカーを次々と生み出している。

 今作のインスピレーションの根源となったのは、マクラーレンのスピードテールである。パワーユニットは最高出力757PS、最高トルク800N・mの4リッターV8ツインターボエンジンと、最高出力313PS、最高トルク350N・mの電気モーターを組み合わせたハイブリットシステムを搭載。計1070PS、1150N・mのパワーを持ち、0-300km/hの加速は13秒、最高時速403km/hを誇るハイパーカーであり、これまでのマクラーレンで最速を誇る公道走行可能車だ。

RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテール

 自然界から着想を得たフォルムで、空力学的に空気抵抗が少ないとされるティアドロップ型のフォルムを持ち、理想的なエアロダイナミクスを実現。マクラーレン アルティメットシリーズ第3弾となる、3人乗りのグランドツアラーとしてその名を馳せる。

理想的なフォルムを持つ外装

 マクラーレンの空気力学に対する絶え間ない探究心が、本作の製作への出発点となった。スピードテールのデザインを踏襲したこれまでにないケース形状を完成させるため、テクニカルディレクターのジュリアン・ボワラ率いるリシャール・ミルの外装開発チームは約18カ月にわたり、過去最長となる約2800時間もの長い時間を費やした。

RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテール

リシャール・ミル「RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン オートマティック」
自動巻き(Cal.CRMT4)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。Ti+カーボンTPT®︎(縦48.25mm×横41.80mm、厚さ14.15mm)。50m防水。世界限定106本。1億1990万円(税込み予価)。

 マクラーレン・オートモーティブのデザインディレクター、ロブ・メイヴィルは、双方が理想的なパートナーである理由を次のように語る。

「リシャール・ミルとマクラーレンは、軽量化すること、振動の影響を減らすこと、抵抗を最小限にすることなど、さまざまな問題に取り組む姿勢に多くの共通点があります。RM 40-01の設計に際し、スピードテールの特徴その背後にあるフィロソフィーを共有するべく、多くの情報を提供しました。スピードテールにおいては、芸術作品のようなクオリティを持つ車の製造を目指していました。それはRM 40-01にも確実に現れています。」

 69個ものパーツから形成されるケースは、12時側から6時側に向かって絞られた、かつてないほどに複雑な構造であるため、最適な形状をえるまで5つの試作品を製作。同社の独自素材であるカーボンTPT®︎製のミドルケースと、長さの異なるピラーによって分離されている、チタン製のベゼルからケースバックまでの間には、テーパーが施されている。

RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン オートマティック

この絶妙な曲面を描くケースに沿うように設計されたクリスタルガラスの開発には約18カ月を要し、ベゼルのテーパーと厚みの変化を考慮した3次元曲面を見事に形成している。

並外れたケースが包む、複雑な“エンジン”

 同社のテクニカルディレクター、サルヴァトール・アルボナ率いるムーブメント開発チームは、ケース内部のスペースを最大限に利用し、洗練された本作の「エンジン」をつくり上げた。スピードテールの名を冠する、全く新しい設計を持つムーブメントの開発には、約8600時間に及ぶ膨大な作業を要した。

RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテール

 専用のキャリバーCRMT4には、同社のトゥールビヨン搭載機として初めて、パワーリザーブ、オーバーサイズデイト、ファンクションセレクターという3つの機構を併載することに成功した。剛性を高めると同時に軽量化を図るため、地板やブリッジ、ブリッジを留めるネジ、ローター芯などには、グレード5のチタンを使用。ムーブメントを構成するひとつひとつのパーツには、目に見える部分はもちろん、隠れている部分にも入念な仕上げが施されている。

RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテール

上の写真からは、日の裏車にブーメラン型のマクラーレンロゴが型抜きされていることが分かる。非常に細かく、完成した状態では見えにくい場所だが、同社がパーツひとつひとつのデザインや仕上げに徹底している証拠である。

 ムーブメントの随所に、スピードテールの意匠を感じさせる要素が隠れている点にも注目したい。トゥールビヨンのブリッジなどには曲線を描くボディラインを表現するために、膨らみを持った新しい形状のパーツが採用した。背面から見ることができる自動巻きのローターやバレルは、ボンネットの形状やルーフの曲線を取り入れている。その一方で、ムーブメントの下部からストラップまで伸びているオレンジカラーのラインは、スピードテールの後部に取り付けられているブレーキランプから着想を得ているという。

 ティアドロップのフォルムを模した外装においてもスピードテールのデザイン要素が取り入れられ、ベゼルの刻み目がボンネットの吸気口を、プッシュボタンがフロントホイール後方の吸気口を彷彿とさせる形状だ。

RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテール

背面から見ることができるローターや香箱は、ボンネットの形状やルーフの曲線を取り入れている。両方向巻き上げ方式を採用する自動巻き機構には、リシャール・ミルがこれまでにも取り入れてきた可変慣性モーメントローターを採用。ウエイトの位置を移動させることで、ユーザーのライフスタイルに適正な巻き上げ効率になるように微調整することが可能だ。

 ハイパーカーからハイパーウォッチへ、スピードテールが持つディティールを、腕時計として変化させながらも美しく反映させた今作。実車が106台限定で生産されたことに合わせ、106本の限定エディションとして発売される。価格は1億円をはるかに超えるが、即売り切れは必至だろう。


Contact info: リシャールミルジャパン Tel.03-5511-1555


リシャール・ミル【2021 新作】 航空工学の世界からインスピレーションを得た「RM 21-01 トゥールビヨンエアロダイン」

https://www.webchronos.net/news/63836/
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https://www.webchronos.net/news/60558/
リシャール・ミルの技術とイノベーションの集大成、 2020年の新作「RM 65-01 オートマティック スプリットセコンド クロノグラフ」


https://www.webchronos.net/news/57716/