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【83点】オリス/アクイス デプスゲージ(1/5) 2013年11月号(No.49)

ORIS AQUIS DEPTH GAUGE

オリスが発表した手に入れやすい価格のダイバーズウォッチには水深計が搭載されている。この時計を身に着けて、ひと呼吸で水深30mまで潜水し、その実力を検証する。

イェンス・コッホ: 文 Text by Jens Koch
OK-Photography(時計)、フレデリック・フランケ(潜水時): 写真 Photographs by OK-Photography, Frederik Franke
岡本美枝: 翻訳 Translation by Yoshie Okamoto


point
・魅力的な価格
・良好な加工
・独自のデザイン
・ストラップの長さを調整できる範囲が広い

point
・最大水深が表示できない

水の精に贈る圧力計

プネアとも呼ばれるフリーダイビングは、古くから行われている潜水の様式である。何世紀も前から、人間は真珠や海綿を求めて海に潜ってきた。そして、より長い間、水中にいられるように、できるだけ長く呼吸を止める方法を身に着けていったのである。

水深計を搭載したダイバーズウォッチを市場に提供しているのはオリスだけではない。IWCやジャガー・ルクルト、ブランパン、パネライも、水深計を積んだダイバーズウォッチを製作している。パネライは電子式水深計を採用しているが、ほかのブランドでは機械式水深計が装備されている。機械式水深計では、薄い膜や板バネ、あるいはこれらに類する部品が水圧で押され、この動きが1本の表示針に伝達される仕組みになっている。ブランパンとIWCのモデルではこれに加え、スプリットセコンド機構を応用した最大水深を示す表示針が追加装備されている。ただし、ここで挙げたモデルは、価格がどれも100万円を大幅に上回ることを付け加えておかなければならない。

ボイルの法則に基づく水深計

オリスは、前述のブランドとはまったく別の方法で水深計を完成させた。水深計のためにオリスが応用した手法は、驚くほどシンプルなものだった。ボイルの法則である。ボイルの法則とは、一定の温度の下では気体の体積が圧力に反比例することを示した法則である。したがって、圧力が倍になれば気体の体積は半分になる。この原理を応用した水深計は、すでに以前から存在している。一方の端部がふさがれた、円形に曲げられた小さな導水管で構成されており、目盛りが付いている。圧縮された空気と浸入した水の境目部分で、水深を読み取る仕組みである。
そればかりか、このタイプの水深計を搭載した時計も新しいものではない。この水深計を搭載した初の腕時計はおそらく、ファーブル・ルーバが1966年に発表したバスィ50だろう。これ以外にも、ボイルの法則を応用した水深計とダイバーズウォッチを組み合わせたモデルを作るブランドはいくつかあった。だが、こうしたモデルでは、風防の上半分や外周に導水管が外付けされ、時計がやや粗野な印象に仕上がっていた。オリスは、水深計を風防と一体化させることに初めて成功したブランドである。これを実現するためには、風防の側面にフライス加工で均等な溝を施し、12時位置の水が浸入するための穴を風防の12時位置に外側から開ける必要があった。こうして彫られた溝を風防のガスケットで密封することで、水深計のための導水管が出来上がる。水深を示すメートル目盛りは風防内面に印字されており、導水管が隣接していることから、深度は非常に読み取りやすい。深度表示目盛りの色に黄色が選ばれたのは、さまざまな試験の結果、最も判読しやすい色と判断されたためである。

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