【86点】ロレックス / オイスター パーペチュアル ヨットマスター 40

FEATUREスペックテスト
2017.04.05

ヨットマスターは、1992年に発表されたプロフェッショナル コレクションのモデルで、2015年にはベゼルがセラミックス製で、サイズが37㎜と40㎜のふたつのニューモデルが発表された。

日付表示の上に拡大鏡として置かれ、ギリシャ神話の単眼の巨人の名に由来する伝説的なサイクロップレンズは、1950年代に特許を取得して最初にデイトジャストでお披露目されたものだ。風防同様に傷に強いサファイアクリスタル製で、反射防止コーティングが二重に掛けられ、日付の読み取りの良さに一役買っている。このレンズが全体の佇まいを引き締め、アクセントの利いたスタイルを醸し出しているのだ。

日付は深夜に瞬時に切り替わる。その機構を内包するキャリバー3135は、1992年に発表された初代ヨットマスターのムーブメントにも搭載されていた。このキャリバーは1988年に登場し、2005年以降、ロレックスが5年掛けて研究開発したブルー パラクロム・ヘアスプリングを採用している。このヘアスプリングは温度変化に強く、素材が特殊な鋼のため、耐磁性がある。パラクロム・ヘアスプリングは、従来のヘアスプリングと比較して、10倍優れた耐衝撃性を持っているという。上に向かって曲げられているエンドカーブは、テンワにセットされた状態でもよく見える。そのテンワは、ゴールド製の4つのマイクロステラナットを備え、慣性モーメントの変化に適応力がある仕様だ。テンプは、上から頑丈な両持ちのブリッジによって強固に押さえられている。

ロレックス高精度クロノメーター

ヨットマスターはオイスター コレクションの他のモデルと同様に〝ロレックス高精度クロノメーター〟で、それを支えているのが脱進機の構造だ。〝ロレックス高精度クロノメーター〟とは、ロレックスが自社製品に定める称号で、自社内で行われる一連の精度テストに合格したことを意味している。テスト自体は他社でも一般的なものだ。しかし、ロレックスの高精度クロノメーターの精度は、平均日差がマイナス2秒からプラス2秒の間とされている。ちなみに、スイスの公認クロノメーターであるC.O.S.C.の規格では、日差はマイナス4秒からプラス6秒の間だ。ロレックスにおいて一定の条件の下で行われるテストは、ケーシングした状態で行われ、裸のムーブメントで実施されるC.O.S.C.よりも実際の着用時の状況にかなっている。

我々、クロノス編集部のテストでは、ロレックスと同じ状態で実施している。2週間の着用テストでは、ほとんどと言ってもいいほど変動が見られなかった。歩度測定機に掛けると、平均日差はプラス1、2秒、姿勢差は最大で4秒という結果が出た。