【86点】ロレックス / オイスター パーペチュアル ヨットマスター 40

FEATUREスペックテスト
2017.04.05

搭載ムーブメントの自動巻きキャリバー3135は、1988年に登場。長年使用されているが、2005年以降、ヘアスプリングにロレックス独自の開発によるブルー パラクロム・ヘアスプリングを採用している。

ダイビングではなくセーリング用としてのモデル

ロレックスでは、防水性の試験も行われている。ヨットマスターは水深100m防水で、これは10気圧防水に相当する。つまり、ヨットマスターは、見かけで錯覚を起こしがちではあるが、プロ仕様のダイバーズウォッチとは異なる。それは両方向回転のベゼルからも分かるだろう。ベゼルはサンドブラストで仕上げた黒い艶消しの地に、レイズド仕上げの数字と目盛りが施されている。
文字盤に目を移すと、ゴールドのリングで縁取られたドットのインデックスが印象的だ。ケースにはロレックス独自の合金であるエバーローズゴールドが使用されている。裏蓋には刻みがリング状に入り、専用工具を使用しないと開けられず、密閉状態が保たれる。ねじ込み式リュウズには3つのドットが記されているが、これは防水を3段構えにしたトリプロックシステムを意味する。このリュウズは両側にリュウズガードを備えているため、しっかりと保護されている。リュウズを緩めると、少し飛び出してきて、これにより巻き上げや針合わせ、日付修正が可能になる。

新開発のオイスターフレックス ブレスレットはロレックスでは初採用のエラストマー製である。メタルブレードが中心に入っているためしっかりしているが、肌に当たる内側には畦道のようなクッションがあり、フィット感に工夫が凝らされている。

新型ブレスレットには新素材を採用

新開発のオイスターフレックス ブレスレットは、ちょっとした見ものだ。エラストマー製のこのブレスレットは特許を取得していて、ニッケル・チタン合金の繊細なメタルブレードを使用しているため、非常に柔軟性に優れている。コーティング素材のブラックエラストマーは伸縮性や弾力性に富み、変形してもすぐ元の形状に戻るので、腕時計のブレスレットにはうってつけなのだ。その上、耐久性があって水に強く、肌にもやさしいとくれば、メタルブレスレットに代わる良きものと言えるだろう。黒という色も、セラミックベゼルを備えたゴールドのケースに相まって、モダンなバイカラーとして映える。

ブレスレットの内側は特許取得のクッションシステムという作りになっていて、着用感も上々だ。ブレスレットと腕の空間をソフトに埋める役割を果たしているので、ケースがぐらつかず腕にしっかり載るようになっているのだ。便利なのは、エバーローズゴールド製のオイスターロック クラスプも同様だ。このクラスプはセーフティーロック式で、ふとした拍子にも開かないようになっている。つまり、腕からうっかり落下することはないというわけだ。

このように、至れり尽くせりの逸品は、海の上だけでなく、陸においても頼もしさを華麗に発揮してくれるだろう。