永久に愛用できること間違いなしのパーペチュアルカレンダーの新作・5選

2021.10.04

今年は永久カレンダー=パーペチュアルカレンダーの新作がいくつも発表された。

パーペチュアルカレンダーとは月・日・曜日などの表示を、4年に一度の閏年も含めて、自動的に行うことのできる機構のこと。トゥールビヨンやミニッツリピーターなどと並ぶ超複雑機構のひとつであり、もちろん開発するのは困難である。

よってパーペチュアルカレンダーをつくることのできる時計ブランドはごく限られている。数少ない技巧派の名門だけだ。

そしてそのためパーペチュアルカレンダーのモデルを選ぶことは、その数少ない名門を選ぶこと。すなわち「目利き」の証になる。そこもパーペチュアルカレンダーの大きな魅力である。

さて。ということで、ここに挙げたのは、どれも技巧派の名門ばかり。各モデルの表示方法などの個性も見どころ。ブルガリ、A.ランゲ&ゾーネ、パテック フィリップは新開発ムーブメントであるところも注目店だ。

掲載はプライス順。どれも高価だが、しかしそれだけの価値は確実にある。生涯はおろか、孫子の代まで、それこそ永久に愛用できるだろう。

福田豊/選&文


モンブラン「ヘリテイジ マニュファクチュール パーペチュアルカレンダー リミテッドエディション 100」

モンブラン「ヘリテイジ マニュファクチュール パーペチュアルカレンダー リミテッドエディション 100」

モンブラン「ヘリテイジ マニュファクチュール パーペチュアルカレンダー リミテッドエディション 100」
直径40mm
自動巻き(Cal.MB 29.22)
77石
2万8800振動/時
5気圧防水
18KRG
世界限定100本
326万5900円(税込)

2019年に発表されたパーペチュアルカレンダーモデルの第2弾。前作はシンプルなホワイトダイヤルであったが、ヴィンテージなバーントキャラメルカラーのダイヤルにされたのが大きな魅力になっている。開発に3年かかったという特許取得のパーペチュアルカレンダームーブメントは、一般的なレバー機構を使用せず、ホイールとカムだけで構成されているのが特徴。それによりリュウズ操作でのカレンダーの逆戻しを可能としている。また、ムーブメントに損傷を与える可能性のある18時から24時までのあいだは日付調整をできなくしているのも特徴。今回も前作と同じ世界限定100本のみの販売となる。


IWC「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアルカレンダー」

IWC「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアルカレンダー」

IWC「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアルカレンダー」
直径46.2mm
自動巻き(Cal.52615)
54石
2万8800振動/時
6気圧防水
SS
356万4000円(税込)

IWCの独特のパーペチュアルカレンダー機構は1980年代にクルト・クラウスが開発。以降、その革新的技術を引き継ぎつつ、さまざまなモデルに搭載されている。「ビッグ・パイロット・ウォッチ」では2006年に世界限定25本のプラチナケースモデルが初代で登場。これまで37種類以上の限定モデルがつくられてきた。これはその最新作で、限定ではない、レギュラーモデルであるのが大きな特徴。12時位置のダブルムーンフェイズは、北半球と南半球の月相を精確に表示し、577.5年でわずか1日の誤差しか生じない高精度。特徴的な4桁の西暦表示は2499年までカウントすることが可能とされている。


ブルガリ「オクト フィニッシモ パーペチュアル カレンダー」

ブルガリ「オクト フィニッシモ パーペチュアル カレンダー」

ブルガリ「オクト フィニッシモ パーペチュアル カレンダー」
直径40mm
自動巻き(Cal.BVL305)
30石
2万1600振動/時
3気圧防水
チタン
716万1000円(税込・予価)

ブルガリは2014年から2021年の7年にあいだに、7つの世界最薄記録となる超薄型の「オクト フィニッシモ」を発表。その7つ目である最新作が、この「オクト フィニッシモ パーペチュアル カレンダー」で、自動巻きのパーペチュアルカレンダーとして世界最薄記録を達成。厚さがわずか2.75mmのムーブメントに、時分針を始め、月、日付、曜日の表示と、リープイヤー表示、さらに自動巻きのマイクロローターを搭載。ケース厚を5.80mmの超薄型にしている。「オクト フィニッシモ」のシグネチャーとなっているチタンケース&ブレスレットのモデルと、プラチナケースのモデルが用意される。


A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1・パーペチュアルカレンダー」

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1・パーペチュアルカレンダー」

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1・パーペチュアルカレンダー」
直径41.9mm
自動巻き(Cal.L021.3)
63石
2万1600振動/時
3気圧防水
18KPG
1196万8000円(税込)

A.ランゲ&ゾーネの7作目のパーペチュアルカレンダーモデル。これまでクロノグラフやトゥールビヨンなど他の複雑機構との併載がほとんどだったが、これはパーペチュアルカレンダーのみというのが特徴で、「ランゲ1」では初の単独搭載となる。「ランゲ1」のダイヤルレイアウトを崩さずパーペチュアルカレンダーを組み込んだのも見どころ。11時位置にアウトサイズデイト。9時位置にレトログラード式の曜日表示。ダイヤル外周に回転式の月表示リング。6時位置にリープイヤー表示。7時位置に122.6年で1日分の誤差しか生じない高精度のムーンフェイズを搭載。ムーンフェイズは空が昼夜で変化するデイ・ナイト表示にもなっている。


パテック フィリップ「インライン永久カレンダー 5236P」

パテック フィリップ「インライン永久カレンダー 5236P」

パテック フィリップ「インライン永久カレンダー 5236P」
直径41.3mm
自動巻き(Cal.31-260 PS QL)
55石
2万8800振動/時
3気圧防水
Pt
1494万9000円(税込)

新開発のインライン表示を備えた、まったく新しいパーペチュアルカレンダーモデル。曜日、日付、月を横一列に、12時位置の細長い大型窓で表示したのが特徴。同様の表示はかつてアメリカ市場向けに製作した懐中時計で前例があったが、腕時計では初の試み。4枚のディスクを同一平面上に配置しつつ、表示をできるだけ大きく見やすくしたのが注目点で、その実現のために開発された革新的機構は3件の技術特許を出願中だという。4時位置にリープイヤー表示、8時位置に昼夜表示、6時位置にムーンフェイズを搭載。外周に向かって濃くなるブラック・グラデーションが施されたブルーダイヤルの美しさも素晴らしい。




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