ワールド・ウォッチフェアで手に入れたい、独自素材のケースが魅力の新作・5選

2021.09.08

このところ独自のプレシャスメタルをケースに使用するブランドが増えている。

その最初のきっかけは2000年代の初めの頃、イエローゴールドに代わってピンクゴールドの人気が高まった頃ではないだろうか。ピンクゴールドは金に銅を混ぜることでピンク色にするのだが、その銅の配分により色味が変わる。そこで赤味の違いで個性を出すブランドが次々と登場。ピンクゴールドではない、ローズゴールド、レッドゴールドという名称が一般的になったのも、この頃からだったように思う。

そうしてその後、ブランド独自のプレシャスメタルが登場する。2005年発表のロレックスのエバーローズゴールド。2010年のウブロのキングゴールド。2012年のオメガのセドナゴールド。このあたりがよく知られた最初期のオリジナルプレシャスメタルの代表だろう。

そして今年はさらに充実。今年新しく発表されたプレシャスメタルもある。

そのなかから選んだのが、ウブロ、モンブラン、オメガ、パネライ、チューダーの5本。どれもがこれまでのゴールドやシルバーなどとは違う美しさや楽しさを備えるのが見どころ。唯一無二の魅力を味わえる好モデルたちだ。

福田豊/選&文


ウブロ「ビッグ・バン MP-11 14 デイ パワーリザーブ マジックゴールド」

ウブロ「ビッグ・バン MP-11 14 デイ パワーリザーブ マジックゴールド」

ウブロ「ビッグ・バン MP-11 14 デイ パワーリザーブ マジックゴールド」
直径45mm
手巻き(Cal.HUB9011)
39石
2万8800振動/時
3気圧防水
18Kマジックゴールド
世界限定50本
1041万7000円(税込み)

「ビッグ・バン MP-11」はダイヤル下部に覗く垂直方向に連結された7個の香箱により約14日間のロングパワーリザーブを実現した革新作。2018年に3Dカーボンケースとサファイアクリスタルケースの2作でデビューし、その後、さまざまな素材のものがつくられている。これはケースをウブロ独自のマジックゴールドにした新作。マジックゴールドはスイス連邦工科大学ローザンヌ校と共同で2011年に開発。ゴールドとセラミックを融合させた18Kゴールドで、硬度は一般的な18Kゴールドの約2倍以上。世界初の耐傷性を備えた18Kゴールドという、まさにマジックなゴールドだ。


モンブラン「1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッド エディション 18」

モンブラン「1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッド エディション 18」

モンブラン「1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッド エディション 18」
直径44mm
手巻き(Cal.MB M16.31)
25石
1万8000振動/時
3気圧防水
18Kライムゴールド
世界限定18本
49,500ユーロ(時価)

「1858」は1920~1930年代のミネルバの軍用クロノグラフにインスパイアされたプロダクトライン。この新作は1930年代のミネルバの軍用クロノグラフを再解釈したもので、リュウズ同軸のモノプッシャー機構や、アラビア数字インデックス、カテドラル針、ダイヤル外周のテレメーター、中央の渦巻き型のタキメーター、といったヴィンテージなスタイルを継承するのが特徴だ。そしてさらなる魅力がライムゴールドと呼ばれるゴールドのケース。緑色に経年変化する特殊な18Kゴールドで、時計界での使用はこれが初。まさにヴィンテージな味わいが楽しめるのだ。


オメガ「シーマスター 300」〈ブロンズゴールドモデル〉

オメガ「シーマスター 300」

オメガ「シーマスター 300」〈ブロンズゴールドモデル〉
直径41mm
自動巻き(Cal.8912)
38石
2万5200振動/時
30気圧防水
ブロンズゴールド
136万4000円(税込み)

新作の「シーマスター 300」はマスター コーアクシャルからマスター クロノメータになったのが大きな特徴。インデックスをくり抜いたサンドウィッチダイヤルも目を引く特徴。ドーム型風防や円錐状のリュウズなどのリファインもファンであれば気付くはずだ。そして最大の注目点が独自合金のブロンズゴールド。これまでのセドナゴールド、カノープスゴールド、ムーンシャインゴールドの18Kゴールドと異なり、ブロンズゴールドは9Kゴールドを含むブロンズ合金で、ブロンズが経年変化するのが特徴。緑青は吹かず、ゆっくりと美しいエイジングが楽しめるのだ。


パネライ「ルミノール クロノ ゴールドテック™ ブルーノッテ」

パネライ「ルミノール クロノ ゴールドテック™ ブルーノッテ」

パネライ「ルミノール クロノ ゴールドテック™ ブルーノッテ」
直径44mm
自動巻き(Cal.P.9200)
41石
2万8800振動/時
5気圧防水
18Kゴールドテック™
323万4000円(税込み)

今年は「ルミノール」に多数のクロノグラフが登場。これはそのひとつで、モデル名のとおりに、パネライ独自のゴールドテック™をケースに使用するのが特徴。ゴールドテック™は銅とプラチナを高率で含有することで耐食性を高めた18Kゴールド。銅でピンクの色出しをする一方、プラチナにより酸化を防ぐことで美しい色を持続させるのが特徴だ。そしてその美しいゴールドテック™の色と、海を思わすディープブルーのダイヤルの組み合わせというのも、このモデルのチャームポイント。ダイヤルと色合わせしたアリゲーターストラップとラバーストラップが付属する。


チューダー「ブラックベイ フィフティ-エイト 925」

チューダー「ブラックベイ フィフティ-エイト 925」

チューダー「ブラックベイ フィフティ-エイト 925」
直径39mm
自動巻き(Cal.MT5400)
27石
2万8800振動/時
20気圧防水
シルバー925
49万600円(税込み)

1958年のモデルをモチーフにしたヴィンテージなデザインと39mm径の小振りなサイズで人気の「ブラックベイ フィフティ-エイト」に加わった新作。最大の特徴はケースにシルバー925を使用すること。シルバーケースはかつては懐中時計などにしばしば使用されたが今日では珍しく、そこが新鮮な感覚。ステンレススティールとは違う重量感も独特の魅力だ。また特別な配合比率により経年変化が起きにくいのも特徴。通常のシルバーのように黒く酸化しにくく、美しいエイジングが楽しめるという。トープカラーのダイヤルとベゼルもこのモデルだけの特別な魅力だ。




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