IWCから、フライングトゥールビヨン、レトログラード式日付表示、そしてフライバッククロノグラフを搭載した「ポルトギーゼ・ トゥールビヨン・レトログラード・ クロノグラフ」の、新しいバリエーションが発表された。18K Armor Gold®素材のケースにオブシディアンカラーの文字盤をまとった1本である。
IWCから「ポルトギーゼ・ トゥールビヨン・レトログラード・ クロノグラフ」Ref.IW394009が登場
IWCの「ポルトギーゼ」コレクションの中でも、フライングトゥールビヨン、レトログラード式日付表示、そしてフライバッククロノグラフといった複雑機構を搭載した「ポルトギーゼ・ トゥールビヨン・レトログラード・ クロノグラフ」。この新作モデルであるRef.IW394009がラインナップに追加された。

自動巻き(Cal.89900)。42石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約68時間。18K Armor Gold®ケース(直径43.5mm、厚さ15.9mm)。3気圧防水。世界限定100本。2309万4500円(税込み)。
18K Armor Gold®ケースとオブシディアンカラーの文字盤を組み合わせたスタイル
直径43.5mmのケースは、18K Armor Gold®で製造されていることが特徴だ。2019年、「ビッグ・パイロット・ウォッチ・コンスタントフォース・トゥールビヨン “プティ・プランス”」とともに発表されたこの独自合金は、従来の18Kゴールド合金に比べて硬度が高く、耐摩耗性にも優れている。
また、黒曜石を意味するオブシディアンカラーの文字盤が、このケース素材とマッチして優美な雰囲気をたたえる。2024年、IWCは「ポルトギーゼ」コレクションに、ホライゾンブルー、デューン、シルバームーンとともに、このオブシディアンカラーをデザインコードに取り入れた。IWCはこのカラーリングによって、「昼と夜の永遠のサイクルと絶え間ない時の流れを反映」したのだという。この深みのあるブラックは、透明ラッカーを15層に塗り重ねることをはじめ、60もの複雑な製造工程によって実現している。
ゴールドメッキの針やアプライドインデックス、そしてサントーニ社製のブラックのアリゲーターストラップが組み合わされている。
複雑機構を搭載したCal.89900
本作に搭載されるムーブメントは、フライングトゥールビヨン、レトログラード式日付表示、フライバッククロノグラフを備えたコンプリケーションである。
アンクルとガンギ車を小さなケージに収め、1分間に一回転させるトゥールビヨンは、実用面ではなく美観の面で人気の高い機構だ。本作は6時位置に、この56個のパーツで構成されたトゥールビヨンを、文字盤側からは固定させるブリッジをなくすことで浮いているように見せるフライングトゥールビヨンとしている。なお、トゥールビヨン停止機構が組み込まれているので、完全に機構を停止させ、秒単位の精度で時刻を調整することが可能だ。アンクルとガンギ車はシリコン製で、IWC独自のダイヤモンド・シェル(Diamond Shell®)テクノロジーを応用したコーティングが施されるため、摩擦が低減し、ムーブメント内のエネルギーの流れが改善されることにより、約68時間というパワーリザーブが実現した。
文字盤9時位置に配されたレトログラード式日付表示も、トゥールビヨンとともに目を引く機構だ。小さな針がアーチ型の目盛りで現在の日付を指し示し、月末に達すると、針はスタート位置にジャンプして戻る。加えてクロノグラフはフライバック式となっており、クロノグラフ針が動いている途中、ストップボタンを押下することなくリセットと再スタートが可能だ。60分積算計と12時間積算計は12時位置に同軸上で表示されているため、複雑機構を備えながら、スッキリとした文字盤レイアウトになっていることも特筆すべき点だ。

新しい「ポルトギーゼ・ トゥールビヨン・レトログラード・ クロノグラフ」は100本生産の限定モデルとなっており、2309万4500円(税込み)で販売される。