名門ジュエラーとしてその名を馳せるティファニー。創業期より時計の販売を行っていた同社は、やがて時計製造の道を歩み始める。新作「ティファニー タイマー」に込められたメッセージが、その道程を描き出す。

ティファニーが1866年に発表したクロノグラフ懐中時計を現代的に再解釈。ティファニー ブルーのダイアルやバゲットカットダイヤモンドインデックスなど、名門ジュエラーとしての華やかさに、歴史的なハイビート自動巻きクロノグラフムーブメント、エル・プリメロを組み合わせる。自動巻き(エル・プリメロCal.400)。31石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約50時間。Ptケース(直径40mm)。10気圧防水。世界限定60本。要価格問い合わせ。
Text by Tsubasa Nojima
Edited by Yousuke Ohashi (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2026年3月号掲載記事]
時計製造の記憶を呼び覚ます
名門ティファニーが示す「時」への矜恃
1837年、アメリカ・ニューヨークに創業したティファニーは、世界を代表する名門ジュエラーのひとつだ。ジュエリーだけではなく、テーブルウエアや香水、レザーグッズなどを幅広く手掛けており、時計に関しては創業初期の1847年から取り扱いを開始している。新作の「ティファニー タイマー」は、その歴史を現代に呼び戻す存在だ。
本作のモチーフは、1866年に発表されたクロノグラフ懐中時計「ティファニー タイミング ウォッチ」。科学やスポーツ文化の発展に伴う、時間計測のニーズを捉え誕生したこの懐中時計は、同社が時計のリテーラーからメーカーへの道を歩み始めた重要なマイルストーンである。
ティファニー タイマーのダイアルは、同社を象徴するティファニー ブルーに彩られ、クリアラッカーを幾層にも重ねることで、見る者を引き込む深い艶を創出している。バゲットカットダイヤモンドのインデックスや、ティファニー® セッティングのデザインをあしらったリュウズは、名門ジュエラーとしての矜恃が垣間見える意匠だ。流麗なラインのケースは、高度な加工技術を要するプラチナ製。

ケースバックのサファイアクリスタル越しに広がるのは、ゼニスの自動巻きクロノグラフムーブメント、エル・プリメロだ。精密な計時を可能とする毎秒10振動のハイビートは、創業初期から時間計測の精度に注力してきたティファニーの姿勢を、現代に重ね合わせるものだ。ローターに輝くのは、ジャン・シュランバージェによってデザインされたブローチ「バード オン ア ロック」の鳥である。
原点から160年の時を経て誕生したティファニー タイマー。本作は同社の時計製造を象徴するマスターピースとして、歴史にその名を残すに違いない。



