カシオ計算機の代表的な時計というとG-SHOCKがまず思い浮かぶかもしれない。しかし例年、他ブランドからも多彩なモデルが展開されている。2026年、EDIFICE、そしてPRO TREK等、同社から続々と打ち出された新作時計を一挙に紹介する。

Text by Shin-ichi Sato
[2026年4月11日公開記事]
フルメタル GMC-B2100ADS-1AJF

タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。SSケース(縦51.3×横46.3mm、厚さ12.4mm)。20気圧防水。10万7800円(税込み)。
G-SHOCK「フルメタル GMC-B2100シリーズ」Ref.GMC-B2100ADS-1AJFは、初代G-SHOCKのRef.DW-5000Cの八角形フォルムを継承したアナログモデルをフルメタルに仕立てたシリーズの新作である。ケース、ベゼル、文字盤をシルバーカラーにまとめている点が特徴だ。文字盤のシルバーカラーは蒸着による仕上げで、ブラックのインダイアルを組み合わせることで、モノトーンのスポーティーな表情を際立たせている。
ステンレススティール製ベゼルは、鍛造、切削、研磨といった工程を経て立体的に成形されており、トップベゼルには円周状のヘアライン仕上げを施し、斜面はポリッシュ仕上げとしてコントラストを加えている。
機能は、タフソーラーによる光発電、デュアルタイム表示、タイマー、ストップウォッチ機能、Bluetooth経由でのスマートフォンとの連携による自動時刻修正を備え、充実したものとなっている。また本作は、初代G-SHOCKを生み出した山形カシオでの製造となる。
フルメタル GMW-BZ5000RC-1JR

タフソーラー。フル充電時約22カ月駆動(パワーセーブ時)。SSケース(縦49.3×横43.6mm、厚さ13mm)。20気圧防水。12万1000円(税込み)。
G-SHOCK「フルメタル 5000シリーズ」Ref.GMW-BZ5000RC-1JRは、ステンレススティール製のセンターケースにレインボーIPによるグラデーションを施した新作である。2025年11月に発表されたGMW-BZ5000は、MIP(メモリインピクセル)液晶と、生成AIによる荷重シミュレーションから導き出された新構造ケースを採用する点がトピックスであった。
本作は、メタルのシルバーカラーを基調として、特徴的なセンターケースに、ゴールドからパープル、ブルーへと色調を変化させるレインボーIPを施し、フロントビスにはゴールドIPを施してワンポイントを加えている。このデザインにより、GMW-BZ5000シリーズの特徴であるメタルパーツが精密に嚙み合ったサイドビューが際立っている。さらに、文字盤の外周にもレインボー蒸着を施して、本作のアイコニックなカラーリングを反映した仕上がりとなっている。
表示部には、きめ細かい描写で優れた視認性を誇るMIP液晶を採用する。表示の自由度が高いことも特徴で、各機能に応じた細かな文字表示も鮮明に映し出すことができ、G-SHOCKの多彩な機能を存分に活用できる仕上がりとなっている。なお、本作もまた、初代G-SHOCKを生み出した山形カシオでの製造となる。
MRG-B2100D-2AJR

タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。Tiケース(縦49.5×横44.4mm、厚さ13.6mm)。20気圧防水。57万2000円(税込み)。
Ref.MRG-B2100D-2AJRは、G-SHOCKの最上位ラインの「MR-G」に追加されたRef.DW-5000Cの八角形フォルムを継承するアナログモデルの新作である。特徴は、山形県の五重塔を包む朝霞の情景を表現した縹色(はなだいろ)を文字盤に採用し、軽量なチタン系の合金でケースとブレスレットを仕立てている点だ。
本作はデジタル表示のない完全なアナログ仕様で、文字盤には日本の伝統技術である木組に着想を得た立体的なデザインが与えられている。前述の通り文字盤デザインは、本作が搭載するタフソーラーのために、格子の隙間から光を取り込むという機能的な側面も持ち合わせている。特徴的な深いブルーは、日本古来の伝統色である「縹色」で、山形県に位置する五重塔を包む朝霞の情景を表現している。
ケースにはチタン、ベゼルトップにはプラチナと同等の輝きを持つとされるコバリオン、ブレスレットには高い硬度を持ちながら加工性に優れたチタン合金のDAT55Gと、部位によって適切な素材を使い分けている。さらに、細分化されたパーツを組み合わせて構成しており、ひとつひとつのパーツは優れた切削と研磨によって入念に仕上げられ、G-SHOCKの最上位ラインにふさわしい仕上がりとなっている。
BLACK AND ELECTRO GREEN

クォーツ。樹脂ケース(縦57.5×横53.4mm、厚さ18.5mm)。20気圧防水。1万8700円(税込み)。
「GA-700シリーズ」Ref.GA-700BEG-1A、「GA-100シリーズ」Ref.GA-100BEG-1A、「GD-010シリーズ」Ref.GD-010BEG-1は、“BLACK AND ELECTRO GREEN”をテーマに、SFやプロフェッショナル向け光学機器を思わせるような、ブラックを基調とした外装に、グリーンを配した新作となる。
いずれのモデルも、液晶部以外のケースや文字盤はブラックのモノトーンでまとめられており、ストイックなツールのテイストが表現されている。そして液晶部にはエレクトログリーンと名付けられた鮮やかなグリーンが施され、バックライト点灯時にグリーンが浮かび上がるデザインとなっている。
アナログモデルのRef.GA-700BEG-1Aは、G-SHOCKの中でも立体的で力強いデザインが特徴で、6時位置の大型のボタンによって、本作の特徴であるバックライトを点灯する。機能面では、ワールドタイム機能、フルオートカレンダー、タイマー、ストップウォッチ、アラームなどを搭載しており、充実した仕上がりだ。

クォーツ。樹脂ケース(縦55×横51.2mm、厚さ16.9mm)。20気圧防水。1万8700円(税込み)。
同じくアナログモデルのRef.GA-100BEG-1Aは、ストップウォッチ機能に特徴があるモデルだ。ストップウォッチ作動時には、あらかじめ設定した距離を基準としたスピードが、12時位置と2時位置のインジケーターに表示される機能を有する。そのほか、6時方向の2分割された液晶画面や、10時位置のインジケーターを組み合わせ、現在の機能や、測定結果の詳細を表示するなど、多彩な使い方に対応する機能性を備える。

クォーツ。カーボン×樹脂ケース(縦54.9×横51.9mm、厚さ16.1mm)。20気圧防水。1万4850円(税込み)。
デジタルモデルのRef.GD-010BEG-1は、広い面積の液晶画面を有し、本作のエレクトログリーンが強い印象を与える仕上がりとなっている。6時位置には大型のライト点灯ボタンを備え、広い液晶に並ぶ多彩な機能のための表示をグリーンで鮮明に映し出すデザインだ。

タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。カーボン×樹脂ケース(縦48.5×横45.4mm、厚さ11.9mm)。20気圧防水。2万4750円(税込み)。
「2100シリーズ」Ref.GA-B2100BEG-1AJFと、「GA-B010シリーズ」Ref.GA-B010BEG-1AJFも、“BLACK AND ELECTRO GREEN”をテーマに、ブラックを基調にエレクトログリーンを配した新作である。
Ref.GA-B2100BEG-1AJFは、G-SHOCKの“オリジン”であるRef.DW-5000Cの八角形フォルムを継承するアナログモデルをブラックに仕立て、3時から6時位置を占める液晶にエレクトログリーンを施している。さらに本作では、“TOUGH SOLAR”の印字、9時位置のインジケーターの針の先端にもグリーンを印象的に配し、デザインのアクセントとしている。機能面では、タフソーラーによる光発電のほか、Bluetoothを介したスマートフォンとの接続による自動時刻修正やワールドタイム、タイマー、ストップウォッチなどを搭載しており、シンプルな文字盤でありながら充実した内容となっている。

タフソーラー。フル充電時約26カ月駆動(パワーセーブ時)。カーボン×樹脂ケース(縦52.3×横49.3mm、厚さ15.2mm)。20気圧防水。2万7500円(税込み)。
Ref.GA-B010BEG-1AJFは、G-SHOCKの中でも珍しい、ユーザーの健康管理に着目したモデルで、歩数計測を有し、目標に対する到達度を表示したり、座りすぎのアラートを出したりすることが可能となっている。この特徴を示すように、6時方向のメインの液晶のほか、歩数管理に用いられる2時位置の円形状のインジケーターと、“STEP TRACKER”の表示が、鮮やかなエレクトログリーンとなっている。
環境をテーマにしたGW-BX5600CBG-2JR

タフソーラー。フル充電時約22カ月駆動(パワーセーブ時)。樹脂ケース(縦49.1×横44.1mm、厚さ13.4mm)。20気圧防水。3万5200円(税込み)。
G-SHOCK「5600シリーズ」Ref.GW-BX5600CBG-2JRは、環境をテーマとした新作であり、海洋汚染の要因として問題視されている使用済み廃漁網を原材料とした、ファブリックストラップを採用していることが特徴である。このストラップは、水面をイメージした特徴的なパターンとなっており、本作と海洋保護の関係性を示すデザインとなっている。また本作の外装には、バイオマスプラスチックを使用し、ここでも環境負荷の小さい素材を使用している。
機能面では、MIP液晶を採用し、くっきりとした表示によって視認性が非常に高い。また、フルオートカレンダー、ワールドタイム、タイマー、ストップウォッチなどの充実した機能によって実用性が高い仕上がりだ。
赤提灯デザイン

クォーツ。樹脂ケース(縦48.9×横42.8mm、厚さ13.4mm)。20気圧防水。2万2000円(税込み)。
日本の下町で見られる風景をG-SHOCKに取り入れた奇抜なデザインのモデルも発表された。“赤提灯デザイン”の「5600シリーズ」Ref.DW-5600AKA-4JRと、「6900シリーズ」Ref.DW-6900AKA-4JRは、日本の酒場文化を象徴する赤提灯をモチーフとし、G-SHOCKの象徴である“耐衝撃”の文字をド派手に大きく描いたモデルだ。
いずれのモデルも外装は赤提灯らしいレッドのワントーンで、12時側から6時側にかけて大きく“耐衝撃”と、白で縁取った筆文字で描かれている。“衝”の文字は文字盤と重なるため、文字盤に印刷する形で表現されている。また、ベゼル部分には伸縮する提灯の折り目を思わせる水平のラインが施されている徹底ぶりである。加えて、ケースバックには、耐衝撃と描かれた提灯が刻まれている。
両モデル共に日本製となっており、日本らしいデザインの日本製G-SHOCKということで、外国人観光客からも注目を集めそうだ。

クォーツ。樹脂ケース(縦53.2×横50mm、厚さ18.7mm)。20気圧防水。2万2000円(税込み)。
EDIFICE

自動巻き。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径38mm、厚さ11.8mm)。10気圧防水。各4万9500円(税込み)。
EDIFICEの新作である「EDIFICE オートマチック」は、カシオ初の機械式腕時計として2025年6月に誕生したEDIFICE オートマチック EFK-100シリーズ(ケース径39mm)のデザインコードはそのままに、ケース径38mmとコンパクトに仕立てたモデルだ。
直線を基調とし、エッジが印象的なケースデザインで、サテン仕上げとポリッシュ仕上げを使い分け、コントラストの効いた意匠となっている。発表された3モデルは、シルバー文字盤のRef.EFK-110D-7A、ブラック文字盤のRef.EFK-110D-1AJF、ネイビー文字盤のRef.EFK-110D-2AJFとなる。いずれのモデルも、文字盤にはフォージドカーボンの特徴的なテクスチャーを再現したデザインが採用されている。これは、EDIFICEがモータースポーツの世界観を取り入れ、かつ2025年にリリースされたRef.EFK-100XPB-1AJFがフォージドカーボンをケースと文字盤に採用したことと連動したものだ。発表された新作では、浅い凹凸によって特徴的なテクスチャーを再現しており、光が入射する角度によって、表情が大きく変わる点が魅力である。
約42時間のパワーリザーブを備える日本製自動巻きムーブメントを搭載し、10気圧防水を備えるなど、実用性も高い仕上がりだ。
PRO TREK「PRW-B1000B-2JF」

タフソーラー。フル充電時約24カ月駆動(パワーセーブ時)。SS×樹脂ケース(縦50.8×横45.8mm、厚さ14.9mm)。20気圧防水。8万9100円(税込み)。
PRO TREK「クライマーライン」Ref.PRW-B1000B-2JFは、アウトドアギアらしいビッグケースデザインに、視認性の高い大口径文字盤を組み合わせたアナログ表示モデルに追加された新作である。デザインの着想となったのは、アウトドアアクティビティーの聖地である「ヨセミテ」である。ヨセミテは巨大な花崗岩の岩壁で知られており、花崗岩や、そこに写る空の青から、本作のカラーが決定された。9時位置のインジケーターの針は、かつてのロッククライマーが使用したピトンをモチーフとしたもので、自然への敬意と冒険心を表現したものとなっている。
PRO TREKらしい豊富な機能も特徴で、方位、気圧、高度、温度などの計測機能のほか、タフソーラーによる光発電、電波受信とBluetooth接続による自動時刻修正を備える。また、スマートフォンとの連携により、高度の自動補正や目的地の方角を確認可能で、ルートログ機能や、行動記録の保存も可能である。
ケースは難燃グレードのバイオマスプラスチック製で、ストラップには、インビスタ社が提供する強度と耐久性に優れたファブリックであるCORDURA re/cor™が使用される。
PRO TREK「PRW-69Y-1JF」「PRW-69YB-3JF」

タフソーラー。フル充電時約26カ月駆動(パワーセーブ時)。SS×樹脂ケース(縦52.5×横46.4mm、厚さ13.8mm)。20気圧防水。各4万8400円(税込み)。
PRO TREK「クライマーライン」の新作であるRef.PRW-69Y-1JFとRef.PRW-69YB-3JFは、アウトドアギアらしいビッグケースデザインに、大型の液晶画面を組み合わせ、時刻表示とコンパスの表示などを同時に映し出すことで、視認性と実用性を高めたモデルである。
この特徴的な文字盤はデュプレックスLCDであり、数字により時刻や気圧などを表示する層と、直線によりコンパスを表示する層を分けており、ふたつを重ねて表示しつつ、視認性を確保している。液晶画面にはLEDバックライトが備わっており、明るく点灯することで、こちらも視認性を高める仕様となっている。また、ケースは難燃グレードのバイオマスプラスチック製で、環境負荷低減に配慮したデザインとなっている。
Ref.PRW-69Y-1JFは、シルバーのケースに耐低温と高強度のタフネスと良好なフィット感を両立させたCNFラバーバンドを組み合わせている。Ref.PRW-69YB-3JFはグレーのケースに、インビスタ社が提供する強度と耐久性に優れたファブリックであるCORDURA re/cor製ストラップを組み合わせている。



