オシアナス“Indigo Ocean”に描き出された、移ろいゆく大海の表情

FEATURE その他
2026.06.24
PR:CASIO

優美な佇まいはそのまま、ブランドの象徴的カラーであるブルーの表現に深みを持たせ、ベゼルにも独創的なエレメントを取り入れるなど、近年のオシアナスは、より積極的なデザインワークを推し進めている。その最新作は、こうしたクリエイションが注ぎ込まれた、“阿波藍モデル”の発展形。広大な海を表現したインダイアルと、力強い波のうねりを想起させるベゼルの造形が、オシアナスのデザインテーマである蒼海の景色を鮮明に描き出している。

オシアナス マンタ OCW-S6000AP-1AJR

奥山栄一:写真
Photographs by Eiichi Okuyama
竹石祐三:編集・文
Edited & Text by Yuzo Takeishi
[2026年6月24日公開記事]


“青”の表現を追求し続けてきた阿波藍モデルの最新作

 オシアナスのフラッグシップラインであるマンタ。その最新作となる「OCW-S6000AP」は、3つのインダイアルを異なるトーンのブルーに彩って表情に奥行きを持たせ、ベゼルにはスパイラルカットを施すことで躍動感も与えた、オシアナスの審美性とカシオの技術力の高さが冴えわたる限定モデルだ。さらにこの時計は、阿波藍を用いてブルーを表現するシリーズの最新モデルでもある。シリーズ第4弾となる本作では「オシアナスが藍を使う意味」を再検討。「新しい青の表現」を追求したことで、過去の阿波藍モデルとは異なるデザインを作り上げた。

オシアナス マンタ OCW-S6000AP-1AJR

カシオ「オシアナス マンタ」Ref.OCW-S6000AP-1AJR
タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。Tiケース(縦47.1×横42.5mm、厚さ9.2mm)。10気圧防水。世界限定700本。49万5000円(税込み)。
商品ページ:https://casio.link/4b5pbLR

 2017年、カシオはオシアナスより「OCW-G2000C」に代表される、GPS、標準電波、Bluetoothでの時刻修正を可能とした、機能面での到達点とも言えるモデルを発表した。だがこの時期、腕時計に対するニーズの変化を感じ始めていた同社は、高機能であるだけではなく、日本の伝統技術やストーリー性をデザインに盛り込んだ時計の製作を開始する。こうして2018年に完成したのが江戸切子モデルであり、これに続く、オシアナスにふさわしいトラディショナルなブルーを探し求めてたどり着いたのが、徳島の阿波藍を用いたモデルだ。

 阿波藍モデルがスタートしたのは2020年で、テーマは“Japan Indigo”。第1弾のモデルでは阿波藍で絞り染めを施したレザーストラップを組み合わせるほか、S5000をベースとしたモデルではマザー・オブ・パール(以下MOP)のダイアルをぼかし染めで表現。続く第2弾、第3弾もダイアルやその下地を阿波藍で染色するなど、いずれも「藍染めを時計に用いる」ことにフォーカスしたクリエイションであった。

 もっとも、ダイアルを藍染めする技術を確立させるまでには、相当な試行錯誤が重ねられたという。阿波藍の染色は、蓼藍(たであい)を発酵させたスクモに灰汁などを加え、微生物の力で水に溶けた染料に布や糸を浸した後、空気に触れさせて発色させるのが一般的だ。しかしこの方法では、MOPに染色した色が剥がれてしまうことが判明。ほかの染色方法を探った結果、色素を凝縮させる沈殿法によって作られた青藍粉(せいらんふん)であれば色が安定することから、オシアナスではこの染色方法が用いられることになった。

歴代の阿波藍モデル

歴代の阿波藍モデル。(左)2020年にリリースされた第1弾シリーズのひとつ「OCW-S5000AP」。ダイアルには藍染めで用いられる絞り染めを表現。(中)2021年発売の「OCW-S5000APA」。MOPのダイアルは、沈殿法によって作られた染料を用い、藍染めの手法のひとつ叢雲(むらくも)染めを表現した。(右)2022年発売の「OCW-T4000AWB」。藍の染料をダイアルの下地に使用。絞り染めをイメージして、グラデーションが引き立つ表情に仕上げた。


スリーインダイアルに表現された大海の色彩

 最新作となるOCW-S6000APも、MOPのインダイアルに阿波藍の青藍粉を用いる手法を踏襲している。だが前述の通り、第4弾では「オシアナスが藍を使う意味」を再検討。これまでのように阿波藍を主体とするのではなく、「藍を手法としながらオシアナスらしい世界観を表現」する、つまり「ブランドのテーマである海を阿波藍で表現すると、どのようなデザインに仕上がるか」という、過去3作とは視点を変えた製品開発が行われた。

 こうして、“Indigo Ocean”とテーマを新たにして生まれたのが、阿波藍マルチカラーMOPダイアル。3つのインダイアルをそれぞれトーンの異なるブルーで着色し、グラデーションが感じられるように配置することにより、青い海が遠方に向かうにつれて徐々に淡い色調に変わっていくような、実にオシアナスらしいデザインを完成させた。

オシアナス マンタ OCW-S6000AP-1AJR

新たに考案された阿波藍マルチカラーMOPインダイアル。3つのインダイアルを濃いブルーから淡いブルーに色分けすることにより、遠方になるほどブルーが淡く見える海の見え方を表現した。対するメインダイアルはブラックの乾式メッキで着色し、光の当たり具合で微かにブルーが感じられるようにしている。

 濃淡の異なる3色のインダイアルを用意するため、インダイアルへの着色は従来よりも手間のかかる工程で行われている。青藍粉で調色した塗料を用いるのは従来と同様だが、移ろいゆく海の色を表現すべく、塗料には藍の含有量を変えたり、別の塗料を加えたりして、それぞれの色合いと色の濃度を調整。また、塗料はMOPの上品な模様がうっすらと見えるような厚さに吹き付けているが、それだけではマットな質感になってしまうため、藍染めした面にクリア塗装を重ねることで、光沢感のある──まるで太陽光が降り注ぎ、海面が煌めいているかのような、優美な表情に仕上げた。

 一方のメインダイアルは、透明マット印刷によって波をイメージしたパターンを施し、さらには“留紺(とまりこん)”をイメージしたブラックの塗装でダイアル全体を引き締めることで、インダイアルの存在感を高めている。この留紺とは、藍染めを繰り返し、これ以上は染まらない最終段階の色。留紺という表現を用いて阿波藍モデルとしてのストーリー性を強めるのみならず、ブラックの塗装には乾式メッキを用い、光が当たったときに微かにブルーが感じられるようにしているのも、心憎い演出だ。

オシアナス マンタ OCW-S6000AP-1AJR

上から12時、9時、6時位置のインダイアル。それぞれのダイアル形状にカットされたMOPには、青藍粉で調色した塗料を、貝の模様が見えるような薄さで吹き付けている。またインダイアルのカラーは、並んだときにバランスよく見えるよう、多くの色調の中から最適な組み合わせを見つけ出したという。


独創のスパイラルカットベゼルが描いたのは“猛々しい波”

 そして、OCW-S6000APのもうひとつのハイライトが、スパイラルカットが施されたサファイアクリスタルベゼルだ。ベゼルの側面と斜面にそれぞれ12面ずつのファセットカットを施すのみならず、天面には独自に開発された24面のスパイラルカットを加えることで、力強い波のうねりを表現した。ユニークなのはそのカット面だ。それぞれのカット面が緩やかなカーブを描きながら、サファイアクリスタルをえぐり込むように研磨し、まさに波のようなフォルムを作り上げている。

 この独創的なカットを実現するため、カシオでは新形状の刃物を開発。もっとも、この特殊な刃物を駆使すればスパイラルカットが作れるわけではなく、すべての面を均等な幅と深さに研磨しつつ、ひとつひとつの稜線をしっかりと立たせるには熟練した職人がその目で見極め、手を加えていく作業が必要になる。しかも、ダイヤモンドに次いで硬質なサファイアクリスタルへの加工となるため、1面の研磨にかかる時間も相当に長くなるという。

オシアナス マンタ OCW-S6000AP-1AJR

計24面のファセットカットと12面のスパイラルカットが組み合わされたサファイアクリスタルベゼル。とりわけスパイラルカットは、サファイアクリスタルの天面をえぐり込むように研磨するため、レギュラーモデルの「OCW-S6000」のベゼルが約3.1mm厚であるのに対し、本作では約3.6mm厚のサファイアクリスタルが使われた。

 また、天面と側面を研磨したベゼルをケースに載せただけでは淡白な印象を与えてしまうことから、ベゼルの裏面にはひき加工を施してベゼルとケースとの間にわずかな隙間を設けており、時計を真横から見ると、ケースがベゼルを掴むように組み上げていることが確認できる。裏面への処理はジュエリーでも見られる手法だが、これを利用することで、ユニークなベゼルの存在感を際立たせ、完成した時計に一層の艶やかさを与えている。

オシアナス マンタ OCW-S6000AP-1AJR

ベゼルの裏面にひき加工を施して斜面を作り、ケースとの間にわずかな隙間を設けることで、複雑な造形が丁寧に作り上げられたベゼルの存在感を強調している。


大海の色彩を引き立たせる“青”のエレメント

 阿波藍マルチカラーMOPダイアルと、スパイラルカット サファイアクリスタルベゼルが描く、広大な海の情景を引き立たせるべく、本作では外装パーツの随所にブルーが取り入れられている。

 カシオの時計には、ケースとブレスレットの表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)またはAIP(アークイオンプレーティング)加工を施したモデルが多く確認できるが、これは金属の表面に硬質薄膜を形成して耐傷性を高めるため。特にオシアナスやMR-Gなどの高価格帯モデルでは、表面硬度を高めるのみならず、DLCでは表現できない繊細な色を出すためにAIP加工が用いられる。

 本作のチタン製ケースとブレスレットにもAIP加工を施してグレイッシュなブルーで彩色。また、リュウズとプッシュボタンもブルーグレーIP(イオンプレーティング)で彩色することによって色調に統一感を持たせ、時計全体でオシアナスのテーマである海を表現している。

オシアナス マンタ OCW-S6000AP-1AJR

一見するとガンメタリックに映るチタン製のケースとブレスレットだが、表面にブルーAIPを施すことにより、ベゼルやインダイアルの色合いとの統一感を持たせている。

オシアナス マンタ OCW-S6000AP-1AJR

リュウズとプッシュボタンをブルーグレーIPで、プッシュボタンをカバーするボタンパイプをブルーIPでそれぞれ着色。軽やかなツートンカラーはデザインのアクセントになっている。

 阿波藍を使うことを主体としたJapan Indigoから、オシアナスのテーマである海を阿波藍で表現するIndigo Oceanへと方向性を変えたことにより、阿波藍モデルのデザインは新たなフェーズへと突入した。高機能でエレガントであることに加え、独創的なマルチカラーMOPインダイアルとスパイラルカットベゼルという、独創的なデザインエレメントを備えたOCW-S6000AP。オシアナスのフィルターを通して、伝統技術である阿波藍の魅力を存分に伝える傑作である。


海の色彩をまとったIndigo Oceanのバリエーション

 阿波藍を使ったIndigo Oceanのオシアナスには、OCW-S6000APのほか、ふたつのバリエーションも用意されている。MOPのインダイアルで海の情景を表現するデザインは3モデルとも共通だが、ベゼルやケース、ブレスレットに違いを持たせている。各モデルの個性を見極めながら、魅力を感じられる1本を手にしてほしい。

オシアナス マンタ OCW-S7000AP-1AJF

カシオ「オシアナス マンタ」Ref.OCW-S7000AP-1AJF
S7000シリーズをベースに、MOPのインダイアルを阿波藍で彩色した、世界1300本の限定モデル。タキメーターがあしらわれたサファイアクリスタル製のベゼルはブルーのグラデーション蒸着で彩られ、インダイアルの配色とシンクロしながら、大海の色調を表現している。タフソーラー。フル充電時約19カ月駆動(パワーセーブ時)。Tiケース(縦47.5×横42.8mm、厚さ9.5mm)。10気圧防水。世界限定1300本。26万4000円(税込み)。
商品ページ:https://casio.link/44o4o2o

オシアナス OCW-T2600AP-1AJF

カシオ「オシアナス」Ref.OCW-T2600AP-1AJF
ダイアルのデザインはS7000APと共通ながら、こちらは新色のネイビーIP処理を施したチタン製ベゼルを採用した、シンプルな表情が持ち味。チタン製のケースとブレスレットが軽快な装着感をかなえつつ、丁寧なポリッシュとヘアライン仕上げによって上品さも感じさせる。タフソーラー。フル充電時約22カ月駆動(パワーセーブ時)。Tiケース(縦48.2×横42.8mm、厚さ10.7mm)。10気圧防水。日本限定800本。15万4000円(税込み)。
商品ページ:https://casio.link/43LgHWr



Contact info:カシオ計算機お客様相談室 Tel.0120-088925
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