タグ・ホイヤーの新生ダイバーズウォッチ「アクアレーサー プロフェッショナル 300」

FEATUREWatchTime
2021.06.08

タグ・ホイヤーのアクアレーサーコレクションへ2021年に追加された「アクアレーサー プロフェッショナル 300」は、アイコニックな12角形のベゼルはそのままに、剣型の針、8角形のインデックス、微調整が可能な新しいフォールディングクラスプ、6時位置の日付表示(丸い拡大レンズ付き)などを新たに採用した。結果として、全体がより成熟した、クリーンな外観へと生まれ変わった。WatchTime編集部による撮り下ろしの写真とともに紹介する。

アクアレーサー プロフェッショナル 300

「アクアレーサー プロフェッショナル 300」。自動巻き(cal.5)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径43mm)。300m防水。35万7500円(税込み)。
Originally published on watchtime.com
Text by Roger Ruegger
2021年6月8日掲載記事

 アクアレーサー プロフェッショナル 300の発表に際し、タグ・ホイヤーは次のように述べた。「アクアレーサー プロフェッショナル 300の製作において、タグ・ホイヤーのデザイナーたちは明確なコンセプトに基づいて作業を行いました。それは、大胆かつ高性能で、人間工学に基づいたタグ・ホイヤーらしいダイバーズウォッチを作ることでした。それに加えて、タグ・ホイヤーのダイバーズウォッチの伝統を尊重したいと考えました」。

タグ・ホイヤーのダイバーズウォッチの歴史は、ホイヤーのRef.844から始まっている。Ref.844は1978年に発表されたダイバーズウォッチで、ダイバーズウォッチ市場に専用モデルで参入することを比較的遅く決断したホイヤーは、シンプルなケースと文字盤のデザインを採用した。Ref.844ではメルセデス型の時針が採用され、プロフェッショナルたちが24時間で時間を報告するための手軽な換算表としてレッドの24時間目盛りが配された。2004年には、アクアレーサーコレクションが確立された。

アクアレーサー プロフェッショナル 300

アイコニックな12角形のベゼルはそのままに進化したアクアレーサー プロフェッショナル 300。

 タグ・ホイヤーCEOのフレデリック・アルノーは、「アクアレーサー プロフェッショナル 300は、多くの人に愛されてきたストーリーを取り入れながら、アクアレーサーのコレクションを次の段階へと推し進めた」と語る。最初に取り掛かったのが、アイコニックな12角形の逆回転防止機能付き回転ベゼルだ。デザイナーたちは基本的な形状はそのままに、傷の付きにくいセラミック製のインサートをコレクション全体に採用した。また、ベゼルの内部の歯形を再設計し、回転機構がよりスムーズで静かなものとなるようにした。

 サファイアクリスタル製風防も見直しが図られている。6時位置のデイト表示のサイクロプスレンズは風防の内側に設けられたため、表面はなめらかな状態を保っている。ベゼルのシルエットは全体のデザインベースとなり、アワーマーカーは8角形、リュウズは12角形といった形状だ。幅広な剣型の時針と細い分針の対比も絶妙で、暗所では異なるカラーに浮かび上がる。時針とアワーマーカーにはグリーンのスーパールミノバ®が、分針と秒針、ベゼルのマーカーにはブルーのスーパールミノバ®がそれぞれに塗布されている。

アクアレーサー プロフェッショナル 300

グリーンとブルーの2色のスーパールミノバ®を採用。

 ケース、ベゼル、メタルブレスレットの全てがスリムダウンしたが、時計の300mという防水性能は担保された。新バージョンのラグはより短くなり、ケースのエッジは面取りが施されたポリッシュ仕上げとなっている。その結果、着用時の印象はより軽やかなものとなった。

アクアレーサー プロフェッショナル 300

6角形や12角形の角張ったモチーフを多用したケースバック。

 ケースバックには、2004年にアクアレーサーのケースに初めて採用された、有名なシェル構造のダイビングスーツのモチーフが戻ってきたが、ダイビングヘルメットをより角張ったものにし、フェイスプレートは12角形とされた。その背景では、6角形のパターンが繰り返されている。

 本モデルの展開は、2サイズで合計7モデルが用意されている。そのうち4つのモデルはケースの直径が43mmで、3つのモデルは36mmだ。いずれも、セラミックスのインサートとミニッツスケールが刻印された逆回転防止機能付きベゼルを備えている。このうち6本はステンレススティール製で、文字盤はブラック、ブルー、シルバーが揃っている。

アクアレーサー プロフェッショナル 300

チタンケースを採用した特別仕様の「アクアレーサー プロフェッショナル300」。自動巻き(cal.5)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。チタンケース(直径43mm)。300m防水。49万5000円(税込み)。

 残る1本は特別仕様だ。グリーンダイアルと、マット仕上げのチタンを直径43mmのケースに採用した「アクアレーサー プロフェッショナル300」である。

アクアレーサー プロフェッショナル 300

直径36mm、もしくは43mmで、文字盤のデザインが異なる。

 サイズによって異なる文字盤の仕上げも必見だ。直径43mmのモデルには、現行のアクアレーサーの特徴的なデザインである、平行に走るエングレービングが施されている。これに対して直径36mmモデルの文字盤のデザインは、2019年に採用された波模様だ。ブルーの36mmモデルはアワーマーカーにダイヤモンドがあしらわれ、ブレスレットのセンターリンクはポリッシュ仕上げであるなど、モデルごとに細かな仕様の違いが設定されている。一体型のメタルブレスレットが採用されていることは全モデルに共通で、ブレスレットの長さを最大1.5cmまで調整できるシステムが組み込まれている。

アクアレーサー プロフェッショナル 300

直径43mmのシルバーダイアルモデル。自動巻き(cal.5)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース。300m防水。35万7500円(税込み)。

 以上のモデルは2021年6月に発売予定だ。そしてさらにアクアレーサー プロフェッショナル 300からは9月にも新たな限定モデルの発売が予定されている。それが「アクアレーサー プロフェッショナル 300 Ref.844トリビュート」だ。これは往年のダイバーズウォッチRef.844の再現度を更に高めたものであり、赤色の24時間目盛りや、ヴィンテージ調の蓄光塗料、オリジナルにも見られた8角形のパンチがあるラバーストラップなどがその外観的な要素である。これは世界限定844本が生産される予定だ。

アクアレーサー プロフェッショナル 300

「アクアレーサー プロフェッショナル300 Ref.844 トリビュート」。自動巻き(cal.5)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。チタンケース(直径43mm)。ラバーストラップ。300m防水。世界限定844本。51万7000円(税込み)。


Contact info: LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー Tel.03-5635-7054


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