最近流行りのラグジュアリースポーツウォッチ、定義はあるの?

FEATUREぜんまい知恵袋
2022.03.04

Q:最近流行りのラグジュアリースポーツウォッチ、定義は?

最近ラグジュアリースポーツウォッチというジャンルが流行っていますが、このジャンルに定義はあるのでしょうか? どんな時計をラグジュアリースポーツウォッチと呼ぶの?

広田雅将

2022年3月4日掲載記事


A:外装の作りが良いことが最低条件。そのほかにも6つの要素が求められます

 時計業界の主流となったのが、いわゆるラグジュアリースポーツウォッチです。1972年のオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」に始まったこのジャンルの時計は2010年代以降、さまざまなメーカーが取り組むようになりました。その最低条件は外装の作りが良いこと。最近は加えて、新しい要素が求められるようになりました。

フリースプラングテンプの採用

フリースプラング

 機械式時計の遅れ進みを調整する緩急針に変えて、テンプの錘を調整するのがフリースプラングテンプです。ショックに強いこの機構は、スポーツウォッチにはうってつけです。一昔前はパテック フィリップとロレックスしか使っていませんでしたが、今ではかなり普及するようになりました。もっとも、フリースプラングテンプが載ってなくても、ショックに強いムーブメントは多くあります。

ブレスレットのコマがネジ留め式

ブレスレット ショパール

 チタン製のブレスレットや薄いブレスレットを除いて、ブレスレットのコマはネジ留め式であるほうがいいでしょう。強いショックを受けても、ブレスレットが壊れる可能性は低くなります。

優れた装着感

ブライトリング クロノマット

 これはもともと、1972年のロイヤル オークが実現していたものです。各メーカーが装着感を重視するようになった現在、着け心地はより欠かせない要素となりました。仮に重い時計であっても、時計部分とブレスレット部分の重さのバランスが取れていれば、着け心地は良いはずです。

100m以上の防水性能

ロレアート

 昔はいざしらず、今ラグジュアリースポーツウォッチと呼ばれる時計には、最低100mの防水性能が必要となります。以前は薄いケースに100m防水を実現するのは難しかったですが、技術の進歩により可能になりました。

ポリッシュとサテン仕上げを組み合わせた外装

ケースサイド

 ポリッシュ(鏡面)仕上げとサテン(筋目)仕上げのコントラストは、ラグジュアリースポーツウォッチには欠かせない要素です。前者は時計に高級感を、後者はスポーティーさを与えます。最近は、このふたつを組み合わせることで、時計の立体感を強調するようになりました。

十分な蓄光塗料

ベル&ロス 文字盤

 スポーツウォッチをうたう以上、針とインデックスには夜光塗料が施されているべきです。


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