ロレックスからスウォッチまで! いま最もアツい腕時計のトレンドカラー【アイスブルー文字盤】2022年モデルまとめ

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2022.12.09

ロレックスが採用したアイスブルー文字盤や、パテック フィリップがティファニーとのパートナーシップ締結170周年を記念して限定生産したティファニーブルー文字盤で注目を集め、現在新たなトレンドカラーとして人気急上昇中のアイスブルー。今回は2022年に発表された、アイスブルーの文字盤を採用したモデルを一挙に紹介する。

アイスブルー文字盤


新たなトレンドカラーは人気急上昇中のアイスブルー

 近年は腕時計のトレンドカラーが新作モデルに顕著に表れるようになった。ブルー、グリーンと来て、2022年は間違いなくアイスブルーである。

 このトレンドの火付け役となったのは、2020年に発表されたロレックス「オイスター パーペチュアル 41」のターコイズブルーモデルと、2021年に話題をさらった、ティファニーブルー文字盤のパテック フィリップ「ノーチラス」だろう。著名な大手ブランドが立て続けに採用したことでも世界的な話題となり、腕時計に爽やかな印象を与えるアイスブルーは、1〜2年の間でたちまち人気色となった。だが、最も早くアイスブルー文字盤をリリースしたのは、ロレックス「コスモグラフ デイトナ」のプラチナケースで、俳優の木村拓哉さんも愛用している。

ノーチラス

パテック フィリップ「ノーチラス 5711/A-018」は、ティファニーとのパートナーシップ170周年を記念したモデルで、170本のみが製作された。ティファニーブルーという絶妙な色をこの時計で実現したのは、パテック フィリップ傘下の文字盤メーカーであるフルッキガー。文字盤表面の凹凸をしっかり残しつつ、均一な色味にするために採られた手法は、薄塗りのラッカー塗装だ。

 また、このトレンドの背景には、文字盤を含む外装の製造技術が向上していることが大きく関係する。その結果、腕時計ブランドは新作モデルに個性的な色味と質感を与えやすくなり、表現の幅が広がったのだ。今回は文字盤の質感や仕上げに焦点を当て、2022年1月〜6月に発表された新作を製法別に紹介する。


皮膜による光沢感が魅力のコーティング文字盤

 アイスブルー文字盤を製造するうえで多く用いられる手法のひとつがメッキやPVDである。硬質皮膜を金属に蒸着させるPVDによる文字盤は、すべてに共通して美しい金属光沢を持っている。皮膜が極めて薄いため、サンレイやギヨシェなどの仕上げと併用するには最適である。

ロレックス

PVDによるコーティングの処理は、窒素などの不活性ガス中でアルミニウムやバナジウム、モリブデンなどの金属を表面に蒸着させる化学的な処理だ。膜が硬く丈夫であるが故に、激しい動きを想定したスポーツウォッチなどの“実用時計”の外装に多く見られる。写真は2022年4月に発表されたロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト 40」の文字盤。ロレックスはこの「アイスブルー」と称す文字盤のカラーを、プラチナ製の一部モデルにのみ採用する。

ロレックス

オイスター パーペチュアル デイデイト 40

ロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト 40」
自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。Ptケース(直径40mm)。100m防水。価格要問い合わせ。

 ロレックスを代表する「オイスター パーペチュアル デイデイト」の新作は、初めてフルーテッドベゼルにまでプラチナを採用したことがトピックだ。ロレックスにとっての特別なシグネチャーとして確立された透明感のあるアイスブルー文字盤は、ホワイトゴールド素材と比較してより白い輝きを放つプラチナとの相性が良く、表面に施されたサンレイ仕上げが上品に放射状の光を反射する。

オーデマ ピゲ

ロイヤル オーク オートマティック

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オートマティック」
自動巻き(Cal.5900)。29石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径37mm、厚さ9mm)。50m防水。302万5000円(税込み)。

 2022年に50周年を迎えたロイヤル オーク。直径37mmの「ロイヤル オーク オートマティック」もアニバーサリーイヤーを祝う1本で、特別に開発されたローターに50周年のロゴをあしらっている。手動のマシンで彫られた、コレクションを象徴するグランドタペストリーダイアルは、PVDコーティングによって透明感のあるアイスブルーカラーに仕上がっている。

オメガ

デ・ヴィル プレステージ パワーリザーブ&スモールセコンド

オメガ「デ・ヴィル プレステージ パワーリザーブ&スモールセコンド」
自動巻き(Cal.8810)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。 SSケース(直径41mm、厚さ10.77mm)。30m防水。71万5000円(税込み)。

 ドレッシーな印象を持たせる「デ・ヴィル プレステージ」コレクションの第3世代となる新作群のひとつ。ダイアルの仕上げは、2-in-1フィニッシュというオメガ独自のものが採用されており、ランダムな縦方向のパターンと、放射状のサンブラッシュを組み合わせたものだ。9時位置にスモールセコンド、6時位置にパワーリザーブインジケーターを備える実用機である。

フランク ミュラー

ヴァンガード マリナー V41

フランク ミュラー「ヴァンガード マリナー V41」
自動巻き。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(縦50×横41mm)。日常生活防水。139万7000円(税込み)。

 クルーザーでの航海をテーマにしたフランク ミュラーの「ヴァンガード マリナー V41」こそ、夏の海で“映える”1本だろう。既存の「ヴァンガード マリナー V45」から縦横3mmずつサイズダウンさせた新シリーズである。手の込んだ作りの文字盤中央は、航海の指針となる古典的な方位計をモチーフとしたデザイン。3時と9時位置のインデックスは、数字に代えて“East”と“West”を示す英文字がポイントだ。

チャペック

アンタークティック パサージュ・ドゥ・ドレーク グレイシャー ブルー

チャペック「アンタークティック パサージュ・ドゥ・ドレーク グレイシャー ブルー」
自動巻き(Cal.SXH5)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約56時間。SSケース(直径40.5mm、厚さ10.6mm)。120m防水。294万8000円(税込み)。

 チャペックに大変化をもたらした「アンタークティック」コレクションに加わったレギュラーモデル。アンタークティックの文字盤は複数のバリエーションが用意されるが、本作はドレーク海峡の氷河をイメージし、PVDによる明るいブルーが特徴で、「Stairway to Eternity(永遠への階段)」と名付けられたパターンが施されている。台形が重なるような規則的にエングレーブされた表面は影を作り出すほどに深みがある。

ティソ

ティソ PRX クォーツ 35mm

ティソ「ティソ PRX クォーツ 35mm」
クォーツ(Cal.10 1/2”)。3石。SSケース(直径35mm、厚さ9.67mm)。10気圧防水。5万6100円(税込み)。

 人気を誇るティソ PRXコレクションに追加された、ケース径35mmの新シリーズ。4モデル中のひとつがこのグレイッシュなアイスブルー文字盤で、非常にシルバーに近い薄い色味だ。サンレイ仕上げの文字盤はもちろん、オリジナルを再解釈したケースや一体型のブレスレットの仕上がりは、価格以上のクォリティである。