なぜウブロは支持されるのか?その先見性を示す5つのポイントを紹介

FEATUREWatchTime
2022.10.20

スイスの高級時計ブランドの中で最もクリエイティブなブランドのひとつ、ウブロ。展開される主要なコレクションは現在、ビッグ・バン、スピリット オブ ビッグ・バン、クラシック・フュージョン、スクエア・バン、MPなどさまざまなバリエーションがある。そのほとんどのモデルに、普通では考えもつかない斬新なアイデアを見ることができる。ウブロの先見性を示す、5つの具体例を紹介する。

ビッグ・バン インテグラル グレーセラミック

2020年発表の、統合ブレスレットを備えたビッグ・バン インテグレーテッド コレクションに加わった「ビッグ・バン インテグレーテッド グレーセラミック」。
Originally published on WATCHTIME.NET
Text by Rüdiger Bucher
(2022年10月20日掲載記事)

クリエイティビティを発揮し続けるウブロ

 ウブロは、高級時計ブランドの中で最もクリエイティブなブランドのひとつである。色や素材を駆使し、ベーシックなコレクションから驚きを呼ぶような限定モデル、時にはスポーツや流行のテーマに特化した限定モデルまで展開する。華やかな舞台の裏側には、トゥールビヨンやミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダーなどの複雑機構まで、自社で製造する能力が秘められているのだ。自社製の自動巻きクロノグラフ「ウニコ」であるキャリバーHUB1240、そしてカテドラル式のミニッツリピーター、フライングトゥールビヨン、クロノグラフを搭載したキャリバーHUB8100は、そのハイライトといえるだろう。

HUB8100

ミニッツリピーター、フライングトゥールビヨン、クロノグラフを搭載したキャリバーHUB8100。

 ウブロは1980年にイタリア人のカルロ・クロッコが創業し、2004年以降に当時ブランパンだったジャン-クロード・ビバーの指揮の下、急激な成長を遂げる。そして2008年にはLVMHグループの傘下に入った。ブランパン時代からビバーと共に仕事をしてきたリカルド・グアダルーペが、2012年以降CEOとしてウブロを率いている。

1.「アート・オブ・フュージョン」

MP-09 トゥールビヨン バイ-アクシス 5 デイズ パワーリザーブ 3Dカーボン

ユニークな2軸のトゥールビヨンを搭載した、独創的なコンプリケーションウォッチ「MP-09」コレクション。写真は、初のカラー3Dカーボン素材を採用した「MP-09 トゥールビヨン バイ-アクシス 5 デイズ パワーリザーブ 3Dカーボン」だ。

 ウブロは「アート・オブ・フュージョン」というコンセプトを掲げている。“過去”と“現在”を結び付けるのが、ウブロのスタイルだ。ウブロの時計には、ゴールドやステンレススティール、真鍮などの伝統的な素材と、カーボンやラバーなどの新素材が組み合わされている。デニムやリネン、コンクリートといった素材も、時計に採用しているのだ。

 また、スイス・ニヨンの工場にある特別な製造ラインで生産される、ゴールドとセラミックスの合金「マジックゴールド」や、複数の層からなり、最も多様な形状に成形できる複合材料、いわゆる3Dカーボンなどの新素材を開発している。

2. 素材の多様性

スピリット オブ ビッグ・バン ゴールドクリスタル

独自技術による「ゴールドクリスタル」で装飾された「スピリット オブ ビッグ・バン ゴールドクリスタル」。

 ウブロはケースに、さまざまな斬新な素材を使用している。これまで使われてきたのは、アルミニウム、コンクリート、デニム、ダイヤモンド、貴石、ステンレススティール、ガラス、ウブロニウム(アルミニウム・マグネシウム・マンガンの特殊合金)、カーボン、3Dカーボン、ラバー、セラミックス、グラスファイバー、レザー、麻、マジックゴールド、マグネシウム、ノーメックス、オスミウム、プラチナ、レッドゴールド、サファイアクリスタル、レース、タバコ、タンタル、テクサリウム(カーボン・ファイバーグラス)、チタン、タングステン、ジルコニウムなどがある。

 またウブロは、特に鮮やかなカラーのセラミックスに自負を持っている。この色はセラミックスでは長い間実現できなかったものだ。鮮やかな赤は、24Kゴールドを加熱し、揮発した金原子を冷却してランダムな結晶構造にする「ゴールドクリスタル」と呼ばれる最新技術により生み出された。ウブロはこのゴールドクリスタルを文字盤に配した「スピリット オブ ビッグ・バン ゴールドクリスタル」も製作している。

3. オールブラック

クラシック・フュージョン タカシムラカミ オールブラック

ウブロ×村上隆コラボレーションモデル第1弾の「クラシック・フュージョン タカシムラカミ オールブラック」(完売)。

 ウブロはブラック、それもオールブラックを得意とする。2006年、ウブロはブランド初となる時計全体が黒で覆われた「オールブラック」を発表し、時計業界に衝撃をもたらした。黒いケースに黒い文字盤、そして黒い針を組み合わせたこのモデルは、当初一部からの冷笑や批判の対象となった。しかし現在、オールブラックのモデルは時計業界に根付いている。

 オールブラックはエレガントで男性にも女性にもマッチし、3針モデルからトゥールビヨン搭載モデルまで、あらゆるモデルに採用されている。ウブロは視認の難しいこの仕様で大きな成功を収めており、他ブランドはこれに追随してきた。2021年に発表された「クラシック・フュージョン タカシムラカミ オールブラック」が瞬時に完売したことも記憶に新しい。

4. タトゥーアートの採用

マキシム・ビューチ

ウブロとコラボレーションを手掛けるスイスのタトゥーアーティスト、マキシム・ビューチ。

 ウブロはロンドンのタトゥーアーティスト、マキシム・ビューチとのコラボレーションモデル「サンブルー」を展開し続けている。マキシム・ビューチが得意とするのが幾何学的なモチーフだ。これを用いて、サンブルーシリーズの時計は従来の時分針を必要とせず、オープンワークを施した幾何学的な8角形の3枚のディスクで時間表示を行う。ウブロとビューチの共同制作はさらに進化し、ビッグ・バンの特徴的なラウンドベゼルにも、特徴的な幾何学模様が施されるようになった。

ビッグ・バン ウニコ サンブルーII チタニウム ブルー

2020年に発表された「ビッグ・バン ウニコ サンブルーII チタニウム ブルー」。

5. サッカーとの提携

 2006年以来、ウブロは世界で最も人気のあるスポーツのひとつ、サッカーとの提携を発表し、試合やクラブ、選手やコーチなどと数多くのパートナーシップを築いてきた。重要なサッカーの試合が行われる場所には、ウブロの関係を見ることができるだろう。ユヴェントス、チェルシー、アヤックス・アムステルダム、SLベンフィカなどの名門クラブのオフィシャルタイムキーパーを務め、オフィシャルウォッチにも採用されている。

女子ヨーロピアン・フットボールチャンピオンシップ

ウブロは、2022年に英国で開催された女子ヨーロピアン・フットボールチャンピオンシップのオフィシャルタイムキーパーを務めた。

 それだけでなく、ウブロはFIFAのオフィシャルタイムキーパーを務めており、UEFA主要大会のオフィシャルウォッチでもある。2020年からは、プレミアリーグのオフィシャルタイムキーパーにも就任した。また、キリアン・ムバッペなどの現役選手、ジョゼ・モウリーニョなどの監督、ペレなどのレジェンドたちとパートナーシップを結んでいる。

 そうした背景から、ウブロは定期的に特別な限定モデルを手掛けているほか、試合会場の周辺広告やスタジアム内の大型時計など、さまざまな形でサッカーを盛り上げている。第4審判の交代やロスタイムを示すために使用するサインには、ウブロのロゴが配されている。さらに、ウブロは定期的にさまざまなチャリティーイベントを開催し、ロベルト・カルロスやマルセル・デサイーなど、引退した偉大な選手をサッカー場に集めている。


Contact info: LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ Tel.03-5635-7055


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