タグ・ホイヤー 永遠なるカレラとカーレース界の栄光を寿ぐ

2023.12.09

タグ・ホイヤー「カレラ」の誕生60周年を祝う本作は同時に日本カーレース界の精神と伝説を語るべく、燦然たる紅白の輝きをまとって誕生した。その背景には、卓越したシナジーの融合があった。

タグ・ホイヤー カレラ×チーム イクザワ by バンフォード

タグ・ホイヤー カレラ×チーム イクザワ by バンフォード
カレラ60周年記念モデルの8作目。純白の文字盤はホワイトオパーリン仕上げで、真紅とのコントラストが映える。ロジウムプレート、ポリッシュ仕上げのインデックスと針には白色のスーパールミノバとレッドラッカーを施し、スポーティーさと洗練性を両立する。自動巻き(Cal.ホイヤー02)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径42mm)。100m防水。世界限定100本。完売。
Text by Tomoyo Takai
Edited by Yukiya Suzuki (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2024年1月号掲載記事]


タグ・ホイヤー「カレラ」の誕生60周年モデル

 2023年で誕生60周年を迎えたタグ・ホイヤーのカレラ。この節目を祝う華やかな記念モデルが続々と披露される中、ひときわ強く目を引くのが、純白の中に真紅のアクセントをあしらった「タグ・ホイヤー カレラ×チーム イクザワby バンフォード」だ。鮮烈な発色は、見る者の心を高揚させる。

生沢徹

黎明期の日本モータースポーツ界のスーパースター、生沢徹。1963年、「第1回日本グランプリ自動車レース大会」で四輪レーサーとしてデビューし、67年の第4回大会でポルシェ906(通称カレラ6)に乗り優勝。ヨーロッパを拠点にF3、F2レースで活躍。海外レースのパイオニアとなり、日本にカーレース人気を生んだ。現在、チーム イクザワ主宰。

 本モデルは名前の通り、チーム イクザワとのコラボレーションから生み出されたものである。チーム イクザワ、つまり1960年代の日本にポルシェの存在を知らしめた伝説のレーシングドライバー、生沢徹が主宰するブランドだ。タグ・ホイヤーCMOのジョージ・シズはこう語る。「本作には、日本でのレースの光明とも言えるチーム イクザワと日本文化への敬意を最大限に込めました」。

タグ・ホイヤー カレラ×チーム イクザワ by バンフォード

時計には生沢徹へのオマージュとして、ポルシェ監修の下、製作されたミニチュアカーが付属する。これは第4回日本グランプリ自動車レース大会で生沢が優勝を果たした際に乗っていたポルシェ906を64分の1サイズで模したものだ。車体には8号車のマークをはじめ、ペプシやRACING MATE、VANなどスポンサーのロゴまで忠実に再現されている。

 デザインを担ったのは、時計のカスタマイズにおける覇者、バンフォード ウォッチ デパートメントのジョージ・バンフォードだ。チーム イクザワを象徴するのは、丹頂鶴があしらわれた赤と白のリバリー。コントラストの強いこの配色を、バンフォードは見事カレラに溶け込ませ、かつ洗練を極めた。同氏は語る。「私はデザインを施す際、アクセントカラーを最重視しています。カラーこそ人に活力を与えるものですから」。2色を単に乗せただけではない。均整を取るため、例えば赤のトーンを面積に応じて変えるなど、一瞥では分からぬ微調整が随所になされている。バンフォードが続けた。「赤と白という難しい配色に挑戦できたのは、先見性のあるタグ・ホイヤーと私たちが信頼し合い、パッションを共有できたからです」。

 この3者は2年にわたり侃侃諤諤の議論を交わし、本作を完成へと導いた。カーレーシングの精神の見事な融合、その背景には彼らの熱い友情の物語がある。

ジョージ・シズ、ジョージ・バンフォード、生沢舞

(左から)製作を統括したタグ・ホイヤーCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)のジョージ・シズ、タグ・ホイヤーとタッグを組んだバンフォード ウォッチ デパートメントのジョージ・バンフォード、チームイクザワのクリエイティブディレクターであり、生沢徹の娘である生沢舞。本作のアイデアは、2021年に北欧で行われた氷上のカーレースイベントでのこの3者の出会いから芽生えた。



Contact info: LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー Tel.03-5635-7054


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