G-SHOCKは、タフネスを追求した腕時計だ。カジュアルな印象も強いかもしれないが、そんな中で「MT-G」は、カジュアル、スポーティーすぎるといった概念を超えた、大人のためのコレクションである。樹脂とメタルを融合させた独自の構造によって高級感と耐久性を両立ていることが特徴だ。今回は、そんな「MT-G」の魅力を徹底解説する。
「MT-G」とは?
MT-Gは、G-SHOCKの持つ耐衝撃性とメタルの高級感を融合させたコレクション。異素材を組み合わせることをコンセプトに、1999年誕生した。それまでのG-SHOCKは耐衝撃性能を重視し、基本的に樹脂製ケースが主流だった。しかし、MT-Gはその概念を覆し、メタルの堅牢さと樹脂のしなやかさを融合させたハイブリッドな構造を採用することで、新たな魅力を生み出した。
すなわちこのシリーズの最大の特徴は、G-SHOCKらしいタフさを維持しつつも重厚感と高級感をプラスしている点だ。異素材の特性を生かすことで、スポーティーでありながら洗練されたデザインを実現しているのだ。
また、MT-Gのラインナップはすべてアナログ表示を採用している点も魅力のひとつだ。G-SHOCKといえばデジタル表示のイメージがあるかもしれない。しかしMT-Gはメカニカルなアナログデザインを採用することで、大人の男性が違和感なく着用できるスタイルに仕上がっている。MT-Gは、アナログ針の動きと金属の重厚感が融合することで洗練された印象を与えるため、ビジネスシーンでもなじみつつ、手元で存在感を放ってくれる。
技術的にも進化を遂げた最新のMT-Gシリーズは、カーボンコアガード構造を採用することで、さらなる軽量化と高強度を実現。樹脂の柔軟性とカーボンの強度を組み合わせたフレームが、メタル外装をしっかりと支え、衝撃からムーブメントを守る役割を果たしている。さらに、Bluetoothによるスマートフォン連携や、GPSハイブリッド電波ソーラーなどの先進機能も搭載されているモデルもあり、見た目だけでなく実用性にも優れている。
さらにポリッシュ仕上げを施した金属ケースや立体的な文字盤、カラーバリエーションの豊富さなど、デザイン性への高さを追求している点も、特筆すべきだ。カジュアルウォッチでありながら、ラグジュアリーな雰囲気を併せ持ち、さまざまなシーンで活躍できるのがMT-Gの魅力と言えよう。

誕生から20年以上が経過し、当初のモデルとは大きく異なる進化を遂げているMT-G。「樹脂と金属の融合」というコンセプトは変わらず、今なおG-SHOCKの中で独自の存在感を放ち続けている。
MT-Gにはどんな種類があるの?
G-SHOCKの中でもひときわ洗練されたデザインと堅牢な構造を誇るMT-Gシリーズ。「MTG-B1000」「MTG-B2000」「MTG-B3000」と進化を続けるラインナップは、それぞれ異なる特徴を持ち、多彩なニーズに応える。今回は、MT-Gの主要モデルを詳しく紹介する。
MTG-B1000シリーズ
MTG-B1000シリーズは、MT-Gの代表的なモデルだ。頑強なデザインとシックな仕上がりが特徴で、G-SHOCKの耐衝撃構造に加えて、より上質な装着感と機能性を追求している。G-SHOCKのDNAを受け継ぎながら、樹脂と金属を組み合わせた独自の構造によって、これまでにない存在感を漂わせている。
耐衝撃構造の要となるコアガード構造は、モジュールを樹脂製のインナーケースで包み込み、メタル製の外装でしっかりと保護する仕組み。これにより、外部からの衝撃を吸収しつつ、金属の重厚感を活かした頑強なデザインを実現している。また、トリプルGレジストによって耐衝撃性だけでなく、遠心重力や振動にも強い構造となっており、過酷な環境でも高いパフォーマンスを発揮する。
ブレスレットにはレイヤーコンポジットバンドを採用し、メタルの裏側にファインレジン製パーツを組み込むことで、強度を確保しながらも軽量で快適な着け心地を実現。見た目の重厚感とは裏腹に、長時間の装着でもストレスを感じにくい仕様となっている。さらに20気圧防水を備え、アウトドアからビジネスシーンまで幅広い環境で安心して使用できる。
機能面でも優れた性能を誇り、ソーラー充電システム「タフソーラー」を搭載することで日光や室内光で充電が可能。定期的な電池交換の必要がなく、長期間にわたって安定した駆動を提供する。さらに、世界6局の標準電波を受信するマルチバンド6にも対応し、正確な時刻を維持できるのも大きな魅力だ。Bluetoothによるスマートフォン連携機能も搭載しているため、専用アプリを通じて簡単に時刻合わせや各種設定を行える。
MTG-B2000シリーズ

従来のメタルコアガード構造に加え、新たにカーボンコアガード構造を取り入れた「デュアルコアガード構造」を採用し、強度と軽量性を両立したMTG-B2000シリーズ。メタルのフレームにカーボンファイバー強化樹脂のモノコックケースを組み合わせることで、高強度、高気密、軽量化を実現し、堅牢ながらも快適な装着感を実現している。
ベゼルフレームには、カーボンとグラスファイバーのシートを235枚積層して削り出し、ステンレススティール製のモデルと比べて約77%もの軽量化を実現した。特に、MTG-B2000XDでは、ベゼル天面にカーボン特有のパターンを施し、側面には新開発のグリーンとブラックの積層模様を採用。スポーティーな印象の中に、洗練された個性を加えている。
ブレスレットには、メタルとファインレジンパーツを組み合わせた「レイヤーコンポジットバンド」を採用。これにより、メタルの高級感を持ちながらも軽量で快適な装着感を提供する。金属粉末射出成形(MIM)によるメタルパーツの中空化で、さらなる軽量化も実現。バンドの着脱が簡単にできるダブルスライドレバー構造で、利便性も向上している。
細部もしっかり仕上げられており、メタルパーツの斜面にはザラツ研磨を施し、平滑度の高いミラー面を作り出すことで、高級感あふれる仕上がりとなっている点も、さすがMT-Gだ。
機能面でも優れたスペックを誇り、Bluetoothによるスマートフォン連携で時刻修正やアラーム設定が可能。タフソーラーとマルチバンド6を搭載し、正確な時刻を刻み続ける。暗所でも視認性を確保するスーパーイルミネーターを搭載するなど、実用性も抜群だ。
MTG-B3000シリーズ

MTG-B3000シリーズは、従来のデュアルコアガード構造をさらに強化し、薄型かつ軽量なボディを実現。重厚なデザインを維持しながら、快適な装着感と実用性を向上させた革新的なシリーズである。
最大の特徴は、新設計の薄型構造。カーボンファイバー強化樹脂ケースがモジュールを保護し、外側をメタルパーツで覆うことで、耐衝撃性を維持しながらケース厚を12.1mmに抑えた。従来のMTG-B1000と比較して、モジュールの厚みを1.45mm薄型化しながら、G-SHOCKの堅牢さを損なわない設計となっている。さらに、立体的な複雑形状の裏蓋を採用し、バンドの固定やボタンの保護機能を持たせることで、より高い剛性とデザイン性を実現。メタル外装の造形美にも健在で、ステンレススティール製の裏蓋はプレス加工、切削、研磨といった工程を経て、立体的かつ複雑な構造で仕上げられている。トップベゼルと噛み合わせるように設計され、特殊形状のビスで固定することで、薄型ながらも重厚感を演出。表面にはザラツ研磨が施され、美しい光沢とシャープな造形が際立つデザインとなっている。
機能面では、Bluetoothによるスマートフォン連携と標準電波受信を組み合わせた電波ソーラーを搭載。正確な時刻を自動調整し、世界中どこにいても時刻ズレの心配がない。サファイアクリスタルガラスには内面反射防止コーティングが施され、視認性も抜群。スーパーイルミネーターの搭載と併せて、あらゆる環境に対応する。
バンドにはワンプッシュ式の交換システムを採用し、専用工具なしで簡単にバンドの付け替えが可能。メタルとファインレジンを組み合わせたレイヤーコンポジットバンドや、軽量なソフトウレタンバンドが選べるため、シーンに合わせたカスタマイズも楽しめる。さらに、ブラックを基調にレッドやグリーンのアクセントを加えたIP加工によるカラーリングが施され、個性を際立たせるデザインとなっている。
MTG-B3000シリーズは、G-SHOCKのタフさを持ちながら、薄型で洗練されたデザインと高い機能性を両立。快適な装着感とメタルの重厚感を求める時計愛好家にとって、理想的なモデルとなっている。
おすすめMT-Gモデル
G-SHOCKの中でも高級感とタフネスを兼ね備えたMT-Gシリーズ。ビジネスにもカジュアルにも馴染む洗練されたデザインと、最新技術を搭載した実用性の高さが魅力だ。数あるモデルの中から、特におすすめしたいMT-Gを厳選。機能性、デザイン、装着感に優れたモデルを紹介し、それぞれの魅力を詳しく解説する。
MTG-B3000BD-1AJF

タフソーラーを搭載で、光エネルギーで駆動するため電池交換の手間が不要に。暗所での視認性を確保するスーパーイルミネーターや、サファイアガラスの内面反射防止コーティングによるクリアな視界も備え、実用性が高い。トリプルGレジスト、カーボンコアガード構造を搭載する。。タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。カーボン×SSケース(縦51.9×横50.9mm、厚さ12.1mm)。20気圧防水。15万9500円(税込み)。
Ref.MTG-B3000BD-1AJFは、G-SHOCKの耐衝撃性とメタルの高級感を融合させたMT-Gシリーズの中でも、エレガントなデザインと機能性を兼ね備えたモデルだ。ブラックIP基調の外装の中にもレッドやパープルが組み込まれることで、スポーティー一辺倒ではない、オシャレなデザインに仕上がっている。
ケースデザインは他のMT-G同様、複雑形状のメタル外装が特徴。ステンレススティール製の裏蓋は何工程ものプレス、切削、研磨を経て成形され、トップベゼルと噛み合うように特殊形状のビスで固定。ザラツ研磨による美しい光沢が施され、重厚感と洗練された造形美が際立つ。
機能面では、スマートフォンとBluetooth接続することで時刻修正やアラーム設定が簡単で、標準電波受信機能マルチバンド6にも対応し、世界6局の電波を受信して正確な時刻を維持する。
バンドには、メタルとファインレジンを組み合わせたレイヤーコンポジットバンドを採用し、装着感を向上。ワンプッシュ式のバンド交換システムにより、専用工具なしで簡単にストラップの変更も可能だ。メタルバンドの高級感を楽しみながら、シーンに合わせたカスタマイズも容易にできる仕様も魅力の一つだ。
MTG-B3000BD-1AJFは、耐久性、機能性、デザイン性のすべてを高次元で融合させた1本。G-SHOCKの持つタフネスを継承しながら、洗練されたフォルムと先進技術を備えたこのモデルは、日常使いからアウトドア、ビジネスシーンまで幅広く活躍する理想的な腕時計である。
MTG-B2000B-1A2JF

タフさと洗練されたデザイン、革新的な技術を兼ね備えたモデル。スポーツからビジネスまで幅広いシーンで活躍し、G-SHOCKの中でも特別な存在感を放つモデル。トリプルGレジスト。カーボンコアガード構造を搭載。タフソーラー。フル充電時約29カ月駆動(パワーセーブ時)。カーボン×SSケース(直径49.8mm、厚さ15.9mm)。20気圧防水。14万3000円(税込み)。
メタルの重厚感とカーボンの軽量性を融合させたRef.MTG-B2000B-1A2JFは、MT-Gシリーズ独自のデュアルコアガード構造を進化させ、強靭なメタルフレームの中にカーボンファイバー強化樹脂のモノコックケースを配置。耐衝撃性を確保しながら高気密で軽量なボディを実現し、タフさと快適な装着感を両立させている。
デザイン面では、メタルベゼルとアウターケースを別体構造とすることで、カラーリングの自由度を向上。ボルドーIPを施した多角形ベゼルが特徴的で、メタリックな輝きと精悍な印象を強調。さらに、ザラツ研磨によるミラー仕上げやヘアライン加工が施され、細部にまでこだわった仕上がりだ。ブラックIPコーティングのメタルフレームが、重厚感とスタイリッシュなデザインを際立たせる。
バンドには、メタルとファインレジンを組み合わせたレイヤーコンポジットバンドによって、従来比約15%の軽量化も実現した。バンドの着脱が容易なダブルスライドレバー構造を採用し、シーンに合わせたカスタマイズも楽しめる仕様となっている。
MTG-B1000-1AJF

G-SHOCKのタフネスを継承しながら、デザイン性と技術力を融合。スタイリッシュなルックスと快適な機能性を備え、ビジネスシーンからアウトドアまで幅広いシチュエーションで活躍する1本だ。トリプルGレジスト搭載。タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。樹脂×SSケース(縦55.8×横51.7、厚さ14.4mm)。20気圧防水。12万1000円(税込み)。
「MTG-B1000-1AJF」は、G-SHOCKの耐衝撃性とメタルの高級感を融合させたMT-Gシリーズの代表モデル。新コアガード構造を採用し、ベゼル、裏蓋、バンド接続部を連結したボックス状のフレーム内にインナーケースを配置。衝撃を面で受け止める設計によって強固な耐久性を実現しながら、ケースサイズのダウンサイジングにも成功している。従来モデルより小型化を実現し、着け心地の快適さが向上している。
デザイン面では、ブラックIP加工を施したメタル外装に、アクセントカラーとしてメタリックレッドを採用。耐磨耗性に優れている。メタルパーツには、ザラツ研磨によるミラー仕上げやヘアライン加工が施され、細部の仕上がりにまで配慮がなされている。