例年、画期的な技巧と意匠によって、唯一無二の新作時計をお披露目するジェイコブ。今年もジェイコブの代表的なコンプリケーションウォッチ「アストロノミア」をはじめ、革新的なモデルの数々が出そろった。

「アストロノミア レボリューション フォーアクシス トゥールビヨン」
ジェイコブを象徴するコンプリケーションウォッチ、「アストロノミア」。2014年に発表された初代モデルは、センターから伸びたアームに3軸トゥールビヨン機構を搭載し、そのアームがダイアル上を20分で1周するという、並外れた機構を備えた時計であった。その後もアストロノミアは進化を重ね、太陽系に着想を得た荘厳なデザインを特徴とした2017年の「アストロノミア ソーラー」では、10分で1周というハイスピード化を達成。しかし、高速化の追求はここで終わらず、2023年の「アストロノミア レボリューション」では、1分で1周という驚異的な速度を実現させた。
そんなアストロノミアの新作が、「アストロノミア レボリューション フォーアクシス トゥールビヨン」だ。アームの回転速度は、アストロノミア レボリューションの1分で1周を受け継ぎつつ、垂直型回転式センタープラットフォームと、3軸トゥールビヨンを組み合わせたことによる、4軸トゥールビヨンの搭載に成功している。
この画期的な構造をあらゆる角度から鑑賞できるよう、18Kローズゴールド製ケースのサイドには、サファイアクリスタルがセットされている。周回するトゥールビヨンとダイアルの下に輝くのは、立体的なモザイクパターン。アームに支えられたレッドのポリカーボネート製ダイアルは、常にケースに対して真っすぐとなるよう、ゆっくりと回転する。また、本作にはコンスタントフォース機構も搭載されており、脱進機に必要以上の負荷がかかることを防ぎつつ、正確な時間制御を実現している。

センターから伸びるアームには、4軸で回転するトゥールビヨンを搭載されている。このアームは1分で1周というスピードで回転し、その様子をサファイアクリスタル越しに鑑賞することが可能だ。手巻き(Cal.JCM54)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約36時間。18KRGケース(直径47mm)。30m防水。世界限定18本。1億2320万円(税込み)。
「ワールド イズ ユアーズ デュアルタイムゾーン トゥールビヨン」
2023年に発表された「ワールド イズ ユアーズ デュアルタイムゾーン」に、トゥールビヨン機構を追加した新作が「ワールド イズ ユアーズ デュアルタイムゾーン トゥールビヨン」である。
前作のワールド イズ ユアーズ デュアルタイムゾーンは、ジェイコブの創設者であるジェイコブ・アラボが13歳のときに父から受け継いだ、ワックマンのダブルタイムゾーンに着想を得たデュアルタイムゾーンウォッチである。ダイアル全面にあしらわれた立体的な世界地図と、6時側と12時側に配された2つの時分表示、センターに輝くコンパスローズをあしらった秒針が旅情をそそるこのモデルは、そのデザイン性と機構によって高い評価を得た。

今回発表されたワールド イズ ユアーズ デュアルタイムゾーン トゥールビヨンも、基本的には前作と同じデザインコードを持つ。ダイアルに広がる西半球の空から見た地球は、メタリックブルーによって壮大な海を表し、ローズゴールド仕上げの繊細な彫刻が陸地の複雑な地形を作り出している。ダイアルは大きく湾曲し、同じくドーム状のサファイアクリスタル越しに、その立体的な造形を存分に堪能することができる。
6時位置と12時位置の時刻表示は、それぞれ独立して調整することが可能であり、例えばインドのように分単位の時差が生じる場合でも、正確に設定することができる。センターにあしらわれたコンパスローズには、トゥールビヨン機構が備わっている。多くのトゥールビヨンは60秒で1周するが、本作では30秒で1周し、高速で回転するダイナミックな動きを楽しむことが可能だ。
ケースバックには、メタライゼーション加工による世界地図が描かれたブルーのサファイアクリスタルがセットされている。内部に搭載されたマイクロローター式自動巻きムーブメント、Cal.JCAA45の一部を鑑賞することが可能だ。

2023年の話題作、「ワールド イズ ユアーズ デュアルタイムゾーン」にトゥールビヨン機構を搭載したモデル。前作に比べ、さらに大きく湾曲したダイアルも魅力だ。自動巻き(Cal.JCAA45)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KRGケース(直径43mm、厚さ18mm)。30m防水。世界限定199本。4048万円(税込み)。
「エピックXスポーツ」
2015年に誕生した「エピックX」は、リュウズガードを備えた大胆なデザインのケースやラバーストラップを特徴とするシリーズだ。チタンケースに見応えあるスケルトンムーブメントを組み合わせた「エピックXスケルトン」、ホワイトセラミックケースとブルーのスケルトンムーブメントが爽やかな「エピックXセラミック」、よりダイナミックなケースデザインの「エピックXクロノ」、さらにはジェムセッティングした18Kローズゴールドケースとトゥールビヨンムーブメントを備えた「エピックXトゥールビヨンバゲット」など、これまで多くのモデルが発表されてきた。
そのラインナップに今年加わったのが、シンプルでスポーティーな「エピックXスポーツ」だ。これまでのモデルがノンデイト仕様の2針手巻きムーブメントを搭載していたことに対し、本作では日付表示を備えたセンターセコンド式3針の自動巻きムーブメントを搭載している。より日常使いしやすいパッケージとなったことで、幅広い層の時計愛好家が手に取りやすくなった。ムーブメントは、同社では初となるクロノメーター認定を取得しており、精度面も優れている。
デザイン性も魅力だ。スケルトナイズされた時分針がスポーティーさを強調し、ダイアルに施された立体的なパターンが、上品な印象を与える。カラーバリエーションは3種類が用意されている。ひとつがステンレススティールケースにスカイブルーのダイアルとインナーリングを組み合わせたもの、もうひとつがブラックPVD加工のステンレススティールケースにブラックのダイアルとインナーリングを組み合わせたもの、最後がブルーPVD加工のステンレススティールケースにブルーのダイアルとイエローのインナーリングを組み合わせたものだ。

100m防水のステンレススティールケースに自動巻きムーブメントを組み合わせた、デイリーユースにぴったりな新作。今後のカラーバリエーション展開も楽しみだ。自動巻き(Cal.JHA01)。 SSケース(直径41mm)。100m防水。要価格問い合わせ。